小林幸子との共演も実現させたブルース・ギターの名手、SOUL GAUGEが日本の名曲をリビルド!

米カンザス州で開催された国際ギター・コンテストでTOP5を獲得し、ニコ動で再生ランキング1位を獲得している井草聖二と、数多くのアーティストのレコーディングとツアーに参加している磯貝一樹からなるインストルメンタル・ギターデュオ、SOUL GAUGE。ファースト・アルバム『Born in Street』の発売後、BSジャパン・テレビ番組『徳光和夫の名曲にっぽん』の演出家に路上で見出されて数々の演歌歌手の演奏を重ねたことをきっかけに、"名曲"と言われる日本の歌謡曲の虜に。自分たちの解釈でアレンジすることをコンセプトにした今作『Walk on Japan -Everlasting Loves-』を完成させた。
坂本冬美の「夜桜お七」にはじまり、河島英五の「酒と泪と男と女」、テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」とずらり揃うなか、クライマックスにはあの小林幸子とコラボレーションした「おもいで酒」を収録! その偉業をなしたSOUL GAUGEにインタヴューを敢行した。
SOUL GAUGE / Walk on Japan -Everlasting Loves-
【配信形態 / 価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC(16/44.1kHz) :
単曲 300円 / まとめ価格 1,500円(各税込)
mp3 : 単曲 250円 / まとめ価格 1,350円(各税込)
【Track List】
01. 夜桜お七 / 02. 天城越え / 03. KOMOREBI / 04. 酒と泪と男と女 / 05. STREET / 06. SILKHAT / 07. もしかして / 08. また君に恋してる / 09. 時の流れに身をまかせ / 10. おもいで酒(小林幸子 × SOUL GAUGE)
INTERVIEW : SOUL GAUGE
今や都会に行けば駅周辺の路上で歌っている人や、バンド演奏している人たちは珍しくない。音楽好きな人であっても、大抵の場合は素通りしてしまうのではないだろうか。2014年に『Born in Street』でデビューしたインストゥルメンタル・ギターデュオ、SOUL GAUGEは、そんなストリート・ライヴ飽和状態のこの時代に街行く聴衆の注目を集めてデビューを果たした実力派だ。1年振りのニュー・アルバム『Walk on Japan -Everlasting Loves-』では、ソウル・ミュージックの名曲をカヴァーした前作とガラリと趣を変えて日本の有名な演歌・歌謡曲をカヴァー。しかも小林幸子がヴォーカルとして参加したスペシャル・トラックも有り。全くタイプの違うギタリストとしてお互いをリスペクトしつつ、1番身近なライバルとしても意識しているというメンバーの2人、井草聖二と磯貝一樹にインタヴューをおこなった。確かな演奏力で表現力豊かに聴かせる2本のギターの絶妙なアンサンブルに、あなたも足を止めて耳を傾けてみては?
インタヴュー&文 : 岡本貴之
初めは、敵みたいな感じで(笑)
——おふたりは路上で演奏していたところを見出されてデビューにつながったそうですが、そもそもの出会いはどんなきっかけだったんですか?
井草聖二(以下、井草) : 僕が上京して1週間経っていないくらいのころに、知り合いのギタリストの方のライヴに行ったんですけど、そこに磯貝君も来ていまして。そのギタリストの方が気を利かせてステージから「2人で何か弾けよ」って言ってくれたんです。
磯貝一樹(以下、磯貝) : そのセッションがきっかけで、一緒にやってみようって話の流れに自然となりました。
——もともと、おふたりとも別々にギタリストとして活動していたんですよね。
磯貝 : そうですね。スタイルも全然違う感じで(笑)。僕はサポートをやったりレコーディングをしたり。あとはジャズ系なのでジャズ・クラブなんかで演奏したりしてましたね。
井草 : 僕はソロ・ギターで、どちらかというとクラシックのホールとかでの演奏が多かったです。
——最初のセッションのときにお互いのことをどう感じたんでしょうか。
磯貝 : 僕は所謂ソロ・ギタリスト、ギター1本で表現する人をそれほど数多く見てきたわけではないんですけど、井草君のギターを初めて観たときにビックリしましたね。自分にないものがあったので新鮮でした。
井草 : 全く違うタイプだったんで、僕も「こいつ上手いな〜!」って(笑)。
磯貝 : 初めは、敵みたいな感じで(笑)。
——じゃあギター・バトルみたいな感じで?
井草 : バトルでしたね〜!
