「なにが起こったのかわからなかったけど、なんか楽しかったな」が残ってもらえたら
──米田さんはなぜビバラッシュからのオファーを受けたのでしょう?
米田:お話いただいてからまず曲を聴かせてもらって、自分たちが持っていないセンスをたくさん持っている方々だなと感じて。どの曲も目まぐるしい展開を目指して作ってらっしゃると思うんですけど、散らばってなくてちゃんとまとまっているんですよね。パッと聴くとチャラい感じのイメージがある……というとちょっと失礼な言い方になるんですけど。
幸村:いえいえ全然。
米田:でもその奥にちゃんと、音楽に対する丁寧な気持ちが見えて。だからきっと素敵な方々なんだろうなと思ったのでお受けしました。
るいまる:ありがとうございます。そこに気づいてもらえて良かった!(笑)
幸村:ほんと、チャラいだけだと思われてなくて良かった!(笑)
米田:(笑)。ヴィジュアル系バンドさんとの対バンははじめてなんですけど、僕たちもこれまでいろんな違うジャンルの方と対バンをすることはあって、そのたびに刺激をもらうんです。違うジャンル同士の対バンはそれぞれのお客さんに新しい出会いがあったりして、幅が広がる日になりやすいので、出演するたびに素敵だなと思いますね。
──ビバラッシュもそういう思いのもと〈アゲアゲJAPAN’24〉を企画なさったのでしょうか。
るいまる:そうですね。僕たちは一応ヴィジュアル系バンドというくくりなので、ファンの方も華やかなメイクや衣装が好きな方も多いは多いんですけど、ヴィジュアル系バンドって本当に幅広いんですよね。僕たちはポップで明るいバンドで、僕らを好きでいてくれるヴィジュアル系のファンのお客さんは、気持ちが高ぶる音楽や身体をいっぱい動かせる楽しいライヴをすごく好いてくださるんです。
幸村:僕らは「アゲみ集団」というコンセプトを掲げて、「みんなの笑顔や楽しさを引き出したい」をモットーに活動していて。
るいまる:ヴァイブスを上げることをすごく大事にしているので、そういうファンがいらっしゃるバンドさんとは一緒にイベントを盛り上げられるんじゃないかなと思って、今回ジャンルの枠を超えた〈アゲアゲJAPAN’24〉を企画したんです。新境地のアゲを届けたいですね。
──ビバラッシュも夜の本気ダンスも、ご自身のファンではない方々も巻き込んだライヴができるバンドだと思います。〈アゲアゲJAPAN’24〉のように、ひとつのライヴハウスに複数のバンドが集うイベントでライヴをするうえで心掛けていることとはどんなことでしょう?
るいまる:僕は「風のように走り抜ける」ですね。無理に印象付けようとすると、から回ってしまったりしつこくなってしまったりする気がしていて。だからバッと突風が巻き起こるようなライヴをして「びっくりしてなにが起こったのかわからなかったけど、なんか楽しかったな」という気持ちが残ってもらえたらなと思っています。そういうライヴをすると、お客さんが後から「なんていうバンドなんだろう?」と検索してくれるんですよね。
幸村:ただ僕ら全員が風のように過ぎ去ってしまうとライヴをした意味がなくなるので(笑)、楽器隊の僕らは爪痕をちょっと残すために、るいまるのMCにツッコミを入れてみたり、激しいステージングをしてみたり、印象に残るものにできたらなと思っていますね。だからるいまるの提案してくれたものに、仕掛けを作って全力でサポートすることを心掛けています。
るいまる:せっかくライヴに来たんだから、ただこの瞬間を楽しんでほしいんですよね。だから「名前を覚えるよりも、とにかく楽しんで」と言うんですけど、そうすると結果的に覚えてくれる確率が上がるんです。天邪鬼に思われるかもしれないけど、気持ちとしてはストレートなんですよね。
米田:僕たちは基本的にそれぞれが自分らしくやれればいいかなと思っていて、うちはMCの担当が主にドラムの鈴鹿秋斗なんです。
幸村:へえ、そうなんですね!
米田:前3人(米田、マイケル、西田一紀)が結構クールな感じなので、後ろの鈴鹿が笑いでちょっとほぐしてくれるというバランスでやってます。よく鈴鹿は、僕たちのひとつ前に出演したバンドさんがMCとかで言わはったフックになるワードを引用したり、ライヴの内容に触れたりしてますね。だから前のバンドからバトンを受け取って、それを次につないでいくイメージというか。その1日をみんなでつないで作り上げられたらなという心持ちでいます。