
連続でお送りしてきたsleepydog特集も、いよいよ最終回。配信限定シングルのリリースに合わせて制作されてきたミュージック・ビデオの第3弾「冬の道のせい」で、2010年のsleepydogを締めくくります! 「冬の道のせい」は、軽やかに爪弾かれるギターに乗せて、切ない歌詞を歌い上げる最上級のポップ・ナンバー。活動初期から歌われてきたという楽曲なだけあって、聞くほどに味が染み込む、これからの季節にもぴったりの楽曲です。これまで通りアニメーションを織り交ぜつつ、バンド・アンサンブルをシンプルに映し出していて、ひと味違った仕上がりになっています。
第3弾『冬の道のせい』 TRACK : 1.冬の道のせい / 2.Bye-Bye Waltz
『冬の道のせい』の楽曲はこちら→mp3 / HQD
活動初期から歌われてきたという「冬の道のせい」は、軽やかに爪弾かれるギターが心地良い最上級のポップ・ナンバー。一方「Bye-Bye Waltz」は、ストリングスの音色に情感溢れるヴォーカルが響く、渾身のスロー・バラード。聞くほどに味が染み込む、これからの季節にもぴったりの楽曲です。
第2弾『夜行列車』 TRACK : 1.夜行列車 / 2.Unforgettable
『夜行列車』の楽曲はこちら→mp3 / HQD
温かな雰囲気はそのままに、ジャジーな鍵盤を入れるなど、新たな試みを取り入れている本作。「拾い集めた夢の続きは これから君とこの空の下 雲の向こうへ探しに行こう」(unforgettable)「行き先なんて決めず ふわり流れに身を任そう この道の果てまで」(夜行列車)など、未来を見据えた歌詞も印象的です。
第1弾『ありがとうって言葉』 TRACK : 1.ありがとうって言葉 / 2.虹ノムコウ
『ありがとうって言葉』の楽曲はこちら→mp3 / HQD
全編を通して春らしい雰囲気で覆われている本作。その温かな世界に涙が出そうになってしまいます。また、どこまでも真っ直ぐな歌詞をストレートに歌い上げる優しさに満ちたヴォーカルも聞きどころ。出会いと別れの季節にぴったりの作品です。
INTERVIEW
今年の春から続けてきたsleepydogの連続リリース企画が、最終回を迎えた。口ずさんでしまうポップスから、ストリングスの音色や情感に満ちたヴォーカルが全編に渡って響く、渾身のスロー・バラードまでを収録した全3タイトルは、彼らの真骨頂とも言える、「うた」と「ストレートな言葉」を詰め込んだ作品だ。第1弾「ありがとうって言葉」から、最終回の「Bye-Bye Waltz」に到るまでの間に、季節は春から冬へと移り変わり、バンドを取り巻く環境も変わっていった。今回、ヴォーカルでありソングライターであるスルガタロウに話を聞いた。「ありがとう」から「さようなら」までストレートに歌い上げる彼は何を思い、何のために音楽をやるのか?
インタビュー&文 : 井上沙織

無理するのと努力は違う
——sleepydogの結成から今までの経緯を教えてください。
結成は2003年、初めは僕と菅ちゃん(ドラム)サチ(ベース:ex.Strawberry JAM)の3ピース・バンドで、自分では脱力系ギター・ポップと言ってました。技術も全然無かったけど、もめる事もなく、楽しく音楽してました。サチの寿脱退後、大橋大輔(Ba)が加入。2006年に1st maxi single 「スタートライン」発売。一身上の都合によりドラムの菅ちゃんが脱退。その後サポート・メンバーとなった伊蔵(G)とサポート・ドラムと共に地道な活動を2,3年…(涙)。紆余曲折を経て、正木秀和(現ドラム)と出会いました。2009年にmini album『air』を発売し、その後、音楽性の違いにより大輔(Ba)が脱退。そして2010年は「ありがとうって言葉」、「夜行列車」、「冬の道のせい」の3部作を発売しました。
——ソロとバンドの違いはどんなところにあると思いますか?
