いろんな人に作詞をしたいです
──2021年のゆっきゅんさんは、「DIVA ME」や「imaginary」がありましたがどんな1年でしたか?

ゆっきゅん : 大きな転機でしたね。大学院を卒業してやりたいことを全部やった感じですね。「imaginary」も年内に出せたし。ゼロから始めたわけではなくて、電影と少年CQから、私が何かをやったらそれを見てくれる人がもう周りにいたっていう環境が、スタートとしてありがたかったなと思ってるんです。でも、めまぐるしすぎて、半年間ぐらいの話なんですけど、時間感覚がわかんない感じです。5月末から今日まで走ってたような感じがしますね。
──来年はどんなことをしたいでしょうか?
ゆっきゅん : 今、ソロのアルバムを作っているので早く出したいですね。なんかの金字塔を打ち立てたいです。あと作詞がしたいです。歌詞を書いて人に歌ってもらうことが、すごいしっくりきて、「自分にできることってこれかもな」みたいに感じているので、いろんな人に作詞をしたいですね。
──またでんぱ組incにも作詞してみたいでしょうか?
ゆっきゅん : もう何回でもやりますよ! ギラギラのやつでもやりますよ。
相沢 : 10年やってきていちばんでんぱ組が恵まれていたのは、周りに理解してくれる方がいて、わかりやすく言葉にして発信してくれたことなんです。自然とタッグを組めて走ってくれることが本当に必須だったので。やっぱりでんぱ組だけでいると、わけがわかんないんですよ。
──誰かが言語化してくれないといけないと。
相沢 : 言語化する速さでうちらは走ってなくて、言葉にする暇もないまま走ってたなかで、「でんぱ組ってこうなんだ」とか、メンバーに「こうでしたよ」って伝えてくれる人とこれからも組んでいかなきゃいけないと思いました。
今の10人のいい物語を作っていけたらな
──相沢さんは、でんぱ組.incの新体制や、ソロの「新月のダ・カーポ」のリリースなど、いろいろありましたね。

相沢 : 2021年はバラバラだった粘土がやっと固まってきた感じがしてて。何回も崩れて、立て直すっていうのは、私はたぶん違うなってすごく思ってたんですよ。もう崩れたらゼロからやるぐらいの気持ちでやらないと。でも、土台もいっぱいあるから、その上に立てるのが逆にすごく難しかったんです。いろんな人から見て既視感もあるだろうし、期待もあるし、自分の中でのルールみたいなのもあるし、いろんなことを壊したり、立て直したりしなきゃいけなくて。だから、私は苦しいだろうと思ったんですよね。ですけど、意外と自分的には全然苦じゃなくて、嫌なことが少なかった。みんなと一緒に走るのが楽しかったし、みんなから受ける影響も大きくて、自分自身も心がすごく成長したし、すごく息がしやすくて、2022年が楽しみになる2021年でした。
──環境が変わるなかで楽になれたのはすごいですね。
相沢 : ひとつだけ悩みがあって。自分は今までがんじがらめできてたんですよ。自分の活動や自分の周りには一切不満はないんだけど、自分に対して不満しかなくて、だからそれがこだわりになってて。そういうことがなくなって、「私はもしかしてこだわりなし人間になってしまったのか、それって大丈夫なのか?」って、唯一その不安がありますね。
ゆっきゅん : 全く問題ない。変わっていくものだから。
相沢 : 「私、透明になって消えちゃうんじゃないかな? 粒子みたいになっちゃって消えるんじゃないかな?」って。その前はもっと黒くて鉄の塊みたいになってたから、それはそれでいつか潰れちゃうんじゃないかと思ったけど、今はまたちょっと違う、ふわっとした感じ。でも、「こんな風に人って感覚が変わるんだな」って思いましたね。
──ゆっきゅんさんが期待するこれからのでんぱ組.incはどんなものですか?
ゆっきゅん : 私は、もう続いてくれることが嬉しくて。
相沢 : でんぱ組って、いい意味でシリーズ的に長く続いてるんです。最近ファースト・アルバム(『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』)が配信で出たんですけど、あれを1期とするならば、そこまでの最終回をちゃんと迎えているんですね。だから、今また新章が始まったところで、私は、この先もちゃんと最終回も作らなきゃいけないって急に最近思うようになって。別に、それで解散するとかじゃないですよ。でんぱ組って、話し合いの時間を取るんですよ。私が「でんぱ組で死んでもいいと思ってやってる」って言っちゃったら、ひなちゃん(高咲陽菜)がびっくりして泣いちゃって(笑)。でんぱ組が終わるとかじゃないけど、私の中ではそういうのがあるんですよね。それがこの1年でまた見えてきてて、それができると思ってるので、何年後かわかんないけど、今の10人のいい物語を作っていけたらな、ってすごい思ってます。私はすごく不器用なタイプなので、今のところでんぱ組しかないと思ってるし。

