つしまみれの"人間放棄"な表参道ゲリラ・ライヴを密着レポートまみれ!? 先行配信とフル試聴で最新作まみれ!!

追随許さぬガールズ・オルタナティヴ・ロック・バンド、つしまみれ。2014年に活動15周年とベスト・アルバムのリリースを経て、2015年はいよいよ待望の新作!! オリジナル・アルバムとしては2年5ヶ月ぶりの作品が完成した。 その名も『人間放棄』。2014年の10月に配信限定リリースしたシングル『ニンゲン・コーディング』のテーマを突き詰めた本作は、お馴染みの中村宗一郎(PEACE MUSIC)をサウンド・エンジニアに迎え、どこまでも挑戦的なつしまみれの姿勢がストレートに提示された作品に仕上がった。
OTOTOYではCD発売より1週間早く先行配信を開始、さらに全曲フル試聴を実施。加えて挑戦的な姿勢をどこまで体現できるか、その境地を突き詰めるかのごとく行われた東京・表参道でのゲリラライヴを密着レポート。9月12日、9月19日と2週に渡って行われたそのライヴは、初回にいたってはオフィシャルでの事前告知も一切なし。その場に居合わせたものだけが目撃した一夜の全貌をお届けする。
期間限定全曲フル試聴&先行配信スタート!!
※お手持ちのスマートフォンにOTOTOYアプリをダウンロードすると、ストリーミング再生で簡単に試聴可能!!
※期間 : 2015年9月30日(水)〜2015年10月6日(火)
【配信形態】
16bit/44.1kHz(ALAC / FLAC / WAV) / AAC / MP3
※ファイル形式について
【価格】
単曲 257円(税込) / アルバム2,057円(税込)
【OTOTOY限定特典】
表参道でゲリラライヴまみれ!? 特製フォトブックレット(PDF)
REPORT : 表参道ゲリラライヴ密着レポート
『人間放棄』という衝撃的なタイトルのアルバムを10月7日に発売するつしまみれが、9月12日に表参道でゲリラ・ライヴを行った。ゲリラ・ライヴと言っても、スピーカーから流れる音楽にあわせて楽器をあてぶりで演奏する形。それゆえに、頻繁に移動を繰り返しながら、人ごみのなかで約1時間にわたる"演奏"を可能にした。
表参道という場所柄、しかもこの日はファッション誌『VOGUE』が主催する〈Vogue Japan Fashions Night Out 2015〉がこのエリアで行われていたこともあって、さまざまな国籍やファッションの人たちが見受けられた。そんな場所で彼女たちは、アルバムにも入っている人間をテーマにした2曲を繰り返し披露。あなたたちは、いったい何者なのか。人間であること、意志を持って生きることとはどういうことなのか。彼女たちはゲリラ・ライヴを通じて、道行く人に繰り返しそう問いかけているようにも思えた。
◆◆
当日の夜8時近く、つしまみれが表参道でゲリラ・ライヴをするという情報を得て、筆者はそのスタート予定の場所へと向かった。メールに書かれた住所をたどって現地に到着すると、そこはなんとラフォーレ原宿。ファッションに疎い筆者のような人間は、普段なら立ち入ることすら少し気が引けてしまうようなこのビルのなかで、彼女たちはゲリラ・ライヴを敢行するというのだ。この日はただでさえ多くの人が足を運ぶ土曜日。しかも建物内では〈Vogue Japan Fashions Night Out 2015〉に関連した音楽イベントも行われており、そこかしこで音楽が流れるなか、人がごった返していた。なかには奇抜なファッションのモデルが立ち止まり、即席撮影会のようになっている場面もあった。
指定された場所はビルの最上階。彼女たちの到着を待つも、一向に現れない。本当にこんな場所に現れるのだろうか。そんな不安がよぎるなか、予定時刻を40分以上過ぎた頃、白いつなぎのような衣服に身を包んだ集団が突如現れた。楽器を持った3人の女性を取り囲むように、スピーカーやカメラを持った男たちもいる。ついに来た。つしまみれだ。3人は無言で柱の前に立ち、首を激しく振って体をうねらせながら演奏するそぶりを見せると、すかさずスピーカーから骨太な音楽が流れ出した。曲は「ニンゲン・コーティング」だ。突然のできごとに、通行人は次々とカメラやスマートフォンを彼女たちに向けた。

