Joyul 『earwitness』
必ずチェックしている韓国のレーベルのひとつ〈Helicopter records〉から電子音楽家、Joyulの最新アルバムを。 フォークシンガーを経て電子音楽家としてのキャリアをスタートさせた彼女。ここ最近の作品では食器がぶつかる音や水の音など、フィールド・レコーディング~アンビエント・サウンドをベースとした作品を出していましたが、今作ではそこに吐息や鳥の囀りなども加わり、人の営みを感じる生っぽいサウンドスケープ的実験音楽作品となっています。「自分が聞いたことを証言または証言できる人」と定義されたタイトル「Earwitness」の通り、彼女が日常を通して体感した音の数々を共有するような美しいアルバムです。
Byul.org 『TEN MONTHS(Original Motion Picture Soundtrack)』
デザイン&サウンドプロデューサーチーム、そして近年はSe So Neonのファン・ソユンが電撃加入(何の知らせもなく、ある日突然しれっとライブでギター弾いていたので私は電撃加入だと思っている)し、バンドとしても活動しているbyul.org(韓国語表記は모임 별)が手掛けた、サン・ナムグン監督の長編映画「TEN MONTHS」のサウンドトラック集。 彼らが得意とする、ずっしりと重く浮遊するようなサウンドの作品に加え、映画内でキーとなるパーティーシーンのライブ音源も収録。ライヴ音源には電子音楽家、KIRARAとのセッションや、既存作品のリミックスなどがあり、今までの作品をまた違ったアプローチで楽しめます。映画にはみんな大好き新都市も出てきますよ! 2000年の結成から、シューゲイザーやポストロックをベースとした作品をリリースし続けている彼ら。ブレない美学と、静かにずっしりと構える洗練された作品は、移ろいやすいソウルのアンダーグラウンド・シーンの中で非常に貴重な存在だなと。
Yoonkee Kim 『JUNALIS』
またリコーダーの音入ってる!が最初の感想。激ゆるローファイ・ミュージックでお馴染み、ユンキーの最新作。制作は、MCビル風さんが代表を務めるレーベル〈Saturday Lab〉です。 ユンキーの持ち味であるストリート&ダブっぽさはそのままに、アナログシンセでの無邪気で実験的なビート表現の試みが至る所に面白く散らばっています。彼のアート作品で感じる直感的な色のチョイスやペンの運び、突拍子の無さや無垢な感じがアルバムに直結しているなと。ずっとフレッシュな感性を持っているって凄い事だよなと、久しぶりにユンキーの作品に触れて改めて感じました。CDについてくるアートワークも見て欲しいので、是非フィジカルでゲットして欲しい1枚です。Los Apson?やポポタムで購入できますよ。