編集部が注目する今週のリリース作品
ボルチモア出身のハードコア・バンドによる新作
昨年のフジロックや単独公演 (ZEPPで柵外し) も記憶に新しい、ボルチモア出身のハードコア・バンド、Turnstileの最新作。ハードコア・パンクは音への美意識とセンスだと思っていて、文脈から逸脱しすぎてもカッコ悪くなってしまうし、ただ過去の先人たちの焼き直しなのもつまらない。そうしたなかで彼らはうかつに手を出したらカッコ悪くなってしまう、針の穴を通すようなラインを攻めているのにちゃんとカッコいいのは本当にセンスの化け物というかなんというか。個人的にはライヴでもめちゃくちゃ盛り上がりそうな疾走感あるパートから、ドリーミーなシンセとシャバカ・ハッチングスによるフルートだけのパートになっていく"SUNSHOWER"が最高。(高木)
アニメ『ONE PIECE』エンディング主題歌を収録
音楽的多様性の肯定、それを軽やかな足取りで進んでいくさま、そんないまの日本のシーンを体現するようなmuqueの新作。彼らが幅広い支持を集めていく様子を見ていると、本当に嬉しくなるし、希望を感じる。(高田)
18歳大学生SSW・AKASAKI
「Bunny Girl」でバイラル・ヒットを記録したネット初の大学生SSW、AKASAKIの新曲。ノーコンテクストな歌詞は言葉選び洗練されてきており、オケのブラス、ストリングスのアレンジも相まってずとまよ的な仕上がりになっている。〈Spotify Early Noise Night #17〉でみた時に感じた伸び代をはるかに上回ってきました。好きな映像作家の五分目悟がリリック・ビデオを作成しており、そちらも最高なのでぜひ。(菅家)
アルバムより先行シングル
来月リリースのアルバムから、さらに2曲が先行公開。イントロから1990年代のオルタナ・インディー・バンド、特にeelsを彷彿とさせる “Crack Up!” と、静的な心象風景を描いた “How dare you?”。いずれも、表現の幅を意欲的に広げ続けるゆうらん船のモードが凝縮された仕上がり。(石川)
ニコニコ超会議で頒布されたコンピ
ニコニコ超会議2025で頒布された、Hiphop × NeoSoul × Jazz × 合成音声がテーマのコンピレーション・アルバムが配信解禁。お天気の優れない日が続く今日この頃ですが、このアルバムを聴けばおうちの中がクラブハウスに。ゆったりとした心地よいサウンドが雨音にもぴったりです。(藤田)
指原莉乃プロデュース、≒JOY
≒JOYの最新シングル。表題曲 “ブルーハワイレモン” は杉山勝彦・尾上榛 が作・編曲を担当。不思議で甘酸っぱい恋心をかき氷にたとえた、爽やかな夏曲に。大信田美月がセンターを務めたキュンキュンなラブソング"♡3ヶ月♡"、天野香乃愛と山野愛月のユニットが歌うハイテンションなロックナンバー “0120お助け屋さん” にも注目を!(西田)
山崎春美(ガセネタ)を迎えたライブ音源
今年5月に開催された、computer fight+山崎春美編成でのガセネタとcomputer fightのツーマンライブのドキュメント。ガセネタがノーウェイヴ仕様になったような演奏の切れ味の鋭さといったらない。そしてこの録音自体が、computer fightがどこからきたバンドなのかということが憶測できる記録になっているところも面白い。チョモランマ・トマト、54-71、Melt-Banana、INU、吉祥寺マイナーを一直線に繋いでしまえるような速さで、時を超えて乾きと飢えを音で埋めてきた演奏者たちが入れ替わり立ち替わり現れていくよう。ずっとライブを見たいと思いながら行けていないので、行こう自分。(津田)
オトトイパーティー通信