
ラブソングの持つエネルギー
ロボピッチャーは音楽を配信するという方法をとる上で、自身のホームページにおいて対談の形式で、丁寧に、わかりやすく説明を行っている。これによって音楽配信そのものに対する先入観や嫌悪感を抱いていたリスナーが減った、または減るであろうことを考えると素晴らしいことだ。
年4回・2曲ずつ、配信のみで音源を発表していくというプロジェクトの第2弾『ロボピッチャーの死』。
Love Songは、タイトル通りストレートなラブソングだ。不特定多数の人が共感できるようなメッセージ性を含んだものではなく、ボーカル・加藤隆生の想いを綴った誠実なバラード。決して綺麗なところだけでなく、情けないところもさらけ出していて、実に人間味があって温かい。「君を愛してる そんなことなんか 忘れちゃったって 別にかまわない」と言い切るボーカルは力強く、流れるような美しいメロディやシンプルな出だしから徐々に壮大になるアレンジにはグッと惹きつけられる。
Question Repeaterは、結成1ヵ月後にデモ音源として録音され、自主制作CDに収録されていた楽曲を新たにマスタリングしたもの。たくさんの音が重なった、ポップでひねくれたサウンドは、結成して6年経った今でも全く古く感じない。
軽快でストーリー性のある前作『ロボピッチャーの起』と比べて、今作は彼らの原点に近い2曲と言えるのではないだろうか。Love Songは作詞・作曲をする加藤自身の、恋や愛に対する想いの中心核となる部分を歌っているし、Question Repeaterはロボピッチャー結成時につくられた楽曲だ。
彼らのライブを観にいった時、ボーカルの加藤隆生を見て、この人はこのまま血管が切れてしまうんじゃないだろうか、と思ったことがある。サウンドやパフォーマンスが激しかったからではない。熱量に溢れていたからだ。格好をつけずに感情を歌に落とし込んでいく様はとても狂気じみていて、エネルギッシュだった。是非ともその「うた」を体感してみて欲しい。(text 井上)

LIVE SCHEDULE
2008/10/18(土)大阪・心斎橋club★jungle
「DJ 西村愛&PJ presents〜愛の三日間〜ビビデバビデブゥー☆★☆style#2」
open/18:00 start/19:00 adv/¥2300 door/¥2800 1food付
w/奇妙礼太郎トラベルスウィング楽団、livlab、Melting Soul
2008/10/23(木)京都・都雅都雅 「オトナチック!ラジオ 秋スペシャル」
open/17:30 start/18:00 close/21:00予定( ※番組収録につき途中の入退場はできません )
w/ミルクバー、ハニーループ
LINK
ロボピッチャー website
http://www.robopitcher.com/index.html
ロボピッチャー MySpace
http://www.myspace.com/robopitcher
SCRAP

2002年の1月に結成。京大の西部講堂で行われるBorofestaや大阪城野外音楽堂で行われるSAL CULTUREを主催。 ワーナー・インディーズ・ネットワークより『消えた3ページ』、ファースト・エイド・ネットワークより『透明ランナー』『まぼろしコントロール』の3枚のミニ・アルバムを発売。2006年9月に待望の1stフル・アルバム『アリバイと40人の盗賊』を発表。又、ボーカル・ギターのは、京都のカルチャー・フリーペーパーSCRAPを発行。さらには、エフエム京都でラジオ番組「SCRAP RADIO」を持ち、ミニ・コンピレーションCD『これがほんとのアニソンじゃい!!』や脱出ゲーム、宝探しゲーム等のバラエティに飛んだ企画を発案&監修し人気を博している。

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