編集部が注目する今週のリリース作品
君島大空、花譜が参加
圧倒的色彩・美・ポップ。キラキラフワフワギシギシとした「こいつ」を手にしていると、ふと指先に掌に感じる硬い芯。それは私たちの日々のなにかあったりなんにもなかったりの時間に優しく寄り添う美しきメロディ。でも安心してると急にウワァッって思ったりする。これこそが普遍的なポピュラー・ミュージックだろう。アルバム最後の曲は “このほしにうまれて”。このアルバムが存在する時代にいられてよかった。(高田)
想像力の血名義でのストレンジなポップ作品
スカートやムーンライダーズのサポートやKaede(Negicco)への楽興提供、自身のユニットであるカメラ=万年筆など、幅広く活動を続ける佐藤優介が、ソロ名義「想像力の血」として初のアルバムをリリース。ムーンライダーズ、P-MODELなどのテクノ・ポップ、ストリングスが与える寓話性、飽くなきDTMのアイデアなど詰め込まれていてかなりカオス。でもとっちらかった印象にならないのは彼の音楽教養の深さなんだろう。『エル・トポ』や『ツイン・ピークス』などへのオマージュも気になるところ。こういう変な音楽が耳を豊かにしてくれるんだよなぁ。(石川)
アルバム『Hakko』より先行リリース
ニュー・アルバム『Hakko』より先行リリース。終始、張り詰めた緊張感で繰り広げられるインプロヴィゼーション。表現力の高い楽器隊が、遊び心を持ちながら綱渡りをしているような一曲。 固唾を呑んでいると、あっという間に3分が過ぎ去ります。何よりも、これを先行配信するのがすごい。(菅家)
Ado、高畑充希など豪華客演
ボカロP・バルーンが豪華なゲスト・アーティストを多数迎えた企画アルバムをリリース。個性あふれるアレンジが楽しい5曲に加え、バルーン名義では久しぶりとなる、ヒトリエが演奏を担当した最新曲"WOLF"も収録。イチオシはキタニタツヤがアレンジ、adoが歌唱を担当した"シャルル"、刺々しく鋭いサウンドと華麗でオシャレなコード・アレンジ、ところどころに差し込まれた原曲へのリスペクトを感じるリフの数々など、何度でも聴きたくなる名カバーです。(藤田)
IRONSTONE、ラッパーRHYDAを迎えた新曲
吉祥寺はじめ東京の西側を拠点にするビートメーカーIRONSTONEが、RHYDAを招いて新曲をドロップ。地鳴りのようなベースにインダストリアルなドリル・ビート、そこに乗るRHYDAの歪ませた声がベストマッチ。縦笛のようなぐるぐる回る上音も、ベース音と合わせて体の感覚を奪っていく感じでかっこいい。でかいサウンドシステムで聴きたいです。(津田)
アニメ「ウィッチウォッチ」EDテーマを収録
石野理子、すりぃ、やまもとひかる、ツミキによるバンドAoooのEP。これが、まさに2025年の「イマ」の邦ロック・サウンド。キャッチーなリフと、強靭なリズム隊、そして確かな実力のヴォーカルで、これからのシーンの台風の目となるエネルギーを感じさせる作品。(西田)
オトトイパーティー通信