Daoko 『Slash-&-Burn』』
“あぼーん” を除きすべて新曲で固めた8thアルバムは自主レーベル「てふてふ」からのリリース。小島英也、小袋成彬、GuruConnect、羽生まゐご、食品まつり a.k.a foodman、DJ6月、TAAR、美島豊明といった多彩なクリエイターと組み、昭和グルーヴ脈打つ “BLUE GLOW” からハッピーなラヴ・ソング “NovemberWeddingDay” 、言葉遊びが光る “GAMEOVER” 、かつてのインディーズ時代を思い出す “なんちゃって” “赤目のビル” の饒舌暗黒ポエトリーまで、これまでのスタイルを総覧したようなオルタナティヴ・ポップが躍動している。発声のヴァリエーションも過去最高。 “好×2 + 嘘×2” のわらべうた感が楽しい。QUBITや椎名林檎作品への参加も含め、メジャーとアンダーグラウンドを行き来しながらこれからも自由闊達に歌い続けてくれそうだ。
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HUGEN “MAYA”
HUGENを主宰するTPSOUNDこと北野哲平とはシンガー、k-overと組んだCity Your Cityのトラックメイカーとして出会ったので、HUGENでの歌もの連発に最初は少し驚いたが、これは会心の一曲である。のっけから「可愛い声も足も顔も/全てを愛しているよ/どんな時も君がいれば/いつでも幸せさ」と歌う、無防備なほどピュアなラヴ・ソング。肝心なのはラヴの対象が生まれたばかりの愛娘であることだ。わかる。赤ちゃんの足マジかわいい。ほよっほよ。わが子ならかわいさは何千億倍……いや数値化不可能だろう。精緻な音の配置はさすがプロのトラックメイカーだし、発声もその響かせ方もセンスがいい。娘さんが反抗期を経て大人になったときに聴かせたい。この曲はぜひMVを見てほしい。ここまで声と顔から受ける印象が一致している人はいない。
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竹渕慶『I Feel You』
自分が何者かを決めるのは自分と宣言する “Who I am” や「さみしい顔してる君」に「魅力を数えてあげ」て励ます “Charm” など、自他を肯定するメッセージを厭味なく歌えるのがこの人の魅力だと思うが、ポッドキャストで感動的な逸話を聞かせてくれた “Voice of an Angel” (本作にはバンド・アレンジで収録)や表題曲では「わたしと歌」の根本に自ら迫っていて、稀有なパワーの源を知る思いがする。そうした「大きな」歌から、苦味をはらんだ “恋なんて” や “夜明け” のような「小さな」歌まで、12曲どれも自然体の温かみと切れ味を備えている。なかでもアダム・レヴィによる同一のメロディに日本語と英語の歌詞を載せた “手紙” と “Blueberry Bottle” は格別。人柄が伝わるジャケット写真もすばらしい。前作の印象を大きく更新してきた。
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