T5UMUT5UMU 『玄 Gen』
LABEL:Sneaker Social Club
ウガンダの〈Hakuna Kulala〉(〈Nyege Nyege Tapes〉のサブ・レーベル)からのリリースも記憶に新しい、日本プロデューサーの最新作は、ブリストル拠点のレイヴ・サウンド〈Sneaker Social Club〉から。クラシック邦画(?)のサンプリングで火を吹くダブステップ“武者 Musha”に始まり、ハーフでもノレる現代版ハイブリット・グライムの“蠱毒 Ko Doku”、まさに開戦の合図かのよう、パーカッションが絡みつくインダストリアル気味な“狼煙 Noroshi”、ドリルとグライムの邂逅、超攻撃型の“砂 Suna”など、ヘヴィーウェイトな5トラックが揃い踏み。10年代グライムの艶、エモーショナルさだけでなく、フロアでも活躍間違いなしの馬力も兼ね備えた傑作。
Less-O 『Cri du Cœur (mini album)』
LABEL:TEMƎT
Simo Cell主宰の異形ベース・レーベル〈TEMƎT〉より、新進気鋭プロデューサーのEPが到着。ログドラムをきっちり響かせながらも独自解釈を施したミュータント・アマピアノの“Petrichor”、兄貴分・Simo Cellの影響を色濃く受けたであろう(特にサンプリング使いあたり)ハイパー・ブロークン・テクノの“Last Mic Jack”や“Cri du Cœur”、さらには、フロア着火系フォンク・バンガー(LEXの“GUESS WHAT?”とミックスすると面白い)の“Ghost”、そして同郷・Dites Safranとの変わり種ベース“2 Third”と、一切の捨て曲なし。〈TEMƎT〉勢のアーティストは、トラップ由来のバウンシーなテイストとハードコア精神が混在、そしてダンスホールやダブステップなどを器用に吸収&融合して唯一無二なサウンドに仕上げている印象。現行のフランス産ベース・ミュージックは最先端で痺れます。
Kelan x YOKEL『CASH BURN/RIDDIM DUSTER』
LABEL:Avon Terror Corps
Bad Trackingの片割れ、マックス・ピアースことKelanと、〈Accidental Meetings〉からのEPも抜群だったYOKELという間違いない組み合わせによる凶悪トラック。「おまえたちの希望は、絶望に変わったぁ!」と、いきなり突きつけられるブリストル産フォンクの“CASH BURN”(デンゼル・カリーの最新作にも入っていておかしくないかも)と、歪んだマシンビートとエコーのかかったパンク・ラップでグルーヴを生む、YOKELの持ち味全開“RIDDIM DUSTER”に加え、それぞれのインストが収録。どうせならヴァージョンも出してほしかった......。DJからしたらツール感覚で使えそうな、思いの外ストレートなシングルになったが、「結局お前らこういうの好きなんでしょ」にまんまと乗せられてしまった。