スペシャル・フォトギャラリー
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LIVE REPORT : 〈IZANAGI début LIVE ~I wanna be an idol!~〉
2022年5月8日。東京都北区赤羽のライヴハウス赤羽ReNY alphaにて、ひとつのアイドル・グループがデヴュー・ライヴを行った。その名も、IZANAGI。彼女たちは、白幡いちほ(ex:劇場版ゴキゲン帝国Ω)がプロデュースする新しいアイドルグループ。圧倒的共感型外道アイドルというコンセプトを掲げ、この日から本格的に動き始めていく。この日、キャパシティ600人ほどの会場には、彼女たちの一生に一度しかない初ライヴ姿を一目見ようと多くの人が集まっていた。
この日のイベントは、IZANAGIを含む4組の対バンライヴとなっていた。まず最初に現れたのは、そのたとえりいの2人組ラップユニット、おーるどにゅーすぺーぱー。1曲目の“はじめまして東京”から、ポップ度120%のトラックに乗るスキルフルなラップでオーディエンスをぶち上げていく。MCでは途中、えりいがそのたにフリースタイルラップバトルを仕掛ける場面があった。バッチバチの舌戦を期待したのだが、ビートなしの無音の空間でライムを刻むそのたに対し、普通のトーンでの喋りで返すえりい。バトルとしては全く成立していないのだが、とにかく湧き上がる客席。ラップ漫談とも言うべき、そのゆるさが印象的だった。彼女たちは最後の曲“オトガナリダス”での絡み合うラップとヴォーカルの妙で、フロアを飛び跳ねさせていった。


2番手、妖艶なSEと共に登場したのは、SAIGO NO BANSAN。2022年2月1日より、新体制として動き出した彼女たちだが、まずヴォーカルとダンスのスキルの高さに驚かされた。彼女たちは他のグループと比べても、かなり大所帯のメンバー構成なのだが、その迫力を活かしたフォーメーション・ダンスが圧巻。クールで力強さを感じる楽曲を歌いながらも、それでいて、しっかりお客さんに目線を合わせて笑顔を振りまくのも忘れない。それが、彼女たちがアイドルである所以なのだと思う。全てのパフォーマンスのクオリティーが高く、グループとしての強さを感じるステージングだった。彼女たちは、“1000日後に解散するグループ”として活動しているが、だんだん「その日」が迫ってくるにつれ、その強度は増していくのだろうと思った。


そして、ファンシーな装飾を施されたステージに現れたのは、ソロ・アーティスト、ようなぴ。「おはようなぴー」と元気に挨拶し、ファンタジックな世界へと誘っていく。本人曰く、多くのお客さんがはじめましての状態だったかもしれないが、長きキャリアに裏打ちされた堂々たる佇まいで、アーティストとしての風格を見せつけていく。客席での発声ができない状況ではあるが、そのなかでも、会場全体で身振り手振りを揃えて一体感を生み出すステージングは実に見事。客席にいる人間をひとり残らず、不思議な不思議なようなぴワールドへと連れていってしまった。


異種格闘戦のように、あらゆるジャンルのアーティストが登場した今回のイベント。最後に現れたのは、本日のメインIZANAGIである。EDMサウンドのSEで現れると、まずは先行配信されている楽曲“だってアイドルなりたいの”でゴリゴリに盛り上げていく。開場中も転換中もリピートされ続けていて、フロアのほぼ全員が予習バッチリという状況だ。キラキラでキュートな“ザ・アイドル”の要素を詰め込んだ楽曲で、デヴュー・ライヴの1曲目を飾った。「IZANAGIは今日、ここからはじまります! たくさんの思い出を君と作っていきたい! だから私たちについてきてー!!」と叫び、「ここからいくぞ!」という気合いを打ち出していく。


それからMCに入り、全員で挨拶のあと自己紹介へ。
「あなたの心に火を点けます! メンバー1の甘えん坊です!クリムゾンレッド担当、神楽響姫です!!!」
「輝く月夜に舞い踊る! アイリスパープル担当、輝月けいとです!」
「ぬ。に沼れよ ぬ。みる! ぱにゃにゃんグリーン担当、ぬ。みるです!!」
「未完成な蜜柑を一緒に育ててねー! カプリッチョオレンジ担当、蜜柑るなです!」
「身長は139センチ! 存在感は180センチ! ベイビースカイブルー担当、くまだかなえです!」


それぞれが甘噛みしながらも、この日のために用意してきた自己紹介を披露した。初々しさの溢れるMCに客席からも笑みがこぼれていた。それから、「IZANAGIが好きな人、手をあげてみよう!!」と煽り、「お前ら、浮気したらどうなるか、わかってるな?」と続き、2曲目“浮気ゼッタイ◯すマンのうた”に流れ込む。そこそこ物騒なことを歌うリリックではあるし、歪んではいるものの、これはきっと彼女たちなりのラヴソングなのだと思う。高速ハードコアテクノのビートで、お客さんのハートをしっかり刺していく。
そこからさらに、和風のイントロがかかり、3曲目のダークなエレクトロチューン“GEDO”。何度も何度もくり返される「ほら 限界超えちゃいそう」の連呼が耳に残る楽曲だ。この日が初披露だったはずだが、客席前方では、振りの完コピも見られた。グループのコンセプトを冠したこの楽曲は、これからも多くの場所で披露されるだろう。

