
連載最終章は、TRIP MENに直撃!
音楽配信サイトとしてこれまで様々な音楽をみなさまにご紹介して参りました我々OTOTOYですが、ご家庭や通勤途中の電車の中など、屋内でご覧になる事が多かったのではないでしょうか? いやはや、毎度どうもありがとうございます。しかし実際に面白いことが起こっているのは屋根のあるところから一歩飛び出したところ、つまりライヴ・ハウスではなかろうか! まあライヴ・ハウスも屋根あるけどね。という訳で、2011年11月13日(日)、今年めでたく一周年を迎える渋谷のWWWにてOTOTOY主催の音楽イベント『VANISHING POINT』を開催します。
開催を記念し、企画された本連載、「Road To VANISHING POINT」。3組の出演アーティストに突撃して参ります。漁港、MOROHAに続き登場するのはTRIP MEN! って、誰だよ! と思われた方もいらっしゃるかと。京都音楽シーンでは「The Prodigyの再来」と各フェスにひっぱりだこの2人組なのですが、まだその熱が全国に伝わっていないのもまた事実。という訳で企画された本取材「Who’s TRIP MEN!!!!!?」 Oh No! This is TRIP MEN!!!!!
インタビュー & 文 : 水嶋美和
Vol.1- 漁港に行く!
Vol.2- MOROHA アフロが語る!
Vol.3- Who's TRIP MEN!!!!!?
OTOTOY present VANISHING POINT vol.1
開催日時 :
2011年11月13日(日)
OPEN / START 15:00
会場 :
渋谷WWW (http://www-shibuya.jp/index.html)
【LIVE&DJ】
world's end girlfriend & BLACK HOLE CARNIVAL / 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 / Open Reel Ensemble / 漁港 / Limited Express (has gone?) / BiS / 青葉市子 / MOROHA / サカモト教授 / TRIPMEN / DJ 池田社長 / DJ G.L.T.
【FOOD】
ボビー VS カレー
【ジャケ弁】
ジャケ弁職人オバッチさんが、VANISHING POINTに出演するあのアーティストのジャケ弁を作ります! そして、当日はジャンケン大会を実施。来場した方の中から1名の方に特製ジャケ弁をプレゼントいたします!
>>ジャケ弁とは?
>>出演者の詳しいプロフィールはこちら
チケット :
前売 3,200円 / 当日 4,000円(1ドリンク別)
★前売りチケットを購入された方には、『VANISHING POINT sampler vol.1』をプレゼント
>>チケットの購入とサンプラーの入手方法の詳細はこちら
■OTOTOY
URL : https://ototoy.jp/feature/2011090902/1
■チケットぴあ
Pコード : 151-398
tel : 0570-02-9999
URL : http://t.pia.jp/
■e+
URL : http://eplus.jp/
どれだけ面白いものを見せられるか
——TRIP MENの片割れは芸人だというのを噂で聴いたのですが、どちらのことでしょう。
KOZO PUNISHER(以下、KOZO) : 多分、僕のことですね。中学生の頃、テレビ番組「学校へ行こう」の「お笑いインターハイ」というコーナーで優勝したことがあるんです。でもそこから特に芸人になった訳でも目指した訳でもないので、事実が歪曲して伝わったんですね(笑)。芸人よりもむしろ役者になりたいと思ってました。
——音楽にはさほど興味はなかったんですか?
KOZO : そうですね。音楽を聴くようになったのは中学後半ぐらい。YMOから始まって、高校からニューウェーヴを聴くようになって、先輩とDEVOみたいなバンドを結成したりしました。
——その頃、SHOGOさんは何をしてたんですか?
SHOGO STARTER(以下、SHOGO) : 中学生の時はゲーセンに通って、「Guitar Freaks」でめちゃくちゃ遊んでました。で、高校入る頃に一緒に遊んでた友達と「そろそろ本物のバンドやろうぜ」という話になって、THE BLUE HEARTSのコピー・バンドを始めたんです。

——プロフィールに2人は「カナダのトロントで出会った」って書いてましたが、あれは本当なんですか?
