褒められたようなもんじゃないものを褒めていきたい、〈evilspa〉という悪夢の遊園地──【In search of lost night】

連載｜ In search of lost night

2024/12/25 18:00

次の日上司に物投げて会社辞める、とかなったら最高

────5月くらいに、Xでトラックを公募していましたよね。

Haruhi：あれはKazuaki OGのトラックですね。

taga：NEMLANDさんって方にトラックを作ってもらいました。

Haruhi：あの曲は、歌詞も録音も全部やってるんですよ。Kazuakiと話して出たことを歌詞にして。本当大変だった。たまたまRecしたときにトムって友達もいたんで、その人にも歌詞に登場してもらいました。

DHS：Saladaってユニットで、昔のスパにも出てもらってます。

────そうだったんですね。みちるさんは西東京出身ですよね。今回のコンピには、西東京出身のアーティストが何人かいますが。

みちる：八王子ですね。俺が提案したSLXMZAとか、₩(042ghxst)くん、Iida Reoさんとかはガッツリ西東京です。謎の地元愛発揮してますね。

────彼らとは地元でよく遊ぶんですか?

みちる：いや、全然遊んだことないです。あの人たち不良だからさ。最初は音楽経由で知って、まず、Iida Reoさんと知り合ったんですよ。Reoさんは団地も一緒だったし。そういう人たちがいるから、俺は042にこだわってる。

────なるほど。“Anabolic Steroid”はrirugiliyangugiliさんの楽曲ですが、みちるさんがフィーチャリングで、トラックはアツヲさん作曲ですね。

みちる：とりあえずギリ(rirugiliyangugili)くんはコンピにマストでした。アツヲくんが作ってくれたトラックがカッコよかったので、これで。

taga：ギリくんは、やるなら誰かと一緒にやりたかったらしくて。

アツヲ：1回投げたやつが(ギリくんに)刺さんなくて、「バンドっぽいの欲しい」って言われて作り直しました。最初みちるくん入るの知らなかった。

────小腸分裂の“デイビッドをリンチ？！”は割と前々から披露していた印象があります。

taga：ありました。前からレコーディングしていたんですけど。

Haruhi：Mihimaru GTのパクリっす。みんなちゃんと送ってきてくれたよね。

みちる：早めに動いてたからね。あ、でもANALSKULLFUCKは絶対呼んでるもんだと思ってるから、誰も連絡してなくて。

DHS：そう。結局いちばん最後くらいに言われたよね。俺らの曲はレコーディングするときに即興で考えた。

アツヲ：いつも遊んでるからね。

────moreru、小腸分裂ってずっと遊んでると思うんですが、お互い初めて見たときどういう印象をもちましたか?

みちる：17歳とかでカスみたいなブッキングとか出てたとき、〈heavysick ZERO〉に出て。そこで、小腸分裂とか知って、同年代で気が合いそうだなと思ったのが最初。

Haruhi：初めて聴いたときどうだった? 俺すごい覚えてる。

アツヲ：不思議だなと思った。好きな音楽の要素がいっぱいあるけど、それをタイトにやってるわけでもない。それが逆にすごく好感もてた。

みちる：MCで、メンバー紹介ってコントしてたよね。あのコント見て、いいなと思った。メンバー紹介して、その後何も楽器弾かない、みたいな。あと、「ヴォーカルの歌唱が、あぶらだこ(83年に結成された日本のロック・バンド)とかの80年代ジャパニーズ・パンクじゃん」とか言われたと思うんだけど、そういうの言われるたびにムカつく、みたい話をした記憶がある。

Haruhi：あぶらだことか通ってない。

みちる：そう、通ってないんだよね。それがヤバいと思った。オリジナルじゃん。

────Haruhiさんがmoreruを最初にみた印象は?

Haruhi：「ガチじゃん」って。同世代のバンドってカスしかいないし、俺らいちばんイケてるって思ったんですけど、tagaがmoreruってバンドも入ってるから観にいったら、ストイックすぎて引いちゃって。音楽はかっこいいけど、ガチすぎる。でも話すと最高なんですよ。コロナ禍のときにみんなでヒリヒリした遊びをしてて。

みちる：そう。その遊びを大きくやってるのがスパだという解釈。

taga：ずっと遊んだ後に、スパ行ったらすごい回復したんです。そこから「スパラー」ってLINEのグループができてよく遊ぶようになったから、「evil spa」って名前になりました。名前はアツヲくんがつけた。

Haruhi：moreruはストイックだけど、悪い遊びもしてくれるというか。音楽に関しては真面目だけど、他に関しては真面目じゃないのが、一緒にいて楽しかったところですね。