スペシャル・フォトギャラリー
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LIVE REPORT : パピプペポは難しいLIVE2022「復習」
文 : 西田健
撮影 :ヒラノコウタ
2022年6月27日、関東での梅雨明けが発表され、うだるような暑さが東京中を包んだこの日。6人組アイドル・グループ、パピプペポは難しい(通称、パピムズ)が、恵比寿LIQUIDROOMにて、ワンマンライヴを行った。
彼女たちがこの恵比寿LIQUIDROOMという会場でワンマン・ライヴを行うのは2回目。前回は「夢」のステージだったこの場所に、今回は「現実」として、もう1度立つ。これは、彼女たちが恵比寿LIQUIDROOMにふさわしいグループに成長した証と言えるだろう。今回のライヴのタイトルは〈復習〉。ちょうど1年前に開催された前回のLIQUIDROOMでのワンマン・ライヴのタイトルである〈復讐〉と、すごく似ているが、同じようでいて違う。これは、1度目よりさらにパワーアップしたライヴを見せる、という自信があるからなのだと感じた。
定刻を迎えると、混沌としたSEが響き、メンバーが現れる。カワシマユカのエモーショナルな熱唱で、1曲目の“決まりごと”がスタートし、客席のサイリウムが色とりどりに一斉に輝きだす。続く2曲目の“ホニャララ・アンビシャス”では、空気をガラッと一変させ、「ズンチ・ズン・ズンチ」というコミカルかつファニーな歌詞とダンスを披露。すでに、フロアは大爆発。さらに、ライヴは“だるい日”へ。ちなみに、ここまでのセットリストは昨年のものと全く同じだ。このライヴが〈復習〉と銘打たれていることに、ふさわしい演出である。


“シャニムニ”で最初のブロックを終えると、この日最初のMCヘ入る。揃いの「パピプペポは難しいです!」という挨拶を行うと、いつも通りのゆるゆるとした空気のMCヘ。今回のライヴが始まる前のトークをしていると突然、ドン・グリが「そんなことより、ピザパーティーしない?」と言い出しはじめる。ステージ及び客席が「なんて?」困惑し、「緊張しすぎて、ピザパーティーのことなんか考えられないよー!」と、完全にトークが散らかった状態へ。そこからさらに、「こんなとき、どうしたらいいんだろー!」というセリフを合図に、「助けに来たぞ!港区女子に憧れるピンク、鈴木めがね!」「首は短め、キリンのイエロー、ドン・グリ!」「はじめのあいさつ、おはみなのしゆ、グリーンの小枝みゆ!」「特技はバカデカレス、レッド、白羽根優衣!」「ビールは生ビールより発泡酒派、金麦ブルー、木内小百合!」「メンヘラ卒業、ノット病み属性、カワシマユカ!紫!」と全員が名乗りをあげ、次の曲、“スーパーSAMURAI忍者・カラテマン”に入っていく。本当に本当に強引な展開だが、これこそがパピムズの唯一無二のエンターテイメントなのである。前回のワンマンライヴで、この曲は多くの場所でライヴの起爆剤として披露されていくのだろうと想像したのだが、本当に会場が一体となっていた。

“スーパーSAMURAI忍者・カラテマン”のようなシュールかつテンションの高いトンチキな楽曲を披露した後は、パピムズ屈指のエモ楽曲“神様のきまぐれ”、“ロンリーバード”へと繋ぐ。この高低差ありすぎるくらいの緩急の使い方が、彼女たちの持ち味である。パピムズはこれまで、たくさんの楽曲をリリースしてきたが、それらは本当にバラエティーに富んでいる。ここまでジャンルの幅の広い楽曲を歌うグループは、現在の日本のアイドルシーンではかなり稀有である。次にどんな曲調でくるのかわからない、このドキドキワクワクする感じは、パピムズのライヴでしか味わえない楽しいポイントだと思う。
少しMCを挟みながら、最新楽曲“ち・ちん・ぷい”へ。パピムズの楽曲としては珍しい、スーパーど真ん中なアイドル・ソングだ。そこからさらに、西海岸系のパンク・ロックチューン“イングリッシュマフィン”へなだれ込む。パンクな楽曲を歌うアイドル・グループは、他にもたくさん存在しているが、この路線はかなり珍しい。アイドル楽曲としてのハマりもかなり良く、これはパピムズの大きな武器だと感じた。ロック・バンドとの対バンでもしっかり映えると思うし、ぜひ、機会があればバンドセットでも聴いてみたいと思った。
“イングリッシュマフィン”を披露すると、ステージからいなくなるメンバー。すると、突然“治安の悪い”シンセサイザーのリフが流れ出しスクリーンには、高級車で登場しクラブで豪遊するパピムズの面々が映し出される。映像はおそらくこの日のために披露される新曲だ。シンセのメロディーに「一1軒家住みたいな」と連呼する歌詞が重なり、アダルトな雰囲気を醸し出す。映像のなかでは、ピザを頬張るメンバーの姿も映し出されており、「“カラテマン”の前のグリちゃんの茶番は、実はここの伏線だったのか?」と、思わず笑ってしまった。映像が終わると、メンバーが再び現れ、そのまま新曲“一1軒家住みたいな”をライヴで披露。欲望そのままをぶちまけたような歌詞だが、けだるそうなフロウで畳み掛けるラップが心地良い。さらに、エレクトロチューン“ビバ・トーキョー”へ。これまでロックの空気を纏っていた、LIQUIDROOMの空気を一気にクラブへと変貌させた。さらに、必殺のユーロビートチューン“TONIGHT OF FIRE ~カーナビの現在地がおかしい~”を続け様に披露。このライヴの峠を攻めていく。


