結成25周年を迎えたART-SCHOOLが放つミニ・アルバム『1985』は、2003年に発表された『SWAN SONG』を“今”の感覚で再構築するという試みから生まれた作品だ。荒々しさや切実さのなかに、月の光のように静かに射し込む優しさや希望──そんな余韻を纏った本作は、これまでの旅路を振り返ると同時に、新しい景色へと向かう意志に満ちている。そこには、木下理樹(Vo. / Gt.)の創作の核にある“敬意”と“ときめき”が息づいている。自身の感性を決定づけた音楽や映画との出会い、心を奪われたあの瞬間のきらめ…
2000年5月に結成されたロック・バンド、FUNKISTが今年で結成25周年を迎える。OTOTOYではこの記念すべきアニバーサリー・イヤーを祝し、FUNKISTの25年の歩みを振り返る短期連載をスタート。バンドの歴史を3つの時期──2000〜2007年、2008〜2012年、2013〜2025年──に分け、それぞれの時代をメンバーの言葉でたどっていく。 ...…
煩雑な日常を硬質なロック・サウンドで爽快に蹴飛ばしてくれるayutthayaが、ついに宇宙まで飛んでいった!5曲入りの最新EP「epoch」は、曲を追うごとに地球から月へと近づいていくイメージを描いたコンセプト作品。これまで以上に歌詞に感情を反映するようになった太田美音(Vo/Gt)の変化と、楽曲の世界観に呼応し再構築する右田眞(Ba)のアプローチにより、バンドの新たなフェーズへの手応えがにじむ一枚だ。ふたりの視点から、今作に込めた想いを語ってもらった。 ...…
志磨遼平のソロ・プロジェクト、ドレスコーズが、通算10枚目のフルアルバム『†』を2025年5月14日にリリースした。制作の過程は「のっぴきならなくなった」と語られるほど切実で、その背景には、自叙伝『ぼくだけはブルー』の出版をきっかけとした過去の反芻や、それに伴う焦燥感、そして「生まれ変わりたい」という強い衝動が見え隠れする。収録曲「ロックンロール・ベイビーナウ」をはじめ、アルバム全体に散りばめられたロックンロールへの熱い想いとはどういうものだったのか。志磨が"作らずにはいられなかった"という、瑞々しく粒ぞろ…
T字路sが、結成15年目にしてメジャー・デビュー作となるシングル「美しき人 / マイ・ウェイ」をリリースした。全力で生きる人に贈る讃歌である「美しき人」と、かの有名なフランク・シナトラ「マイ・ウェイ」のカヴァーは、これまでの道のり、そしてその先へ進む背中を見せてくれるような、ひたむきさを感じさせる。そんなメジャーデビューに際して、OTOTOYではファースト・アルバムリリース時から付き合いのある大石始を聞き手にむかえた。活動初期から現在までライヴを軸に置き、人と人との熱意の交換をもって歩みを進めてきたふたり…
Keishi Tanakaが2025年1月に6枚目となるアルバム『Like A Diary』を発表した。主にバンドでのレコーディングを続けてきたKeishiにとって新たな試みとなる「打ち込み」が軸となり、自宅のスタジオにて約1年の期間をかけて“日記つけるように”制作は行われた。そのサウンドからは陽の温もりや風のそよぎを感じ、歌詞には自分の目を眩ませるものに対抗する力強さが宿っている。内側にこもって作ったものが、外にひらいていく。自分のためにあった音楽が、誰かのためのものになっていく。アルバム収録曲である「…
Dortmund Moon Sliders(以下、DMS)が2025年2月にリリースしたセカンド・アルバム『Loading…』は、フェニックスやThe Killers、フィッシュマンズなど、数多くのリファレンスが反映され、粒揃いの10曲が詰め込められた作品だ。 メンバー全員が稼業を持ちながら活動しているDMSの強みは、仕事での経験や刺激をバンド活動にフィードバックできる点にあるだろう。実際、今回のインタヴューに応じてくれたPETAS(Vo./Gt.)は、映像の仕事で立ち会った佐藤健のナレーションから着想を…
双子のsouta(Vo/Gt)とrent(Dr/Cho)によるミクスチャー・ロック・デュオ、Tyrkouaz(ティルクアーズ)が2025年の幕開けにリリースしたのは、「MEKAKUSHI-ONI」。子供の頃に遊んだことがある人もいるだろう、“目隠し鬼”をテーマにした本作は、現代社会において本来の自分の心の声すら聞こえなくなってしまっている私たちを揶揄した、風刺的なデジロック・アンセムだ。強いメッセージが込められた楽曲であるが、歌詞の「そのスキンでいこう」には、「自前の肌感覚を研ぎ澄ませ、動き出そう」という…
第11回:雪国 Interview In search of lost night vol.11 第11回:雪国 Interview アーティスト、DJ、オーガナイザー、クラブ・スタッフ、レーベル・オーナーへのインタビューや、ある一夜の出来事のレポートなどを更新していく連載【In search of lost night】。今回は、2025年1月15日に雪国主宰レーベルである”Pothos Records”よりリリースされた、雪国の1stEP「Lemuria」について。 ...…
2025年2月12日、ロック・バンド・FINLANDSが、4年ぶりにフル・アルバム『HAS』をリリースした。今回OTOTOYでは、ギター・ヴォーカルの塩入冬湖に、これまでの人生で「持ってきたもの」を今作『HAS』の楽曲と照らし合わせた、パーソナルなインタヴューを実施。結婚への実感から完成した“シルエット”や、FINLANDSデビューまでの憤り、生きづらさを書いた“わたしたちのエチュード”など、節々から「諦めてはいけない」という強い意志が感じられる一枚となっている。そんな決意に満ちた今作の話に加え、3月から行…