ソロは1人で全て考えるから、引き出しの多さが必要になるけど、バンドはバックボーンの違う人間が作り出す化学反応が面白い。その分、もちろん上手く行かなければもどかしくもなりますけど(笑)。
——メンバーはどんな存在ですか?
支えられてるな… と思う反面、やっぱりボーカルに懸かる責任は大きい気がするのでプレッシャーでもあったかな?
——曲はどのように作っていますか?
基本的にコード進行で流れを決めて、それにメロディつけて、詩はパズルをはめるように考えます。
——駿河さんの書く曲には、温かみを感じます。また、恋愛に関する歌詞が多く見受けられます。どちらもストレートなところが共通していると思うのですが、どんな背景があって、そのような曲が生まれるのでしょうか?
人が好きなんです。でも常に孤独を感じて生きてる… 根が暗いんでしょうね(笑)。詩の内容としては男女間のものに置き換えて書いてるけど、実は男同士の関係だったりって詞もありますね。
——影響を受けたバンドやアーティストがいたら教えてください。
年齢から考えると遅いけど、音楽をやるきっかけはOASISなんです。UKロック(Oasis、Stereophonics、Ash)、メロコア(Greenday、Off spring)、ギター・ポップ(Weezer、Fountains of wayne、Tahiti80、Phoenix)、日本人やと、ベタに奥田民生さん、スピッツ、Grepevineとかですかね? あげるときりがないです。最近はもっぱらjazzにハマってます。

——音楽以外で影響を受けたものはありますか?
スポーツ全般ですね。一番ハマったのはスラムダンクの影響からバスケ。学生時代勉強もせんとずっとスポーツばっかりやってましたから(笑)。
——駿河さんは役者としての活動もされていますが、どのようなきっかけがあって活動をはじめたのでしょうか?
役者の現マネージャーとは27歳の頃に出会って、そこから2年間くらいずっと誘ってくれてたんです。変な人ですわ(笑)。でも出会った当初は僕も音楽で食べたいって頑なに思ってたから、全然やる気無かったんやけど、そんな誘ってくれたら誰でも落ちると思いません? 好きでも無い人からずっと告白され続けて折れるみたいな。まぁでも興味が無かったと言えば嘘になるんですけど、自分の中で音楽とのバランスを考えた時、決心するのに2年必要やったんです。
——音楽、役者、それぞれの活動は互いにどんな影響があると考えますか?
役者をはじめて、音楽が一段と楽しくなったのは間違いないですね。今は正直役者としての比重のが大きいです。でも10年以上音楽で自分を見つめてきたし、突き詰めてきたから、今の僕があるのは間違いないんです。今の僕を作り出してくれたのは音楽。帰る場所も音楽やと思います。その帰る場所があるから無理せず役者を全う出来るんやとおもいますね。
——駿河さんが音楽を通して伝えたいことは何なのでしょうか?
そのままでいいんじゃないかなって事です。無理する必要なんてないし、どんどん無理が出来なくなってくる。でもそれでいいと思うんです。このままの僕で、そのままの君で続いていけばいいやんって。好きな事とか人、夢中になれるのが見つかったならそれでいいやんって、その為に努力は必要やけど、無理するのと努力は違う思うから無理せんと努力だけしたらええやんって。
——最後に、今後の野望、展望を教えてください。
もっと音楽を聴いて、研究して、練習して、作り出して、真の「歌い人」になりたいですね。「あぁ〜ここもっとこうしとけば良かったかな? 」とか反省しない、自分が聴いても涙が出るくらいの作品を作りたいです。でもよく考えたらそうなったら終わりやなぁ…。ま、今後は音楽とは肩肘張らずにゆるく付き合って行きたいですね。その時は宜しくお願いします。
PROFILE
sleepydog
スルガ タロウ / Vocal & Guitar
モリイ タカユキ / Guitar
マサキ ヒデカズ / Drums
シンプルな言葉とキャッチーなメロディ。メロウで独特な歌声、今までのギター・サウンドとゆるいリズムのグルーヴに、新たにプラスされたJazzテイストの鍵盤、それらが織り成して、心に描き出す情景は、誰しもが抱いたことのある感情を炙り出す。懐かしいような、切ないような、暖かいような不思議な感覚。2010年新たなsleepydogの幕が開ける。