「この曲をもっと噛み砕いてわかってもらいたい！」って思いました
──「好感Daybook♡」は、冒頭から「私って最高」と言っていて、ゆっきゅんさんが自分を鼓舞して輝かせようとする「DIVA ME」の世界とも共通しますね。自己肯定感というテーマは決まっていたんでしょうか？
ゆっきゅん : ないない、「好感Daybook♡」の紙資料で初めて知りました（笑）。もふくちゃんから指定されたのは、「メロ部分ではミクロな話をして、サビで急に大きな視点で話をしてください」っていうことだけでした。自分が1曲だけでんぱ組に作れるとして、自分の言葉が今まででいちばん多くの人に届くかもしれないって思ったときに、どういうふうに心を動かしてほしいかと考えて。うまくいかない時でも「頑張りたい」みたいな気持ちがある人のことを私は応援したいと思っているので、「あ、全然自分いいじゃん」って思ってもらえるような歌にしたいっていうのはありました。
──「好感Daybook♡」について、夢眠ねむさんには何か話しましたか？
ゆっきゅん : レコーディングされたものが届いた時に、たまたま夢眠書店で編集会議をしてたので、その時にちょっと聴かせました。「いいね！」みたいな感じで（笑）。
──そういうレコーディングされた音源を聴いたり、MVを見たりしたゆっきゅんさんの感想はいかがでしたか？
ゆっきゅん : まだまだちょっと不思議（笑）。自分が書いた歌詞ではあるんですけど、なんか「いい歌だな」みたいな。
相沢 : 本当に自分も救われたんです。最近、新メンバーと長いこと一緒にいると、どんどんその子たちの得意なことも不得意なことも見えてくるんですけど、特に悩んでる子たちには、「この曲をもっと噛み砕いてわかってもらいたい！」って思いました。でんぱ組がもらう新曲って、メンバーにむけて届けられていることが実は多かったりするので。
──歌詞の好きなフレーズはどこでしょう？
相沢 : 私はＡメロの歌いだしの「アーン」で、その瞬間に肩の力が抜けて、この曲のまずいちばん大事なところだなって。
ゆっきゅん : すごい嬉しいです。私は歌詞を書くときに、サビよりも歌いだしを書くのが本当に好きで、Aメロ職人なところがあって。ここは「アーン」じゃなきゃダメだったんですよね。私、「好感Daybook♡」でやったのは作詞だけなので、他の全部の要素も含めてこんな作品になるんだ、みたいに感じました。タイトルも自分で決めてないし、「あ、こういう歌だったんだ」ってわかる感じがして、「作詞提供ってこういう体験なんだな」って思いました。だって、日記の歌ってこと知らなくて。書いてるんですけど（笑）。「タイトル案ありますか？」って聞かれて、いいのが自分では思い浮かばなくて、タイトルをつけてもらったことによって、「あ、これはそこに帰結する歌だったんだ」って知って感動しました。
──そんなゆっきゅんさんは、今の10人のでんぱ組.incをどう見ていますか？
ゆっきゅん : 中野サンプラザのライブ（2021年11月13日）を配信で拝見した時に、「好感Daybook♡」はライブでどういう風に入るんだろうって思ってて。まだまだ詳しく知らなかった一面みたいなものがたくさん引きだされた気がして、それがすごく嬉しかったですね。
──自分の作詞した曲がライブで歌われているのを見ていかがでした？
ゆっきゅん : 泣いちゃった（笑）。
相沢 : 我々はMCも練習するんですよ。でも、あの日は本番でしか言ってないことを話してる子が多かったんですよ。感動しちゃったし、なんか子育てみたいな（笑）。だから、もうすごい幸せな気持ちでした。
──相沢さんにとっても、ゆっきゅんさんがクリエイターとしてでんぱ組.incに関わることは感無量だったんじゃないですか？
相沢 : 長く続けていちばんよかったなと思うのは、「でんぱ組incのことを応援してくれた人って、やっぱりかっこいい人がいっぱいいるな」って思えることなんですよ。
ゆっきゅん : （ポーズをとって）あー。
相沢 : あー（笑）。自分のやることに責任を持って何かを作るって、今すごく大変な時代じゃないですか。それでも「やろう」って飛び込んでくれるっていうのは、エネルギーの塊だなって感じました。人生の中にでんぱ組があったっていうのもすごいことで。私たちが元気がない時に、自分たちだけでは頑張れないというところもあるから、そこで一緒にやれて本当によかったなって思います。
──ゆっきゅんさん、無言になっちゃいましたよ。
ゆっきゅん : 私、こんなにおしゃべりなのに（笑）。
