
ライヴ会場とTOWER RECORDS新宿店のみで発売されたセカンド・デモがOTOTOYでもリリース!
DACOTA SPEAKER. / E.P.02
年間60本超のライヴで確かな演奏力を養い、盟友real、KEYTALKとの共同企画「the 床でライヴ」や、独自の目線で尊敬する表現者を集めた「リスペクトクラブ」などのイベント主催でもシーンを揺らしているDACOTA SPEAKER。ROCK、HIP HOP、DUB、POST ROCKなど様々なジャンルで形容される彼らの音楽は、その実どこにも属さない。複雑に入り組みつつもPOPに消化されている絶妙な音バランス、摩訶不思議なメロディに乗る叫びと語り口調のラップ。結成3年、初期衝動を抱える今のDACOTA SPEAKER.に注目せよ!
1. エレクトリック / 2. METABOLIC E.G.O
3. リバーシブル / 4. 見えない空気
5. 身のほど知らず / 6. 方向音痴
多種多様な表現衝動、その向かう先は—。
先月、TOWER RECORDS新宿店にて。「ZAZEN BOYS meets あら恋!? 」というPOPからDACOTA SPEAKER.の存在を知った。言わずと知れたZAZEN BOYSは、ロック、ファンク、エレクトロニカ、ニューウェーヴなど様々な要素を飲み込みながらどこにも属さない、元NUMBER GIRLの向井秀徳が率いるバンド。あら恋ことあらかじめ決められた恋人たちへは、鍵盤ハーモニカを中心とした叙情的なダブを聴かせるバンドだ。その2バンドが混ざるだなんて、一体どんな曲者だ? と『E.P.02』を試聴してみれば、曲ごとにはっきりと違うカラーがあり、一曲の中で展開がころころと移り変わっていく。且つ、細やかに作り込まれ隙がない。なるほど確かに一筋縄ではいかなそうなバンドだ。しかし一聴では掴みどころが見付からず、そのままヘッド・フォンを置いた。そして先日、この文章を書くために再びこの『E.P.02』を聴いた。そして今、彼らの音楽をきっかけに何かを思い出せそうで、記憶の中を探りながら一日中ヘッド・フォンを付けっぱなしでこのアルバムを何周も聴いている。もはやヘッド・フォンを外しても、延々と耳の中で鳴っている。

なぜ第一印象で彼らの音楽に惹かれなかったのかというと、それは少し個人的な理由。隙のない音楽が好きではなかったからだ。作品としてはどんなに完成していても、こちらが想像力を持ち込む余地が残っていなければどこかで退屈に感じてしまう。しかしDACOTA SPEAKER.の音楽は聴く度に一枚ずつ剥がれていき、どんどん生身に近づいていく。人対人と同じように、音楽と人も逢瀬の数を重ねることで関係性を築き上げていくものだが、築き上げるのではなく剥がし剥がされていくこの感じは、音楽を聴く中であまり経験の無い感覚だ。
POPのうたい文句の中にZAZEN BOYSとあった様に、確かに彼らの音楽からは向井秀徳の影響を感じる。でも、形に収まりきらない衝動や、尖りつつも確実にキャッチーに行き着くメロディ・ライン、切なさと狂気を行き来する声、曲の間に見せる空虚感は、ZAZEN BOYSというよりもどちらかといえばNUMBER GIRLではないだろうか? 彼らのライヴ映像を見ながら熱狂と興奮の中に懐かしさを感じたのは、昔行ったNUMBER GIRLのライヴを思い出したからだと思う。

何度も繰り返し聴く中で、4曲目「見えない空気」の記録映像のように淡々と風景を切り取る歌詞に、気が付けば自分の記憶の中にある思い入れの強い風景を重ねていた。彼らの音楽を聴きながら思い出したかったのはこの風景だ。他の人が聴けばまた違う風景がそこに重なるのだろう。聴く者をノスタルジアに引き込む、純粋にいい曲だ。と思えば、次に続く「身のほど知らず」からは都会的な無機質さ、無感動さに妙な怖さを覚える。けれどその直後にアルバム中最もポップでとっつきやすい「方向音痴」が続くのだから、第一印象で感じた掴みどころの無さはあながち間違いではないだろう。けれど曲ごとに色が違ったり一曲の中に何色もあるということは、曲者というよりもむしろ表現衝動に素直なだけとも言える。今、引き出しを全開にして中のものを全部見える状態にしているのかもしれない。DACOTA SPEAKER.は2008年冬に結成された。まだ3年。これから先、その引き出しの中にある多種多様な表現衝動は削ぎ落とされ、洗練された作品を生み出していくのだろうか。それとも衝動は衝動のままに、このまま突き進むのだろうか。2年後ぐらいに彼らが奏でる音が気になって仕方が無い。(text by 水嶋美和)
ジャンルに縛られない若き才能たち
Sorrys! / そう今すぐ そう全部
様々なジャンル・フォーマットを丹念に練りこみエッジの効いたスパイスをふりかけたソリッドなロックと、何処か懐かしく心温まるバラッドを混在させ、人間の持つ大人と子供という二極性を明確に表し、今、最も熱いエレクトロ・ロック・シーンに回避不可能の隕石を落下させる作品。
オワリカラ / ドアたち
唯一無二なアンサンブルと強靭な音圧のサイケデリック・サウンドが「新しい世界」へ導いてくれる事間違いなし! 2010年型ROCKの始まりは「オワリカラ」。
住所不定無職 / JAKAJAAAAAN!!!!!
痛快なダンス・ナンバーからセンチメンタルな片思いソング、スラップスティックなパンク・チューンまで、ヴァラエティーに富んだ楽曲が収録されている本作。50〜90年代のロックンロールをはじめ、往年の歌謡曲やJ- POPなど、さまざまな要素をミックスしたサウンドで人気を集める彼女たち。その持ち味が発揮された、キラー・チューン満載のトキメキ胸キュン度200% な作品に仕上がっている。
LIVE SCHEDULE
■2011/02/23(水) @ 渋谷club asia『ROCK ACTION vol.13』
OPEN / START : 17:30
■2011/03/11(金) @ 新宿NINE SPICES
OPEN / START : 18:00 / 18:30
■2011/03/18(金) @ 大阪LIVE SQUARE 2ndLINE『SCUM PARADE』
OPEN / START : 19:00 / 19:30
■2011/03/20(日) @ 渋谷CYCLONE『Palette!! vol.3』
OPEN / START : 18:00 / 18:30
RROFILE
木部 裕介 Kibe Yusuke / Vocal , Guitar , Others
a.t.p / Drums
BENCH. / Bass
2008年1月結成の3人組。2009年〜2010年の2年間で実に130本超のライブ活動を行い鍛錬を積む。
完全なD.I.Y.精神、どインディー魂、グルーヴィーで鋭角なサウンド、記憶の中と最近の日常を歩く言葉の数々、そして場所やジャンルを選ばないボーダレスを武器に実験的で独特な楽曲を生み出し、今日もどこかのフロアを揺らしているロック・バンドである。
また盟友KEYTALKと「the 床でライヴ」を共同主催したり、2011年から自主企画「リスペクトクラブ」をスタートさせるなど更なるムーブメントを起こそうとしている。2011年、ますます目が離せない!