編集部が注目する今週のリリース作品
Vシンガー新作は生楽器で編成
どこがどうとは指摘できない奇妙さと、心地よさすら感じる親しみやすさとが共存する、良質な歌と音楽たち。「バーチャル・アーティスト」とも称される長瀬有花のアルバムだが、スタジオでバンド録音合宿を行い実際に空気中を伝播していた生音のみが収録されている (打ち込みの音もすべてスピーカーを通してリマイクしている) とのこと。さまざまな両面性から実装された心地よさと美しさを堪能してほしい。(高田)
初期と今のART-SCHOOLが共存
自分の感性を明け渡さずに守り続けることは、ある意味で戦いだ。何を相手に戦っているのかと問われると、それは自分自身なのかもしれない。ART-SCHOOLの楽曲を聴いて木下理樹の葛藤の痕跡を見つけたとき、その壮絶さに私たちは心を揺さぶられる。美しくて残酷で、清々しくも陰鬱で。このミニ・アルバムでも、そんなART-SCHOOLらしさが真っ直ぐなバンド・サウンドで届けられている。個人的には “Heaven Kicked Me Out” と “Forever And Again” が特に好き。(石川)
アニメ『前橋ウィッチーズ』主題歌
『ぼっち・ざ・ろっく!』、『虎に翼』などの作品で知られる吉田恵里香が脚本を担当した、TVアニメ『前橋ウィッチーズ』の主題歌。作中に出演する5人組女性声優アイドルグループ「前橋ウィッチーズ」が歌唱するオープニング曲は、作詞はつんく、作曲はTORIENAが担当。エレクトロなサウンドに、いわゆる “ハロプロっぽさ” を感じさせるリリックが乗る強力チューンに。OTOTOYでは劇中曲も配信中です!併せてチェックを!(西田)
2005年リリース作品の20周年版
ラッパー、コモンが2005年にリリースしたアルバム『Be』の20周年版。オリジナル+初出しのインスト版に加え、リミックスなども収録。最近の動きについては批判されてしかるべきだし、心配にもなりますが、このころのカニエのサンプリング・ソースを早回しさせたソウルフルなトラックはやはりアガるよなーと。ボビー・コールドウェルの名曲を使ったディラによる “The Light” も入っているし、ジャケのコモンのナイスな笑顔も含め名盤だと再確認。(高木)
キラハピ公式コンピ
On Prism Records (VOCALOIDの音楽サークル) 企画の総合プロジェクト〈キラハピ〉の公式コンピレーションアルバム第一弾。駄菓子O型やなみぐるなど、話題のボカロPが多数参加した、キラキラハッピーな楽曲がてんこもりの一枚です。(藤田)
「週刊情報チャージ!チルシル」テーマソング
突然リリースされたNHK「週刊情報チャージ!チルシル」テーマソング。ドリーミーなピアノ・バッキングを飾る、エッジの立った質感のブラスや、ストリングスの下降フレーズが良いアクセントに。柔らかい言葉遣いと間奏のコーラスのメロが秀逸。(菅家)
TAMTAM、5年ぶりのアルバム
Wool & The PantsもリリースしていたUSレーベル〈PPU〉より。元々はダブバンドだったとのことですが、それは音色のゆらめきに反映するにとどまっている印象で、バレアリック/ニューエイジなアンビエンスに全体が包まれています。清水靖晃など引き合いに出されるエキゾチックな要素もありつつ、それよりかはLAの現行アンビエントの影響を受けていそうな鮮明な淡いサウンドという気が。『NAGA』感あふれる「雨乞い」がいいです。(津田)
オトトイパーティー通信