
EeL『BOSSA NOVA』セルフ・ライナー・ノーツ

歌詞の付け方はボサノヴァといえばやはりポルトガル語かなと思い、辞書や初心者向けのポルトガル語の本などを適当にぱらぱらめくって、響きだけで言葉を選んで鼻唄で作ったメロディに乗せていくという簡単なもので、「marche」という曲に関しては、フランス語ぽく聞こえるような響きの言葉をでたらめ即興で歌ってそのまま録音しちゃうという、今思えばかなりめちゃくちゃな作り方をしていました。マイクも300円で売っていたおもちゃのマイクを使っているし、 ボーカルやギターも拙い部分がたくさんで今改めて聴くと恥ずかしかったりするのですが、でも純粋にほぼ感覚だけで作ったものなので、そういう拙い部分も愛着を感じて、聴いてもらえたらとても嬉しいなぁと。
EeL
EeL『BOSSA NOVA』を聴く前に by milch of source
EeL『BOSSA NOVA』のライナー・ノーツなのにいきなり他の作品の紹介から始めるのもどうかと思いますが、EeL名前の由来「eel=うなぎ=つかみどころのない」という意思を受け継いで(?)様々な音楽性を廻り廻るEeLの過去作品をご紹介。
EeLブレイク・コア部門 『Little Prince』
2004年にリリースした楽曲です。ブレイク・コア部門と言いながら“ど”ストレートなブレイク・コアではないんですが、微妙にファンクっぽくもあり、微妙にジャズの部分もり、ポップなメロもあり… というわけでごちゃ混ぜな名盤です。最近のライヴではこちらのバージョンで披露しています。最後まで聴くとめちゃアガリます「Little Prince Loves You」
EeLポップ部門 『Sa vous plait?』
EeL初期作品のベスト版『Kung-Fu People Etcetera』にも収録されている楽曲です。渋谷系の要素とテクノ・ポップの要素が入っているのがEeL初期作品の特徴ですが、そのバランスがいい感じで生かされている一曲だと思います。ちなみに初期作品のトラック制作をしていたDJサンドウいわく「テクノやシカゴハウスの“声ネタモノ”の作り方の流れをそのまま“歌モノ”に持ってきた」ということです。
EeLモータウン部門 『fuwafuwa pink jellyfishes floating in the sky』
2011年夏に配信限定でリリースされたモータウン調の楽曲です。モータウン調とはいってもこれまたストレートな感じではなく、どこかヘンテコで、急にドラムだけがエレクトリックな感じになったり、シンセがウォール・オブ・サウンドの役割になっていたり、というようにどこかひねくれた感じもEeLの楽曲の魅力でもあり、それをよく表したひねくれた名曲であります。
EeLロック部門 『I want to hear your voice☆』
宝塚の奇才アーティスト、佐伯誠之助のリミックス・アルバム用に制作された楽曲。リミックスという依頼を完全無視し、原曲の音を一切使わず完全にEeLの新曲となっております。ノイズとEeLの声が軽快に掛け合うへんてこラモーンズ的一曲です。フリーダウンロードをこちらからできますので、是非、一家に一曲置いてみてはいかがでしょうか?
というわけで色々とEeLの楽曲を紹介してきたわけですが、こんなほかの楽曲も聴いた上で今回のアルバム『BOSSA NOVA』を聴くといっそう楽しめ、EeLの音楽をもっとDIGりたくなることでしょう。もっとググったりディグったりしてドンドン楽しんでください。でもDISはナシでお願いします。
milch of source/Ryoma Maeda(ROMZ records/Virgin Babylon Records)