ポスト・マサカーとも言えるような混ざったブッキングって意外とやってみると難しい
yukinoise : そういえばみんなのクラブデビューっていつだった?わたしは高校生くらいだったから、気づいたらもう10年くらい遊んでることになる…。
NordOst : 結構遅いっすよ、俺は。2018年か19年くらいですかね?
yukinoise : 最初に行ったパーティーとか覚えてる?
NordOst : うーんなんだったかな…覚えてないねえ。その頃はバンド観に行くのがメインになってて、その中でも下北沢THREEとかはずっと深夜もやってて。で、バンドのナイト公演に行くとDJがしっかりアーティストとして機能してて、だんだんそっちの方が面白いんじゃないかっていうのが見えてきて…みたいな。割と入りは曖昧かな。あとはアニクラ!
yukinoise : 私はバンドが音楽の入りじゃなかったから踊らない感覚みたいなのがあんまりなかったな。今でこそバンドのイベントに行くことも増えたけど。
TUDA : 松島さんはあれじゃないすか?CYKとthe hatchのツーマン。あれが区切りみたいな。
NordOst : 行った!あのときのCYKは本当に面白かった。ずっと覚えてます。それも2018年くらいで、バンドとDJクルーのツーマンをどこだっけな、〈WWW〉?
TUDA : O-nestでしょ。
NordOst : ああそっか。まあとにかく、そこでDJに対する固定観念が崩れたというか、積極的な攻めのアプローチができるんだなと思って。
TOPIC
十三月presents -“Opaque Age” release party – 「the hatch ONE-MAN SHOW」
2018年12月21日(金)
会場:TSUTAYA O-nest
出演:the hatch / DJ:CYK(Nari/Kotsu/Naoki Takebayashi)
yukinoise : 確かContactでCYKが5周年パーティやったときにもthe hatchが出てたしね。
NordOst : それこそ、the hatchの1stアルバムが出たときもやっぱ踊れる、っていうのが刺さったのかな、とかも後々になって気づきましたね。
yukinoise : the hatchと言えば、TUDAちゃんはこの間の下北沢の回遊行ってたみたいだけどどうだった?マストで今話すべき内容でしょ!
TUDA : 確かに!(注:本鼎談収録は2月某日とのこと)
山本 : あれ、アクトもめっちゃ深めの人たちでしたよね。
TUDA : 完全にバンドアクトとダンスミュージックのアクトで会場が分離されてて、それがむしろ良かったな。THREEとBASEMENT BARはバンドでILLAS、LIVEHAUS、SPREADはクラブっていう分け方。だからあの日はバンドみてない人もDJみてない人もどっちもいたと思う。
yukinoise : それこそバンドのパーティで踊らない問題が逆転したようなパーティーって感じだね。目指すべき姿はそれなのかも。
TUDA : もう少し融合した形も見てみたかった気がするけど。自分としては5kaiをBASEMENTでみた後COMPUMAさんみにSPREADに早足で向かうみたいな、あの日にしかしないであろう動きができて、こういう遊び方をしたかったんだよなと思った。glansってバンドと、OTACOさん、KAZUYA PEEさんがそのとき初めてみた北海道勢だったけど軒並み素晴らしくて。どのルートでも遊べちゃう贅沢な日だった。
NordOst : 満場一致で贅沢だな~って思いましたね。そういう場でこそ、たまたまその場にいたバンドが好きな人とかが急にガラッと変わるっていう機会は絶対にあるから、完全にではなくても交わる価値はあると思う。
山本 : 食らう人は絶対食らってるはずだし。
TOPIC
the hatch pre. “Speed of Faith”
2023年1月8日(日 / 祝前日))
会場:THREE / BASEMENTBAR / LIVEHAUS / SPREAD / ILLAS
出演:THREE / BASEMENTBAR: Ayato, ANORAK!, BANGLANG, BISING, carthiefschool, GAKUDAMA, GLANTS, THE GUAYS0, MOFO, quiqui, Rebel one Exculibur, the hatch, THE RATEL, 5kai, アップリケ, バスクのスポーツ / LIVEHAUS : KOPY, Midori, OTACO, PPTV, sofheso, whatman / SPREAD : AKIRAM EN, COMPUMA, KAZUYA PEE, 天使の泉 / ILLAS : TAKUMYMANN, YELLOWUHURU, 凸凹, サモハンキンポー
NordOst : 逆にやっぱりさ、K/A/T/O/ MASSACREとかはその接続が完璧で。こないだTexas 3000っていうインディーロックのスリーピースバンドが出演してたんだけど、あの回の絶妙なずらし方と調和が素晴らしかったっすね。
山本 : あれ良かったっすね!配信見てました。
NordOst : 逆にクラブの客層は知らないわけじゃないですか、インディーロック的なバイブスは。それでも刺さる人には刺さるわけで、それは魅力の切り出し方がしっかり固まってるから絶対伝わるな、ってめっちゃ気づかされて、やっぱりすごいパーティだな…と。
TUDA : 混ざりを求めるようなブッキングとか場所作りって、同世代だとやっぱりマサカー的な感覚があるのかもしれないですね。
山本 : でもまあ、ポスト・マサカーとも言えるような混ざったブッキングって意外とやってみると難しくて。単なる真似だとハマってないってことも…。
yukinoise : そもそもパーティとかイベント自体増えたしね。
NordOst : 結局クラブって遊んでる人が関わってるかどうかっていうのはやっぱりあるなと思ってて。遊んでることを絶対的な正義とは言わないけど、パーティが増えた分「好き」の本気度がすげー問われてるなと思って。自分が遊びに行ってみようって思うのは、基本的にブッキングの組み合わせから熱意が伝わるような催しっすね。だから最近は、そういう意図を汲み取りやすい小箱のイベントに興味があって、前回の座談会でも話が上がった中野スミスは出演させてもらったり、平日に行ってみたりしてすごく良かったです。
山本 : スミスはほんと良いっすよね…音も雰囲気も。
NordOst : スミスで平日になんかスリーマンで、3時間半くらいの尺で遊ぶみたいなのが今一番フィットしてるかもしれない。今までちょっとパキッとした場に行きすぎてたから…(笑)。
yukinoise : だよねー、なんか最近のNordOstは前に比べて雰囲気が落ち着いたよね。
NordOst : 今もうめっちゃベースミュージックとか聴いてますよ。遅いの最高。でも、みんな落ち着いてますよね?
山本 : 落ち着いたところがベース・ミュージックってのがらしさですけど(笑)。
後半へ続く!
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