「とにかく一生懸命にやる」がモットー
──『17LIVE presents MUSIC COMPILATION ALBUM』に収録されている最新曲“想い人“をはじめ、葛籠貫さんのオリジナル楽曲には声を生かしたミドルナンバーやバラードが多いのも特徴的だと思いました。
ミドルナンバーやバラードのなかで、かっこいい曲や聴いていて幸せになれる明るい曲、卒業をテーマにした曲ポップな曲、明るいラヴソングも作ってきているんですけど、切ない曲を歌うことは芯に置いておきたい気持ちがあったので、“想い人“という曲ができました。そういう楽曲が昔から好きなことに加え、皆さんから「切ない曲を歌っているときがいちばん輝いてるよね」と言っていただけて。ステージで感情を込めて歌ったときに観てくださっている方々が泣いていると、自分が歌に込めた気持ちが伝わってるんだとうれしいんです。
──ご自身の歌で感情が動いてくれるのが、葛籠貫さんにとっての喜びであるということですね。
そうです。自分の好み、経験、皆さんの言葉を総合すると、切ない曲を歌ったときに力を発揮できるのかなと感じたので、その方向性は大事にしていきたいんですよね。そういう意味でも“想い人“は葛籠貫理紗のカラーが表れていると思ったので、今回のコンピレーションアルバムの収録曲に選びました。
──“想い人“は、葛籠貫さんの初オリジナル曲“水影“と通ずる世界観の楽曲だと感じました。
確かに。そういう意味では原点回帰でもあるのかも。“想い人“は恋愛に限らず大切な人を失った主人公の感情が込められた曲で、わたし自身もミュージックビデオは大好きだった亡くなった祖父を思い浮かべながら撮影しました。大切な人との別れを経験した方に共感していただけると思いますし……ありがたいことに今回のコンピレーションアルバムのイベント(楽曲収録権争奪戦)で1位を取らせていただけたので、プライズの一環で何曲目に収録するのかが選べたんです。せっかくならアルバムのいちばん最初を飾りたいなと思ったし、他9アーティストさんのファンの方や、「17LIVE」の音楽ライバーに興味を持ってくださった方に「これが葛籠貫理紗だ!」というものを聴いていただきたかったんですよね。それだけ素敵な曲を作っていただきました。
──「17LIVE」は今回のコンピレーションアルバムのように、プライズ(※編注)を獲得するためのイベントもよく行われていますが、葛籠貫さんにとってこのようなイベントは活動においてどんな存在でしょうか?
綺麗事と思われるかもしれないんですけど、わたしはとにかく一生懸命にやることがモットーで。イベントに参加したとしても汗水流して必死に歌ったり、楽しんで笑ってるところを観ていただいて、視聴者さんに楽しんでいただくことをなによりも大事にしているので、その先に結果がついてきてくれたらいいなと常日頃思っているんです。プライズのあるイベントというと「数字」や「バトル」という表現になるとは思うんですけど、そういうことはあまり考えないようにしています。もちろん「なにがなんでも勝ちたい!」と思ったときもありますし、「絶対にこのイベントは獲りたいな」と思うこともあるんですけど、「獲りたい」という感情が前に出すぎちゃうと視聴者さんが楽しめない気がしていて。真剣な姿を見せることを大事にしています。
編注:プライズとは、イベントで入賞した時にもらえる様々な特典や賞品のこと。
──「自分のために力を貸して」というよりは、みんなで一緒にプライズに向かって進んでいきたいということですね。
おっしゃる通りですね。今回のコンピレーションアルバムも「理紗ちゃんの曲をCDで聴けてうれしい」や「CDとして持っていられるからうれしい」と喜んでくださるリスナーさんも多いんです。実際にいまもイベントに参加しているんですけど(※取材日は7月上旬)、リスナーさんが「みんなで手をつないでいこう」というテーマを掲げてくれていて。「みんなで一緒にこのステージ目指そう。次のステップへ広げていこう」と思ってくださる方が多いので、すごく心強いです。

──葛籠貫さんは「17LIVE」だけでなく他SNSへの発信も積極的なので、音楽活動への熱意がより視聴者さんにも伝わっているのかもしれません。
「音楽ライバー」と一言で言っても、それぞれスタンスが全然違うんですよね。「ライバーとして生きていきたい」という方もいらっしゃいますし、自分の表現を広めるツールのひとつとしてライブ配信を使っている方もいて。わたしは動画をアップしたり、オリジナル曲をリリースしたりもしているからか、「もっとビッグになりたいんだな」と思ってもらうことが多いです。だからリスナーさんも「葛籠貫理紗の歌をたくさんの人に聴いてもらいたい」と思ってくださっているので、もっともっと広がっていけるように頑張ろうと思っています。でもやっぱり、ちょっと頑張れないなというときがあるんです。そんなときに「17LIVE」を観ると音楽ライバーさんがめちゃくちゃ必死に歌っている配信が目に止まったりするんですよね。そうすると「わたしも頑張んなきゃ」と励まされるし、刺激をもらいます。
──SNSは拡散力がありますが、より視聴者さんとの距離を縮められるのはライブ配信アプリの利点だと思います。
ライブ配信は、自分の力だけではどうにもできないことがあるのも特徴のひとつだと思っていて。広めてもらうにはリスナーさんの力が必要になるので、めちゃくちゃ皆さんの力をお借りして、新しい方に見つけてもらえるように力を注いでいますね。新しいリスナーさんが一気に増えるタイミングでは、わたしも勝負曲を披露して歌で引きつけられるようにしています。
──リスナーさんの協力があって、葛籠貫理紗というアーティストが成長しているんですね。
そうですね。「17LIVE」からわたしを知ってくださったリスナーさんがワンマンライヴにも足を運んでくださったり、SNSにアップした動画がバズるようにたくさんコメントして盛り上げてくださったり、リスナーさん同士で時間を合わせてシェアしてくださったり。そうやってみんなで力を合わせた結果、聴いていただける機会が増えたときはみんなで「やった!」と言い合っています。これからもこんなふうに皆さんと一緒に、一つひとつ頑張っていけたらなと思います。
