スペシャル・フォトギャラリー
レコーディング中の風景カットはこちらから!
INTERVIEW : YAYYAY
2020年10月にリリースしたファースト・ミニ・アルバム『I’m Here』で注目を集めた異才集団YAYYAY。メンバーは、札幌を拠点に自主レーベルを主催、ソロ名義での活動のほか、sleepy.abなど数多くのアーティストのプロデュースも手がけるShizuka Kanataこと田中一志(Key.Prog.Mix)。GO!GO!7188解散後はチリヌルヲワカとして活動中のユウ(Vo,Gt)。ASA-CHANG&巡礼の一員である一方、森山直太朗や青葉市子などのサポートでも活躍するヴァイオリニスト須原杏。そして中村佳穂やSalyuなどのライヴ・サポートやストリングス・アレンジを手がけるチェリスト林田順平。2020年に田中の誘いのもとにこの4人が集まり『I’m Here』を完成させたのだが、コロナ禍でライヴもツアーもできないままだった。だが4人がクリエイトした作品の手応えは確かなもので、再び4人はコンタクトを取り2作目に着手した。リモートでのプリプロを経て目下製作中だというが、まずは6月末に配信シングル「催眠」をリリースする。リモートでのインタビューになったが、YAYYAYとして新たな一歩を踏み出している4人に忌憚のない思いを語ってもらった。
インタヴュー・文 : 今井智子
写真 : 作永裕範
どんどん自分でやりたいことが出てくる
──『I’m Here』は、Shizuka Kanataさんのソロとしてスタートしたものが制作過程でバンドの作品となっていったと伺っています。今回はバンドの作品として制作されたのでしょうか。
田中一志(Shizuka Kanata)(Key.Prog.Mix)(以下、田中) : そうですね。前作をリリースした後に、もっと作りたいという気持ちになり、メンバーに「やる?」ってきいたら「やる!」って返事が来たので。今回はバンドという形でスタートしました。いつ頃はじめたんだっけ?
ユウ(Vo/Gt): 去年の3月ぐらいに、一志さんから曲の候補みたいのが送られて来て、その辺からはじまった感じですね。
──とはいえ、前作は制作途中にコロナ禍に突入し、止むを得ずリモートで作業せざるを得なかったわけですが、今回はあらかじめリモートと前提に?
田中:そもそも他の3人は東京、僕が札幌で離れているという現実があるので、ネットを利用してデータのやり取りをするという前提ではじめました。そのための機材も増やしてオンラインでの制作環境を整えたので、プリプロから円滑に進みましたね。2021年後半に少しコロナの状況が落ち着きはじめて、対策をしっかりすれば集まっても安心だと思えるようになったので、最終的なところは東京に全員で集まって完成させました。
ユウ:曲は早い段階からあったんですけど、ずっと延期延期みたいな感じで。
林田順平(Cello)(以下、林田):もっと早くレコーディングしようって言ってたんだよね。
須原杏(Violin)(以下、須原):でも一志さん、東京に来ちゃダメって(笑)。

──スタジオでのスナップに全員揃っているものがありますね。やはりリモートと実際に顔を合わせての制作は違いますか。
田中:データでやり取りしていたのはデモという感じで、みんな優れたプレイヤーなのでスタジオで揃うと、どんどん自分でやりたいことが出てくる。僕がそれをおもしろがっている感じです。
林田:リモートでもできるかなと思ったんですけど、やっぱり4人集まってやると全然違って。誰かが弾くと、誰かが歌ったり誰かが弾いたり。するとまた他の誰かが違うことするみたいな。そういうのはリモートではできなかった。
須原:みんな家でやるよりは、集まってやる方がアイディアが浮かびやすいタイプ。私とかJP(林田)は特にそうだと思う。だから延期されたけど最終的に同じ空間でできたのは良かったかなって思う。
林田:ひとりに対して全員がディレクションするみたいなね。
須原:前回はスケジュールの都合もあって擦れ違いで録ってる曲とかもあって、翌日行くと新しいヴォーカルになってたりとか。今回は全部をみんなで聴きながらできたから、よりヤバくなった感じもする(笑)。やり過ぎなぐらい、いくところまで行って戻したりとか。
ユウ:JPがコーラス入れたりとか、ピアノとか、違う楽器にそれぞれ挑戦したりとか。
田中:僕はそれを呆れて見てた(笑)。というか帰ってまとめる作業をするのは僕なんで、「どうしたらいいんだ!?」って(笑)。
──目下その作業を進められているようですが、まずは6月に配信シングルとして「催眠」がリリースされます。この詞曲はどなたが?
田中:これはどちらもユウちゃんです。
ユウ:前作の収録曲「愛する人を間違えた」という曲も私が作詞作曲したんですけど、それはけっこう歌謡曲ぽいというか。敢えてこのバンドで歌謡曲ぽいのやったらおもしろいかもと思って作ったんですけど、「催眠」もそれに近いものがある。失恋みたいな歌なんですけど、大袈裟な感じが歌謡曲ぽい。歌謡曲ぽいのが私は好きで、けっこう多いんですけど、こんなに弦を入れてドラマチックにできることはいままでなかったから、私のなかではすごい新鮮なんですよね。