磯貝 : それがおもしろかったのかもしれないですね。
——ギターのテクニックはどのように身に着けてきたものなんでしょうか。
井草 : 僕は父親が教会の牧師をやっていまして、ゴスペルとかをドラムでずっと叩いていたんですよ。でもドラムだと1人じゃなんにも出来ないんで(笑)。15歳くらいのときにギターを始めてみようかなと思ったんです。そこから当時流行っていたDragon Ashのコピーをやっていましたね。当時Dragon Ashはアコギのちょっとしたフレーズをサンプリングして成立している曲が多かったんで、そういうフレーズを弾いたりとか。
——井草さんがスティール弦のアコースティック・ギターで、磯貝さんはガット・ギターとエレキ・ギターを弾いているんですね。
磯貝 : そうです。僕はもともと家に親父が持っていたブリッヂが割れてるアコギがあってそれをボンドで貼って(笑)。中学3年くらいのときに「ザ・ヒットソング集」みたいな本を見てCのコードとか弾いてました。そこからX JAPANにハマってエレキを買ってやってたんですけど、周りの友達はX JAPANとかあんまり聴かなかったんで、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとかそういうバンド系の曲をコピーしていましたね。
——確かに世代的にはX JAPANが頻繁に活動していた時代じゃないですもんね。
磯貝 : そうなんですよ。でもすごく影響を受けましたね。
——その個性の違う2人がどうやってSOUL GAUGEの音楽性を作ろうと思ったんでしょうか。
井草 : 最初は何も考えてなかったというか、一緒にやることになって週1でレギュラーのライヴがスタートしたんですけど、最初はそれぞれが弾きたい曲の楽譜を持ってきて当日初見でやっていたんです。
——え、ライヴ当日に初見で演奏していたんですか? それはすごいですね。
磯貝 : はい(笑)。お互い譜面を持って行って。3ステージくらいあったんですけど、5、6曲ずつ、合計15曲くらい。
井草 : その頃は毎週曲も変わって行って、50曲くらいやって「あ、これが受けるな」ってわかってきたくらいに、ファースト・アルバムの感じが出来てきたんです。
——ファースト・アルバム『Born in Street』ではMichael Jackson「Thriller」やEarth, Wind & Fire「September」、Jamiroquai「Virtual Insanity」といった洋楽の大ヒット曲をアレンジして演奏していますが、こうした曲も既にライヴでもやっていたんですか?
磯貝 : やっていました。もともと井草君がソロ・ギターのときにやっていたベーシックなものがあったんですよ。そこに僕が乗っかるのが1番早かったんで。お互いが好きなジャンルですし、有名な曲なんで手っ取り早いだろうと思ってそこから始めました。
——ちなみに1番最初にやったのはどんな曲だったか覚えています?
井草 : 最初にセッションしたときにやったのはStevie Wonderの「Isn't She Lovely」でしたね。
——お互いソウル・ミュージックは共通項としてあったわけですね。
磯貝 : そうですね、ジャズ、ソウルはやっぱり。2人とも好きな音楽は似ていたんですよ。
井草 : カバー曲のチョイスも揉めることもなく。だいたい好きな曲は似ていますね。
演歌であっても思いっ切りソウルフルなアレンジとかジャズにしたりとか、好き勝手にやらせてもらいました
——今作『Walk on Japan -Everlasting Loves-』は前作とはガラリと変わって日本の有名歌謡曲とオリジナル3曲になっていますね。
井草 : ふたりともファーストを出す前くらいから『徳光和夫の名曲にっぽん』というテレビ番組に月に1回くらい出演していて、色んな演歌の大御所歌手の方たちとやらせて頂いたんです。最初は演歌って僕らの中では未知のジャンルだったんですけど、実際にやってみるとソウルに近いものを感じたりとかして。楽しいものがあったんで、せっかくなんで次のアルバムは演歌とか歌謡曲のカヴァー・アルバムをやってみようということでこうなりました。
磯貝 : 番組自体も演歌のカヴァーとかをやっていたんですけど、結構僕らのアレンジでやらせて頂いていたんで、別に“演歌をやっている"という感じではなかったですね。
井草 : 「好きにアレンジしてよ」と言われたんで。演歌であっても思いっ切りソウルフルなアレンジとかジャズにしたりとか、好き勝手にやらせてもらいました(笑)。
——今作でもイントロを聴いてもわからなくて、途中で“「天城越え」か!"って気がついたりしました。
井草 : ははははは。
磯貝 : 結構そういうのはありますね(笑)。
——インスト9曲プラス、スペシャル・トラックとして「おもいで酒」では小林幸子さんがヴォーカルを入れていますね。このコラボはどんなきっかけから生まれたものなんですか?