KOZO : 本当ですよ! 僕が高校で結成したDEVOみたいなバンドはその後、解散しちゃうんですね。で、その頃電気グルーヴを聴き始めて、トラックさえあれば一人でもライヴできるようになるんじゃないかと思って「アウトバーン」というソロ・ユニットを始めたんです。でもギターの音が欲しくなってギターをメンバーに入れて、どんどん欲が出てきて「ダンサー入れたいな」って話になったんです。
——ギターの次がダンサーですか(笑)。
KOZO : それも、外国人がいいねって話してて、知り合いのバーで出会ったアメリカ人の女性に「俺のバンドでダンスしない? 」って声かけたら、ノリノリでメンバーになってくれたんです。
SHOGO : よくやってくれたよなあ。
KOZO : で、彼女が一時的に里帰りする時に、「じゃあアウトバーンでアメリカ・ツアーやろう! 」って冗談で言ったら、勝手にブッキングが組まれてて(笑)。彼女のお兄さんがカナダのトロントに居るから、そこでライヴをやってからアメリカに入ろうって話になって、そこでSHOGO STARTERと出会ったんです。
——SHOGOさんは何でトロントに居たんですか?
SHOGO : ワーキング・ホリデーで1年滞在してたんです。アウトバーンのギターは僕の同級生で、そこで初めてKOZOと会って話をしました。
——じゃあ、元々近い位置にはいたんですね。
SHOGO : そうですね。地元も同じ高知なんで。
KOZO : そこから普通の音楽好きの友達という感覚でメールをするようになって、同じタイミングでお互いのバンドが解散したから「あれ? じゃあやろうよ」って話になったんです。
SHOGO : その頃僕は日本に戻ってもう京都に住み始めていて、「いつまでも高知でくすぶってんじゃねーよ! 」って、京都にKOZO PUNISHERを呼ぶ形で活動を始めました。で、最初に作ったデモ音源をCLUB METROのマネージャーのジャックさん(FLUID)に気に入ってもらえて、曲数も増えてきたしそろそろバンド名を考えなきゃなあって話になって。
KOZO : インパクトがあってかつポップな名前がいいと思って、ATARI TEENAGE RIOTのアレック・エンパイアのソロ作から「TRIP MEN」を頂きました。
SHOGO : アメリカンな雰囲気もあるしね。
——取材の資料としてKOZO PUNISHERさんからTRIP MENに影響を与えた音楽の動画URLをいくつかメールで頂きましたが、それも80~90年代のアメリカのものが多かったですよね。
SHOGO : そんなことしてたん!?
KOZO : うん(笑)。僕が「お笑いトーナメント」でやってたネタも、古いハリウッド映画のワン・シーンをでたらめな英語で真似するって内容やったんで、そういう感じは好きなんですよね。TRIP MENのPVは見てくれましたか?
——観ました。これは絶対に褒め言葉として受け取って欲しいんですけど、ものすごくいい感じに安かったです!
KOZO : (笑)。昔のMTVな感じが好きなんですよね。
——この軽薄なパーティー感がいいですね。
KOZO : Lukeの『Work It Out』を元ネタに作りました。元ネタの方も、おしりプリプリの女の人が歩いて来たり、その後何かわからんけどみんなでワイワイし始めている感じが好きで、これをやりたいと思って人を集めました。ただ僕らがかっこつけて歌ってるだけのPVとか、面白くないですしね。
——Lukeもそうですが、TLCやジャネット・ジャクソンの動画も送られていたのですが、敢えてこの時代のR&Bなんですね。
KOZO : 好きですね。この頃のR&Bやヒップ・ホップのビート感やグルーヴにはすごく影響を受けています。TLCは服装を含めた見た目もカラフルで奇妙だし、歌詞の内容も下品なんですよ。なのにキャッチー。そこも好きです。
——TRIP MENのキャッチコピーといえば「京都に再来したThe Prodigy」ですが、本人たちとしては意識していますか?
