Newdad 「Let Go/Angel」
アイルランド発4人組バンドは2024年1月にデビュー・アルバム『Madra』をリリース予定。2年半の間で発表したEP2作品を通して、ドリーミーでポップな世界観からグランジ、オルタナ、シューゲイズに傾倒したロックな音楽性へと進化してきた彼ら。本作ではその傾向をより強め、先行公開されている2曲からはよりヘヴィネスに進化し、90’sの空気感や質感をふんだんに取り入れたミステリアスなロック・ミュージックが展開される。催眠術をかけるように語りかけてくる幽玄的なヴォーカルも中毒性抜群。クィーンやブラック・サバス、オアシスらも利用した伝説的音楽スタジオ〈ロックフィールド・スタジオ〉でレコーディング、ナイン・インチ・ネイルズやスマパンらを手がけるアラン・モウルダーがミックスと、来年のUKロックシーンを賑わせる作品になること必至。
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Leave Yourself Alone 「Leave Yourself Alone」
オルタナ・シューゲイズ好きの心を鷲掴みにする大型新人が登場。カナダはバンクーバーを拠点とするバンドは、11月17日にセルフ・タイトル・アルバムでデビューを飾る。活動拠点と数本のライヴ活動しか明かされていない謎めく彼らだが、先行公開された3曲で「ああ、これは売れるな」と十分に思わせられた。スロウダイヴのように淡く溶け合うツイン・ヴォーカルとゼロ年代オルタナティヴ・ロックらしいメロディアスでクリアな音像が聴き心地が良い一方で、ブラック・カントリー・ニュー・ロードのようなエレガントな凶暴性やアート性も秘める。なかでも表題曲では大胆な曲展開が面白く、訴えるような「You can leave yourself alone」からライヴさながらの躍動感に溢れるバンド・アンサンブルが広がる瞬間は泣けます。
Slow Plup 『YARD』
アレックス・Gのツアー・サポート経験を持つシカゴ発インディーロック・バンドのニュー・アルバムは、90’sオルタナ・サウンドとたっぷりのノイズによるアナログな質感が心地良い一枚。アノラック期のマイブラを想起させる甘いポップなメロディが魅力の「Doubt」、『Insn’t Anything』の鋭さとパンキッシュさを受け継ぐような「Cramps」、ガレージ色の強いバンド・サウンドで青く甘酸っぱい音像を描く「Worm」、紅一点エミリー・マジーのセンチメンタルな歌声が際立つ「Broadview」など、前作よりさらなる高みを目指しながらも、よりリスナーを広く受け入れる楽曲性に進化。全曲に通ずるズレひとつない一体感と完成具合は、小学生からの付き合いというバンドの結束力の賜物である。