1曲を終えると、すかさず彼女たちは曲を流したままビルの階段を降りていく。途中、店のスタッフらしき男性に呼び止められるハプニングもありつつ、そのまま建物の外へと移動していった。音楽を流しながら一行は表参道を闊歩。


そしてキャット・ストリートにそびえ立つブロンズ像の前に立ち止まった。無限ループ的に"演奏"される「ニンゲン・コーティング」と「PEOPLE」の2曲。ゾンビのような顔つきで取り憑かれたように演奏する3人。まり(Vo、Gt)が「人間でいたい!」と繰り返し叫ぶと、外国人が「クレイジー!!」「グレイト!」と歓声をあげた。

その後も移動を繰り返しながら、さまざまな場所で音を轟かせていく。日本人よりも外国人に好評のようで、一緒に歌うものや、音楽に合わせて踊りだすもの、彼女たちとともに行進するものなど、さまざまな反応が見受けられた。表参道駅近く、秋葉神社の前では、その場にいた外国人カメラマンが夢中でカメラをまわす光景も。まるでPV撮影でもしているかのように、彼女たちをさまざまな角度から撮影していた。
それとは裏腹に、「バンドは顔だ」「この世の終わりだ」と冷徹な言葉を投げかける人たちもいた。そして多くの日本人は、まるで彼女たちが存在しないかのように無関心にとおりすぎていった。そんななかで、〈僕は人間じゃない存在で / 僕は存在しない人間だ / それを人間的にコーティング / どんな人間よりも人間だ〉と、繰り返しスピーカーから歌が流れていった。


つしまみれは、導かれているかのように暗がりへと消えていく。後を追うと、そこにはなんと墓場…! ゾンビ(?)たちは、ここを終着点に選び、約1時間におよんだゲリラ・ライヴを終えた。ここで筆者は彼女たちを直撃。この衝撃的なできごとを振り返ってもらった。

——道行く人たちはもちろんですが、怪訝そうに見つめる警備員などもいて、見ているこっちも少しハラハラしていました。
みずえ : 狙い通りですね。
——立ち止まる場所やコースは決めずにやっていたんですか? お店のスタッフの人に呼び止められたりしていましたが。
まり : もみ消しました(笑)。完全にゲリラです。なにも決めずにやりました。
やよい : 警備員も、出てきたら出てきたでおもしろいかな、くらいの気持ちでね(笑)。
——ラフォーレ原宿でスタートするときは、どんな気持ちでしたか?
まり : 「やるか」みたいな感じでしたね。
みずえ : やるっきゃないなと。
やよい : あの時点で、いろんなものを放棄しました。
——道行く人はいろんな反応を示していましたが、どんな思いで演奏していましたか?
みずえ : めっちゃ気持ち良かったですね。ジロジロ見られていたのを、見返したりして。
——「この世の終わりだ」と叫んでいる人がいました。
まり : 最高の褒め言葉ですね。やって良かったです。いい酒が飲めそうです。
——ラフォーレのなかでは音楽イベントをやっていたので、結構馴染んでいた気もします。表参道を選んだのは、そういう理由もあるのでしょうか。
まり : 自然だったよね。でも、もっと馴染んでバレない予定だったんですけどね(笑)。
やよい : 逆に、目立つならもっと目立ちたかったなっていう思いもありました。
——そのくらい奇抜なファッションの人も多くいたし、逆に無関心な人も多かったように思います。そんな人たちに向けて「ニンゲン・コーティング」「PEOPLE」という人間をテーマにした2曲を鳴らしていたのはとても爽快でした。
やよい : 本当に、人間を放棄している人がいっぱいいますからね。みんな、私たちについてくればいいのにって思いました。
——一緒に踊っている人もいましたね。
やよい : それがデモみたいになっていって、世界が変わっちゃうくらいにしたかったですね。
まり : そうするには、あと5周くらいやる必要があるかも。