磯貝 : ずっとインストなんで、1曲くらいは歌を入れたいなと思いまして。
井草 : 本物の演歌歌手の方に歌ってもらいたいなという気持ちがあって、「演歌歌手と言えば小林幸子さん」ということでダメもとでオファーしたところ、まさかのOKを頂きまして。
磯貝 : それで小林さんの代表曲の「おもいで酒」をバーッとアレンジして…。だいぶアレンジしちゃったけどね(笑)?
井草 : ははははは。そうだね(笑)。
——レコーディングの様子を教えてもらえますか?
磯貝 : そうそう(笑)。
井草 : 「おはようございます! じゃあ回しましょうか」みたいな感じで。それで実際に歌ってもらったら、ピタってハマって。結局3テイクくらいで終わりました。
磯貝 : すごかったよね。さすがだと思いました。
井草 : 途中、磯貝君がムチャぶりして(笑)。
磯貝 : ははははは!
井草 : 「小林さん、間奏でスキャット入れてくれませんか?」って。
磯貝 : そうなんですよ。せっかくやるんだったら面白いことをやりたくて。
井草 : でもバリバリやって下さって。もう全然楽勝でスキャット入れて下さいましたね。
——大御所にも関わらず、かなり柔軟な方だったんですね。
磯貝 : そうですね、やっぱり好奇心旺盛みたいな、色々やりたいという気持を持っている方だと思いました。
井草 : 僕らの世代だと、小林幸子さんっていうと演歌歌手という以前にアニメソングのイメージが強くて。「ポケモン」とか「クレヨンしんちゃん」とか。だからオールジャンル行ける歌手の方というイメージはあったんですよね。
——インストでも小林幸子さんのヒット曲「もしかして」を収録していますが、これはファンキーなアレンジになっていますね。前作の「Thriller」なんかにも感じたことなんですけど、メロディをすぐにそれとわかるようにはしていないですよね。その辺りのニュアンスはどのように考えてアプローチしているんでしょうか?
井草 : 1番に考えているのは、リズムの部分は原曲に忠実にグルーヴを再現しようという、例えばスネアの位置がちょっとズレていたらバッキングで再現しようとしているんですけど、メロディというのは歌手の方もライヴごとに歌い方が違ったりもするので、一応楽譜には起こすんですけど、それに沿いすぎずに崩して弾くようには心掛けていますね。
磯貝 : それぞれの歌い回しに捉われないような感じにしています。
——もちろん曲ごとに違うとは思うんですが、バッキングでリズムを出すのはどちらとか、基本的なギターの役割分担みたいなものってあるんですか?
磯貝 : 時と場合にはよりますけど基本、井草君がバッキングをすることが多いんですけど、彼がメロディを単体で弾くときには僕がバッキングに回ります。エレキがバッキングでアコギがメロディだとちょっと薄くなっちゃうんで、パーカッションを僕がやったり、そういうことは交互にやっています。
——そうした演奏のアンサンブルで苦労するところはどんなところでしょう?
磯貝 : やっぱり音作りですかね。
井草 : そうですね。エレキとアコギってもとからそんなに相性の良い楽器ではないので、お互いかなり歩み寄った音色にしないと成立しない部分があって。
磯貝 : それに、それぞれが活動してきた内容が違うんで、好きな音楽は同じなんですけど出したい音色が違うんで、それを合せたときに混ざるか混ざらないかということはありますね。混ざらないときが大変です、音作りに関しては。
井草 : ギターの1番おいしい部分の音域をふたりとも出したいところなんですけど、ふたりとも出すと「モコモコ」ってしちゃうんで、どちらかが譲ってハイとローだけ出したり、硬めの音色を出して片方が丸い音色を出したりとか。そういうバランスというかちょっとした譲り合いはありますね。
磯貝 : レコーディングに関しては曲によってそういうのを入れ替えたりとか、色んなパターンでやったりしましたけど。
——レコーディングはマイクを立てて録っているんですか?
磯貝 : そうですね。僕はアンプだけ別部屋にして置いて、ふたり同じブースに入ってマイクを立てて録っています。
——あ、ギターを別々に録るのではなくて、すべて一緒に演奏して録っているんですね。
井草 : はい、同時で録りました。
——それは緊張感がすごそうですね…。
磯貝 : はい、本当にすごいですよ(笑)。前作の方が大変だったけどね?