──ゆっきゅんさん、そんな相沢さんにアドバイスを。
ゆっきゅん : アドバイスなんてない(笑)。でも、変わっていくことを受け入れてる人が絶対強いから。
相沢 : 続けていくために、成長して変わって終わっていかなきゃいけないこともある。それがエネルギーになって続いていくっていうのをなんかすごく感じたんですよね。
ゆっきゅん : 「imaginary」でも水野しずちゃんが何度も言っていることなんですが、動機っていうのはやはり大事ですよね。特にでんぱ組には、歌う側に個人的な強い気持ちというエネルギーがあってこそ強くきらめく素敵な楽曲が、たくさんあるじゃないですか。
──その1曲に、「好感Daybook♡」がなったら素晴らしいですよね。
ゆっきゅん : はぁ。
──なんで急に自信なさげになるんですか(笑)
ゆっきゅん : なんか一瞬忘れてました、自分が作詞したこと(笑)。
相沢 : ツアーが決まったのも、2022年が楽しみな理由のひとつでもあるかも。初めて新体制で全国を回るので。成長とかって、ライブでやらないとわかんないじゃないですか。ライブの本番って、アイドルにとっては、本当に生きるか死ぬかの戦いみたいな感じなんですよね。緊張感とか集中力を絶やさないのって、やっぱ訓練が必要なので、それをいくつもこなしていくことで、「自分のグループである」っていう責任感も芽生えるんですよ。その機会がコロナの間はなかなかなかったところもあって。リハは今まで以上にしてるので、ツアーを経てすごいことになるんじゃないかなって思ってます。
ゆっきゅん : 見にいかせてください。
相沢 : ぜひぜひ見てください。

編集 : 田尻菜穂子
imaginary VOL.01

発行:夢眠舎
B4判 縦364mm 横257mm 厚さ8mm
64ページ 価格 1,800円+税
imaginary編集部 Twitter
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でんぱ組.inc DISCOGRAPHY
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ゆっきゅん DISCOGRAPHY
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電影と少年CQ DISCOGRAPHY
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でんぱ組.inc LIVE INFORMATION
全国5都市ZEPPツアー
2022年3月26日(土)@Zepp Namba
2022年3月28日(月)@Zepp Nagoya
2022年4月22日(金)@Zepp Fukuoka
2022年5月7日(土)@Zepp Sapporo
2022年6月11日(土)@Zepp DiverCity
ゆっきゅん LIVE INFORMATION
ゆっきゅんのバラ色会議 第31夜 〜2021年副音声大忘年会〜
2022年12月30日(木)@渋谷Loft Heaven(配信あり)
開場18:30/開演19:00
電影と少年CQ LIVE INFORMATION
CQ#226 電影と少年CQのジャズフェスタ
2022年12月28日(火)@渋谷Loft Heaven(配信あり)
開場18:30/開演19:00
PROFILE

2007年にオープンしたライブ&バー「秋葉原ディアステージ」で働く、アニメ・漫画・ゲームなど、自分の趣味に特化したコアなオタクのメンバーを中心に結成。「萌えキュンソングを世界にお届け」のキャッチフレーズで、秋葉原を中心に2010年頃より活動を本格始動。数々のメンバーチェンジを経て現在は古川未鈴、相沢梨紗、藤咲彩音、鹿目凛、根本凪、愛川こずえ、天沢璃人、小鳩りあ、空野青空、高咲陽菜の10人組ユニット。
アイドルとしては異例の東京コレクションでMIKIOSAKABEとのコラボレーション・ライブ出演や、ロシアでの村上隆個展でのオープニングアクト、蜷川美花作品へのモデル出演をはじめとして、様々なクリエイターとのコラボレーションを活発に展開し、国内のみならず海外からも注目を集め、台北やジャカルタでのファッションイベントにも参加。2013年にはJAPAN EXPOに日本代表として出演。2014年度は東アジア文化都市2014横浜親善大使を務めた。2015年はワールドツアーも敢行。MTV「ワールド・ワイド・アクト賞」の日本部門「ベスト・ジャパン・アクト」のウィナーに。今までに日本武道館や代々木第一体育館、幕張メッセなどアリーナクラスのライブも長年に渡って行なってきた。 2020年にはコロナ禍の中、SNS上での呼びかけに応じたクリエイターがたった8日間で作詞・作曲・編曲・演奏・MV制作までを行った「なんと!世界公認 引きこもり」を発表し、前向きなメッセージをファンに届けた。2021年11月16日には、でんぱ組.incの代表曲「Future Diver」リリース10周年をむかえる。

1995年、岡山県生まれ。新時代の自由を体現するポップアイコン。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバーとしてライブ活動を続けながら、セルフプロデュースでのソロ活動「DIVA Project」を始動。水野しずと共に編集長を務める雑誌『imaginary』を夢眠舎より創刊。