文 : 前田将博
写真 : 岩佐篤樹
つしまみれ DISCOGRAPHY
古→新
LIVE INFORMATION
「人間放棄ツアー」透明半ワンマン
2015年10月11日(日)@下北沢SHELTER
2015年10月16日(金)@名古屋ROCK'N'ROLL
2015年10月17日(土)@大阪FANDANGO
「人間放棄ツアー」全国ツアー~GET CAR SWEET MORE QUEEN SHOWS~
2015年10月20日(火)@横浜B.B.STREET
2015年10月26日(月)@松本ALECX
2015年10月30日(金)@札幌SPIRITUAL LOUNGE
2015年11月4日(水)@仙台enn 3rd
2015年11月5日(木)@盛岡Club Change
2015年11月10日(火)@岡山PEPPER LAND
2015年11月12日(木)@福岡UTERO
2015年11月13日(金)@大分CLUB SPOT
2015年11月17日(火)@千葉LOOK
PROFILE
つしまみれ

1999年、千葉大学バンドサークルにて結成。2004年、初のアメリカツアーをきっかけに本格的に活動開始。日本を代表するオルタナティブ・ガールズ・ロック・スリーピース・バンド。その精神はパンク。結成以来15年間、同じメンバーで活動し続ける世界に類を見ないガールズ・バンド。また、圧巻のパフォーマンスとグルーヴを誇る日本屈指のライヴ・バンドである。全楽曲の作詞作曲、プロデュース、リリース、プロモーションまでを全てメンバーが行う。
これまでのライヴ活動は、下記の通り。日米大型フェスへの出演に加え、毎年20か所以上で行う日本ツアー、10度を超えるアメリカ・ツアーを行っている。特に、2006年、2007年に行ったスーサイドガールズとの全米40本ツアーはのべ10万人を動員。また、日本全国にコピー・バンドが多数いることでも知られており、 ツアーに合わせて共演イベントも開催。
そして、ライヴを支える楽曲は、一筋縄ではいかないが、一度人々の心をとらえると決して離さない。様々なジャンルを独自の解釈で取り入れ情熱と愛情と泣き笑いを吹きこんだ作品はつしまみれの人生そのものを表現する。
日本でのアルバムリリースはこれまでに10作品。BENTEN Label、July Recordsを経て、2009年、ビクターエンタテインメントよりメジャー・デビュー。その後2010年、モジャーレコードを設立して独立。『SHOCKING』(2011年発表)以降の作品はエンジニア中村宗一郎(PEACE MUSIC)を迎え制作。世界観は更に深まり、音楽性に広がりを見せている。全米リリースは、ガールズ・バンド・レーベルの殿堂、BENTEN Label、グーグードールズのベーシストRobby主宰グッドカラメルレコードより。
2014年、結成15周年を迎え、初のベスト・アルバム『つしまみれまみれ』をリリース。著名人とのコラボレーションも多数。(泉谷しげる、ROLLY、ウルフルケイスケ、寺岡呼人氏等とのセッション、レコーディングや、映画監督ヴィム・ベンダースによるショート・フィルム撮影、アメリカの国民的アニメ、パワーパフガールズのテーマソング作成等。2014年は小林幸子氏と対談)
バンド名の由来は、ベースやよいの名字「つしま」の「つし」と、ヴォーカル・ギターまりの「ま」と、ドラムみずえの「み」が「まみれ」て「つしまみれ」。
目標は「武道館でぶどうパンライブ」。
合言葉は「80歳までスリーピース」。
世界を視野につしまみれの挑戦は続く。