KOZO : 目指していますね。僕が18歳ぐらいの時に、本屋で偶然The Prodigyの写真集を見つけたんですよ。何となく手にとって開いて見たら、ピアスだらけでメイクしててすごい表情で「こわ! 」と思ってすぐ閉じたんです。その後CDショップでまたThe ProdigyのCDを見つけて、また何となく買って聴いてみたら、これはやばい。テクノっぽいけどヒップ・ホップの要素もロックの要素も全部混じってて、これは俺がやりたいことだと思ったんです。TRIP MENを結成する時もSHOGO STARTERにThe Prodigyのライヴ映像やPVを見せて、「こういうことがやりたい」って説明しました。
——KOZOさんのあの髪形も、やはりThe Prodigyを意識してるんでしょうか?
KOZO : そこは意識してないです。最初は普通に髪をおろしてやってたんですけど、僕、元々の優しい目をしてるんで、ライヴ終わった後に「あの子あんな悪そうな感じの音楽やってるけど、いい人そうよね」って言われたのを小耳に挟んで、顔と音楽が合ってない事に悩み始めたんです。で、髪の毛を立てて、髪の毛も半分染めたんですよね。ちなみにこの半分赤いのは、実は二面性を表してるんです。
SHOGO : え、そうなん!?
——SHOGOさんも初耳なんですね(笑)。
KOZO : バットマンの敵キャラの「トゥー・フェイス」みたいな感じで。普段はこんな感じでへなっとしてるんですけど、ライヴになると急にスイッチが入って完全に人が変わるんです。
——その髪色にそんなに深い意味があったとは! ライヴといえば2人の動きが激しいのが印象的でしたが、アウトバーンの3人目のメンバーにダンサーを迎えたことといい、ダンスがお好きなんですか?
KOZO : 好きですね。The Prodigyにもダンサーがいたし、マイケル・ジャクソンも好きだったし、自分が踊るのも好きやったんで、仲間うちでブレイク・ダンスを練習したり…
——本格的ですね!
KOZO : … は、しなかったんですけど(笑)、自分の部屋で踊ってました。
——(笑)。家族に見つかりませんでした?
KOZO : ばれないようにヘッドフォンをはめて踊ってたんですけど、ある夏の日に部屋でめっちゃ踊ってる時にお母さんがガチャッとドアを開けて、すぐにドアを閉めたんです。「見られたー! 」と思って落ち込んでたらもう一回ドアを開けて「あんた… 暑かったやろ。アクエリアスでも買ってき」って150円くれました。

——いい話じゃないですか(笑)。
KOZO : いい話ですよ(笑)。バンドでやるなら演奏も大事やけど、もっとショウとして見せるところでもこだわりたいと思ってるんです。
——エンターテイメントとして成立させたいということでしょうか?
SHOGO : 僕らが特別エンターテイメントということにこだわってるというよりも、ライヴ自体がエンターテイメントだと思うので。観る、観てもらうって行為が起きてる時点で。僕もKOZO PUNISHERもライヴは「聴きに行く」というよりも「観に行く」という意識なんですよね。目と耳があれば目から入る情報の割合の方が大きいと思うし、そこでどれだけ面白いものを見せられるかというのを考えています。もちろん、生のバンドになめられないように聴かせる部分にもこだわっていますが。
——では最後に、VANISHING POINTへの意気込みを聞かせて頂けますか?
KOZO : BiSのライヴを見たい!
SHOGO : いや、BiSにライヴを見て欲しい!
——そう来ましたか(笑)。ありがとうございました。
KOZO : いやいやいやいや!
SHOGO : ちゃんと言います!
KOZO : 僕ら、アメリカンで古いMTVな感じで、煽りつつ盛り上げつつなステージをするんで、楽しくパーリーしに来てください!
SHOGO : トゥリップメンをインジョーイしに来てください!
KOZO : Give you Shock! 東京でもビシッと決めたります!
——ありがとうございました! VANISHING POINTをTRIP MENでパーリーにしてください!!