井草 : ああ、そうだねえ。
磯貝 : 今回は割とスムーズに録れましたね。
ギター・ミュージックって敷居が高いみたいに思われるかもしれないんですけど、歌モノみたいな感じで気軽に聴いてもらえたらなと
——磯貝さんはレコーディングでもセミアコを使っているんですか?
磯貝 : そうですね。他で弾く時も僕はほぼセミアコですね。たまにレコーディングで呼ばれてシングルコイルのストラトとか、そういうソリッドギターを弾くこともありますけど。
井草 : 僕はSOUL GAUGEとソロ・ギターで分けていますね。SOUL GAUGEではパーカッシヴな演奏が多かったりするので、今使っているMATONというちょっと小柄な、なおかつハウりにくい構造なんで、エレキがアンプでガーンって鳴らしても、あんまりアコギの中で音が回らないようなものを使っています。
——「夜桜お七」ではかなり歪んだ音でバッキングしていますね。
磯貝 : もともと、(Fenderの)ツイン・リバーヴを使っていたんですけど、ボリュームを上げると若干歪むんです。この曲に関してはブースターをかましてみたんですけど、「ゴリッ」っていう音色が出たので、「あ、これいいじゃん」って。僕がソロでやっているときはエフェクターをバーッて並べて使っているんですけど、SOUL GAUGEではシンプルにしていますね。
井草 : そうですね、極力シンプルに。
——「天城越え」ではハーモニクスを使ったバッキングが斬新に聴こえたんですが、こういう奏法って良くやるものなんですか?
磯貝 : このアレンジは意外となかったですね。
井草 : SOUL GAUGEの中には今までなかった感じですね。これを弾いてるのは僕なんですけど、アレンジは磯貝君が「こんな風に弾いて」って。
磯貝 : 最初はハーモニクスだけだったんですけど、このパートだけだと寂しいからって(笑)。ボディを叩き出して。それが良い感じになったんです。メロディの歌い回しが重要だったので、ソロ・フレーズを聴かせるアレンジにしました。
——「時の流れに身をまかせ」はボサノヴァ調にアレンジしていますが、このアイデアはどちらから出てきたものですか?
井草 : これは僕ですね。タイトルが「時の流れに身をまかせ」だったんで、リズムで遊べないかなと思っていて。ダブルタイムにしてみたりして表現してみました。
——ボサノヴァはふたりにとって通ってきたジャンルなんでしょうか。
井草 : 僕は学生時代にすごくサンバ、ボサノヴァを聴いていて。ジョイスとかトニーニョ・オルタとか、ボサノヴァの第2世代と呼ばれる人たちに影響されましたね。
磯貝 : 僕は自分で演奏することはこれまではあまりなかったです。スウィングとかソウルの方が多かったですね。
——オリジナルが3曲入っていますが、それぞれどのように制作されたのか教えてもらえますか?
井草 : オリジナル曲はそれぞれが持ち寄ったんですけど、「KOMOREBI」は唯一の共作ですね。まだ組んで3ヶ月目くらいのときに、あまりにも初見でばかりやっていたんで、一旦ちゃんと合せてやろうということになって、群馬に合宿に行ったんです。山奥でギターを弾いて、その中で自然に出来た曲です。
井草 : 合宿に行ったのにずっと寝てたよね(笑)。
磯貝 : 井草君が「こういうのあるんだけど」ってワンフレーズ作ってくれて、そこからAメロを2人で作ったりして。
井草 : 最初、サビの8小節は作ってきてくれてたんですけど。
磯貝 : そこから全然動かなくなったんですよ。眠たくなったんで(笑)。
井草 : 作っていた場所も森で、窓から木が揺れているのも見えてたんで。良いインスピレーションを受けて作れましたね。
——「STREET」はギター・バトルが楽しめるアップテンポな曲ですが、これはどちらが書いたんでしょうか。
磯貝 : これは僕なんですけど、もともとアルバムに入れようとしていたカヴァー曲のアレンジがあったんですよ。それもすごく原曲をぶっ壊していたんですけど、あまりにもメロディが乗っからなさすぎて。これだったら全部変えちゃってオリジナル曲にしちゃおうと思って書きなおしました。ほぼフリーなセッションみたいな感じでやりました。
——もう1曲「SILKHAT」はチェット・アトキンスのようなラグタイム・ギターが聴けますね。
井草 : これは僕が元からソロ・ギターでやっている曲で、SOUL GAUGEでやったらまたおもしろいんじゃないかなと思って持ってきました。
——オリジナル曲もカヴァー曲と違和感なく入っていますよね。
磯貝 : そこが狙いだったりもして、「これは誰の曲なんだろう?」ってなると思うんですよ、カヴァー曲も。そこにオリジナルを入れることで「あ、これはオリジナルなんだ」って聴いてもらえると思うので、そこにあまり差が無いようにしました。
——『Walk on Japan -Everlasting Loves-』というアルバム・タイトルにはどんな意味が込められているんでしょうか?
