valknee 『Ordinary』
2019年の “NUNA 누나” で知って以来注目してきたが、Zoomgals加入にlyrical schoolへの曲提供、『ラップスタア誕生!』での高評価など、近年の活躍はめざましい。フェミニズムやセルフ・ラヴのメッセージをキャッチーな言葉選びでぶっ刺していくさまはゆっきゅんを連想させる。言葉の強度には十代のころのギャルへの憧憬が関係しているのかも。國母和宏オマージュからの押韻展開がダイナミックな “OG” で始まり、生活態度( “LOOSE” )、ゲーム( “Load My Game” )、お約束コンテンツへの辟易( “Not For Me” )、夏にかこつけた自己肯定( “BREEEEZE” )、お買いもの随想( “WHITE DOWN JKT” )など、等身大のテーマ選びと率直な語り口、ビートの殺伐を救って余りある歌声の愛嬌が相変わらず心地よい。
OTOTOYでの配信購入はコチラへ(ハイレゾ配信)
OTOTOYでの配信購入はコチラへ(ハイレゾ配信)
Furui Riho『Love One Another』
互いに愛し合おう、というタイトル通り愛を歌っているが、恋愛だけではない。「いつか増えたシワで/また笑い合ってくれる?」( “Friends” )の友愛、「ABCでcoming back/ありがとう ただいま」( “SAPPORO TOKYO” )の郷土愛、「誰かのsuper star/にならなくても/わたしのsuper star/にならなれるわ」( “Super Star” )の自己愛。その幅も落ち着いた語り口も大人ならではだし、それは今後さらに広がり深まっていくと予感させてくれる。 “LOA” を聴けばわかる通りゴスペルにルーツを持つ北海道出身のシンガーソングライター。30代で地方在住のままメジャー・デビュー、このまま成功したなら音楽界には好影響しかなさそうだ。 “Your Love” や “ウソモホント” などJ-POP的な華のある曲も多数。ヒットを飛ばしまくってほしい。
OTOTOYでの配信購入はコチラへ(ハイレゾ配信)
OTOTOYでの配信購入はコチラへ(ハイレゾ配信)
TOMOO “あわいに”
出先の有線放送で耳にして、忙しかったこともあって歌詞はあまり聞き取れなかったが、特徴的なアルト・ヴォイスとゆったり間のあるメロディも、フルートやシロフォンを巧みに配した上品さと躍動感を両立させたアレンジ(トオミヨウ、さすが)も一発で気に入った。その場でShazamして曲名を知ってニッコリし(好きな言葉なので)、帰宅後に検索して見た三島市ロケのMVにも温かく柔らかい心地になった。何かが起こった瞬間を歌った曲は山ほどあるが、起こる「余地」にわくわくする歌は珍しい。提供先のドラマを見ていないため、よく合っているという評判は確認できていないのだが、もろもろ総合して、これまで聴いたTOMOO作品のなかでいちばん好き。この曲も収録されるであろう次のアルバムが出るまで、僕も「あわい」を楽しみたい。
OTOTOYでの配信購入はコチラへ(ハイレゾ配信)
OTOTOYでの配信購入はコチラへ(ハイレゾ配信)