彼女たちは“charm”、“アイマイニー”を披露し終えると、MCのなかで東名阪ツアーの告知を行う。そして、そのあとメンバーでありプロデューサーも務めるカワシマユカの口から告げられたのは、Zepp Diver Cityでのワンマン・ライヴの開催決定というお知らせだった。客席は驚きの声が漏れ出ていた。Zepp Diver Cityは、ここLIQUIDROOMより倍近くも大きなキャパシティーであり、これは彼女たちにとって、大きな大きな挑戦である。
Zepp Diver Cityでただライヴをやるだけでは、きっと彼女たちは満足しない。彼女たちは、LIQUIDROOMでライヴをやるのにふさわしいグループになったように、Zeppでやるのにふさわしいグループにならなくてはならないのだ。そのためには楽曲やパフォーマンスだけではなく、本当に超えなくてはならない様々な試練があるだろう。これまでいくつもの試練を乗り越えてきた彼女たちだが、この挑戦は、これまでよりもっと大きな大きな試練となるだろう。しかし、客席には、そんな彼女たちを笑う者は誰一人していなかった。それは、メンバーはもちろん、ファンも彼女たちのことを信じているからなのだと思う。
最後に、“ラブげっちゅ! -お誕生日のお歌-”でライヴはフィナーレへ。客席からは、割れんばかりの拍手に包まれていた。終演後、バーカウンター前立ち寄ると、これまでの彼女たちの歩みを記した年表が貼られていた。それを見るだけでも、彼女たちがいかに長い間努力をしてきたのかがわかる。この彼女たちの軌跡には、これからも多くの思い出が刻みこまれていくことだろう。そして、新たに開催されるZepp Diver Cityのライヴを最高の思い出にできるように、パピプペポは難しいは未来へ向かって歩き出していくのだ。

■セットリスト
パピプペポは難しいLIVE2022「復習」
2022年6月27日(月)恵比寿LIQUIDROOM
M1.決まりごと
M2.ホニャララ・アンビシャス
M3.だるい日
M4.シャニムニ
M5.スーパーSAMURAI忍者・カラテマン
M6.神様のきまぐれ
M7.ロンリーバード
M8.ち・ちん・ぷい
M9.イングリッシュマフィン
M10.一軒家住みたいな
M11.ビバ・トーキョー
M12.TONIGHT OF FIRE~カーナビの現在地がおかしい~
M13.踊れ!サンビーチクルージング!
M14.charm
M15.アイマイニー
M16.ラブげっちゅ! -お誕生日のお歌-

最新楽曲『ち・ちん・ぷい』ハイレゾ配信中
LIVE INFORMATION

パピプペポは難しいワンマンライブ2023 『フラッシュバック』
日程:2023/1/17(火)
会場:Zepp Diver City
時間:OPEN17:15 / START18:00
[チケット]
S TICKET:¥15,000+1D(税込)
一般:前売り ¥4,000 / 当日 ¥5,000 +1D(各税込)
▼先行販売 6/28(火) 21:00〜7/31(日) 23:59
https://w.pia.jp/t/papipupepowamuzukashii/
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PROFILE
パピプペポは難しい

パピプペポは難しいは2018年6月にステージデビューし、都内を中心に活動しているエレクトリック・グループ。メンバーのカワシマユカが運営責任者とプロデュサーを務めており、曲の歌詞も担当している。「パピプペポは難しい」の名前のようにキャッチーで可愛くかっこいい楽曲と癖になる振付のライブパフォーマンスが魅力のグループである。
【公式HPはこちら】
https://www.ppppphm.com/
【公式ツイッターはこちら】
https://twitter.com/ppppphmofficial