井草 : 前作が『Born in Street』だったので、ストリートで生まれて今、日本の上を歩いている、ということです。だから3作目はワールド的なタイトルにしようかなと思っています(笑)。
——ギターを弾いてる人に上手くなるためのアドバイスを求められたら、どんなことを伝えますか?
井草 : 僕はアドバイスするときは、「とにかく基礎練をしっかりやってください」というつまらないことしか言えないんですけど(笑)。やっぱりギターって音色が大事な要素で、誰が弾いてもそれぞれ違う音色が出る楽器だと思っているんで。指で直接弾くということでその人の指の形だとかダイレクトに伝わるので、とにかく良い音を出すための基礎練習をやると良いと思います。ギターの一番の魅力は音色だと思いますし、テクニックとは後からついてくるものなので。僕は普段練習するときはアルペジオをめちゃくちゃゆっくり弾いたりとか、メロディもすごく簡単なものをひたすら繰り返し弾いています。
磯貝 : 僕は色んな楽曲を聴いて自分なりに解釈して気に入ったフレーズをコピーしたりするんですけど、それだけだとつまらなくなっちゃうんで、自分の好きなアーティストの音を全部コピーしたり。後は井草君が言ったように音色ですね。自分がこういう音を出したいというものになるべく近づけるような練習をしています。スケール練習にしてもアルペジオにしてもそうなんですけど。アドバイスがあるとすれば、「とりあえず迷ったらコピーしろ」と言います(笑)。
——ではOTOTOYをご覧の方にそれぞれメッセージをお願いします。
井草 : ギター・ミュージックって敷居が高いみたいに思われるかもしれないんですけど、歌モノみたいな感じで気軽に聴いてもらえたらなと思います。そしてギターならではの歌にはない魅力もあるので、そういうところにも耳を傾けてもらえたらなと思います。
磯貝 : 難しい感じではなくてジャズでもないし、ポップス的な感じで聴けると思うので、普段聴いているような感覚で聴いて欲しいなと思います。“ギターだけなんだけど、こういう表現もしているんだよ"というところを感じてもらえれば嬉しいです。是非聴いてみて下さい。
LIVE INFORMATION
Walk on Japan ファースト・ストリート・レコ発記念ライヴ
2015年6月26日(金)@渋谷Last Waltz
Walk on Japan セカンド・ストリート・レコ発記念ライヴ
2015年6月27日(土)@渋谷Last Waltz
※26日(金)と27日(土)の公演内容は異なります。
PROFILE
SOUL GAUGE
・井草聖二(アコースティック)
神戸出身。ソロ・ギターの世界ではその名を知られたスーパー・ギタリスト。アコースティック・ギターの全国大会「FINGER PICKING DAY2009」に出場「最優秀賞」「オリジナルアレンジ賞」を受賞。 米カンザス州で開催された国際ギター・コンテスト「39th Walnut Valley Festival「International Fingerstyle Guitar Championship」 に日本代表で出場、Top5 に選ばれる。メロディラインからベースラインまで、 1人で2人分を弾きこなすテクニックはもちろん、唄心溢れるセンスが光る。YouTube / ニコ動チャンネルの再生回数は100万回を超える。
・磯貝一樹(エレキ・ガット)
大分出身。ソウルフルかつジャジーなテイストで大人の色気を感じるフィンガー・ピッキング奏法。335 を自在に操るメローなサウンドがシンボル。その存在はアーティストの間で話題となり、最近では数多くの J-POP アーティストのライヴ、レコーディングに参加している。ジャンルを問わず、そこに在る楽曲そこに居る共演者に、自分の世界観を融合させ、己の個性を輝かせてしまう驚くべき 懐の深いギター・プレイヤーである。常識破りの個性的なガットギターも高い評価を得ている。