告知を挟み、ライヴは最後の楽曲“週末slow memory”へ。先の“浮気ゼッタイ◯すマンのうた”、“GEDO”とは異なり、王道のアイドル楽曲である。まだまだダンスも歌も荒削りではあるが、そのパフォーマンスには、これからの未来への気合が見られる彼女たちだ。きっと、この日も大切な大切なmemoryになっていくだろう。
本編を終えると、彼女たちは、今日この日を迎えたことへの感謝を伝えた。
神楽響姫(クリムゾンレッド担当) 「私は、アイドルという夢を諦めそうになっていたときに、この最後のチャンスをかけたIZANAGIのオーディションを受けました。みなさんがここにいるから私はいまここに立てています。これからもこの感謝の気持ちを忘れずに、みなさんとの思い出と共にこれからも精一杯頑張りたいと思います。」

輝月けいと(アイリスパープル担当) 「私は、このIZANAGIのオーディションを受けるために、関西から上京してきました。最初はすごく不安で、しんどい思いをすることを覚悟していました。でも、メンバーやスタッフのみなさんが温かくチームに加えていただいたおかげで、想像していたより楽しい現実が待っていました。これからも私含めIZANAGIのことをよろしくお願いいたします。」

くまだかなえ(ベイビースカイブルー担当) 「私は前世がある人間なんですけど、生きがいであるステージの上に、もう一度立たせてもらえてこれて本当に嬉しかったです。この先もこんなに素敵なステージを作るために頑張っていきたいです。こんな大好きなメンバーに会えて、プロデュースのいちほさんも大好きで、メンバーって甘えていい存在なんだなって思いました。この4人と一緒だったら、もっともっと素敵なステージが見れると思います。もっともっといろんなステージ観れると嬉しいです。」

ぬ。みる(ぱにゃにゃんグリーン担当) 「こんなに生まれて間もない、アイドルグループのデビューライヴに来てくれてありがとうございます。私は1か月前に脱サラしてアイドルになりました。アイドルは物語だと思うんですよね。かわいいだけじゃなくて、いろんな事を乗り越えてきた全てをアイドルって言うんだと思います。これからIZANAGIのやること、いろんなところを愛していただければいいなと思います。そう簡単には辞めないので、信じて来てください。」

蜜柑るな(カプリッチョオレンジ担当) 「アイドルって楽しいです!こんなに応援してくれる人がいてくれて本当に嬉しいです。今日、もっともっと上のビジョンが見えたというか、武道館も夢じゃないなと思いました。私たちIZANAGIを信じてついてきてほしいです。頂点見えるまで、頑張りたいです。」

健気に一生懸命頑張る彼女たちの姿に、客席後方では、プロデューサーの白幡いちほも、目に涙を浮かべていた。あまりに泣きじゃくるメンバーにもらい泣きしてしまったのだろうか。それとも、自分の作り上げたグループの初のステージに対する親心での涙だったのだろうか。
IZANAGIのデヴューまでの道のりは、きっと平坦なだけではなく、きっと大変なこともあっただろう。それでも、彼女たちはこの日にたどりついた。彼女たちのコンセプトは”圧倒的共感型外道アイドル”ではあるが、たとえば、この先アイドルとしての道を外れていてしまったとしても、全く新たな道を切り拓いていけるだろう。これから大きく大きく成長して、アイドル界、いやエンターテイメント界の頂(いただき)まで、登っていくポテンシャルを持っている。この先も、目を離さないでいてほしい。

IZANAGI début LIVE ~I wanna be an idol!~
5月8日(日) OPEN16:30 / START17:00
赤羽ReNY alpha
【出演者】
IZANAGI
SAIGO NO BANSAN
ようなぴ
おーるどにゅーすぺーぱー
PROFILE:IZANAGI

"圧倒的共感型外道アイドル"外道=はみ出し者が音楽を通じて他者との繋がりを生むことを目指す。
■公式HP https://izanagi.themedia.jp/
■公式ツイッター https://twitter.com/IZANAGI_idol
PROFILE:SAIGO NO BANSAN

“1000日後に解散するグループ”SAIGO NO BANSAN。
与えられた時間はたったの1000日間。
限られた時間の中で彼女たちはどのような最期を迎えるのだろうか。
■公式HP https://saigono-bansan.com/
■公式ツイッター https://twitter.com/s1000idol
PROFILE:ようなぴ

DJ younaP!(DJ)、ようなぴ(ソロ)、YMQ a.k.aようなぴミニマム音楽団(バンド編成) などでもライブ・音楽活動をしながら、イラストレーター ようなぴ として作家活動も行う。
■公式HP https://younapi.com/
■公式ツイッター https://twitter.com/mo_younapi
PROFILE:おーるどにゅーすぺーぱー

えりい、そのた、から成るラップ・ユニット。RHYMEBERRYの元メンバーでSONOTA名義でソロ活動してきたそのたらによって、2020年初頭に結成。韻ふめ!どーぷちゃんの主宰するDoping! Recordsに所属し、3月にプレ・デビューのパフォーマンスを行う。その後、10代から弾き語りシンガーとして活動してきたえりいが加入し、9月より正式に現体制での活動をスタート。
■公式ツイッター https://twitter.com/rudonyu