Vina Konda『The Exit Screen Leads Nowhere』
LABEL:PHO BHO
〈TEMƎT〉、〈Discolored Field〉、〈Dill Dodos Recife〉など、変わり種ベース・レーベルを渡り歩いてきたVina Konda。フランスを飛び出して、イタリアのキワモノレーベル〈PHO BHO〉からリリースするのも納得です。怪しさ満点のログドラム光る新感覚トラック“Burning Leaf”にとどまらず、ゼルダの伝説に登場するキャラクター、「ナヴィ」が発するノイズをサンプリングしたらしい(どこの話だ!)“Metazoo”、ずしんとくるキックに加え、うねる電磁波ベースが乱射されるハイパー・ブロークンな“Primitive Ride”、そして、ファズの効いたギターから始まり、ダビーなアンビエントへと移ろう“I Built A Shelter Someday IRL”など、Vina Kondaらしいといえばらしいぶっ飛びを見せるEP。こちらもリーサルウェポン系。
Kinlaw & Franco Franco 『Crocs On The Plough』
LABEL:NoCorner
直近3ヶ月から外れているかもしれないが、この作品はマストかと。イルビエントを通過し、インダストリアル、グライムをも飲み込んだ奇才Kinlaw & Franco Francoが、イタリア語で綴ったフォンク(?)バンガーを〈NoCorner〉から投下。ひたすら同じフロウに言葉を並べていくスタイルはの意図せずのめり込んでしまうし、それでいて平坦にならずに荒く歪んだ音質のトラックがいい塩梅に絡みついて離さない。2分あたりの奇怪なシャウトもどこか面白くて癖になるので個人的にはお気に入り。そして、Young EchoクルーのAmos ChildsとNeekからなるO$VMV$Mのヴァージョンもヤバめ。スクリューさせドロドロに溶けていった声の断片と金属音がどこまでも響いていく。元のトラックを十分に楽しんだ後、B面の3分半を存分に体験してみてほしい。
aya『Lip Flip』
LABEL:YCO
〈Hyperdub〉のカタログの中でも異彩を放つaya。BFTTとのレーベル〈YCO〉から発表した4トラックは、フロアでの機能を排除することなく、ayaのスタイルを先鋭化させたトラックが揃った。〈Hakuna Kulala〉からのリリースも際立つウガンダのラッパー/MC、Ecko Bazzを招いた“Essente!”、からまさかのBABYMETALの“ギミチョコ!!”をサンプリングし、全体の壊れ具合が限界突破した“Leftenant Keith”。落ち着いたかと思ったら、突如シンゲリへと変貌する“Dexxy Is A Midnight Runner”(前名義もクレジットされているのはなぜ)、そしてUKテクノ的アプローチをベースに、歪んだキックが時折顔を出す“Lip Flip”と、一筋縄ではいかない全4曲。歓喜、混乱、狂気を1度に体感できることなどそうそうない。必聴。