このバンドではみんなあたらしいことをやる
——「リスペクトで行こう! 」はどうですか? これ内容は一番パンクですよね。肯定したふりして否定しまくってる。
サンジ : 誰かをリスペクトしないといけないような空気がちょっと前にあって、何かと言うとみんな「リスペクト! 」って言ってた。そこに違和感を覚えて、でもリスペクトできる人がいっぱい居るっていうのはいいことなのかなとも思って、この人良いなーって思った人はリスペクトしてたんです。
——してたんだ。(笑)
サンジ : あの人もこの人もリスペクト、皆リスペクト。っていう気持ちで出来たのがこの曲です。

——9曲目「病院行って! 」の「病気治そうぜ〜」と11曲目「死ぬまで生きるぜ! 」の「1秒! 2秒! 3秒! 死んで行ってる! 」は、逆のことですよね。これは敢えてですか?
2人 : はー... 。
サンジ : それは... 何となく作っちゃったって言えない状況ですよね。
トモロヲ : 理由は今考えろと!
——(笑)。
トモロヲ : 最初からマキちゃんに歌ってもらうつもりで作ったの?
サンジ : そうですね。全員ボーカル制なのでそれぞれ持ち曲がある方がいいなと思ったので。
トモロヲ : 僕の世代だと戸川純さんというポップ・パンキッシュなアイコンが居て、声質も曲の感じもそういうイメージがあったのかなって思ってました。マキちゃんのキャラクターありきなのかなと。
——確かに、似てますね。マキさんは元々歌い手ではなかったんですか?
サンジ : このバンドではみんな新しいことをやるっていうのがあったので、マキちゃんは元々ドラマーで楽器が変わらないから、この曲がメイン・ボーカル初挑戦なんです。
——「死ぬまで生きるぜ! 」は安齋さんの持ち曲なんですね。
サンジ : バンドの中では安齋さんが年長者なんです。生まれたからには死ぬことが決まってるっていうのと、バンドの中で死について歌ったら一番説得力あるかなと(笑)。安齋さんに死んで欲しいって思ってるとかじゃないですから、そこは決して!
——「パンク★ミー! 」はトモロヲさんが入ってから出来た曲ですか?
トモロヲ : そうです。最初スカパラっぽい曲を意識して作ってて、スカに「チャッチャッ」ってリズムがあるじゃないですか。それを「メチャクチャ」に変えて僕が歌詞を乗せたらこんな風になってしまいました。ジャマイカの人がロックを聴いてやったらレゲエになったみたいな感じです。どこに面影あんのって(笑)。
僕たちはパンクをしてるのではなくて、パンクをさせてもらってるんです
——「ラゾク! 」はどういう着想から作ったんでしょう?
サンジ : これはですね... ちょっと歌詞見せて。
——どうぞ(笑)。
サンジ : 最初は裸族のつもりで作ってたんですけど、そのうち「ラララ」って言う族になってきちゃって、あと、「100万年前はラゾクで当たり前、恥ずかしがらないで唄えば皆ラゾク」っていうのは... 何の意味もないです。
一同 : 爆笑
サンジ : だって当たり前のことだから! 裸族とラ族っていうのをどうやって繋げようかと思って、最初に人前で歌う時ってみんな恥ずかしがるじゃないですか。裸になる時ももちろん恥ずかしいじゃないですか。それを無理矢理ダブル・ミーニングにしたんです。で、一番が出来て、二番はどうしてもこうなりますよねどうしても。
——というと?
サンジ : 窓際族です。リストラされて裸一貫で出直したってことです。
——急に悲しい感じになりますね(笑)。
サンジ : でも耳触り的には子供受けしそうじゃないですか。だから一時、NHKの「みんなのうた」を狙ってたんですよ。トモロヲさん居るし、安齋さんの「ホャホャラー」も「みんなのうた」になってたからNHKにパイプもあるし。
——「みんなのうた」って、狙おうと思って狙えるものなんですか?
サンジ : できますよ! 売り込みに行けば。
トモロヲ : 行ってないもんね、売り込み。居酒屋で話してただけの大人の妄想です(笑)。安齋さんの「ホャホャラー」が「みんなのうた」でかかってたことがあったんで、聞いたら2年待ちとからしくて。まあ、大人なんで無理強いはしないでおこうと。
——ちょっとずつ大人の事情が入ってきますね(笑)。
サンジ : もうね、突っ走るだけじゃだめなんだってわかったので。
トモロヲ : 若い頃は自分で生きてるんだと思ってたけど、そうじゃないんだ! 生かされてるんだ! そういうのを踏まえた上の大人パンクなんですよ。

——大人パンクってことは、パンクはやはり若者のものなんでしょうか?
トモロヲ : 若い人たちの衝動、爆発、やっぱりそういうイメージが強いじゃないですか。それを大人になってから始めてもいいんだっていう、間口を広げた発想です。
サンジ : 立ち止まり振り返り、僕たちはパンクをしてるのではなくて、パンクをさせてもらってるんです。
——もう大きな舞台に立ってしまった今、これからの目標はありますか?
トモロヲ : SUMMER SONICもWORLD HAPPINESSも、僕が加入してからは出てないんですよ。そこに僕は納得がいかない。バンド責任者に問いたいところです。
サンジ : 僕も毎年出れるもんだと思ってた! 安齋さんは毎年SUMMER SONIC出てるんですよ。その一貫だったんです(笑)。 目標としては、もっとバンド名が知れ渡って欲しいです。トモロヲさんって役者のイメージが強いけど、元々パンクやってて今もやってる人なんだっていうのをちゃんと一般的に知って欲しい。安齋さんも「ソラミミスト」って、それもすごい肩書だけど(笑)、パンク・ソラミミストになるぐらいに。まずバンド名を売っていこうと考えてます。
INFORMATIOAN
LASTORDERZ 「大人パンク! 」レコ発ギグ!
日時 : 2011/05/23(月)
出演 : LASTORDERZ スペシャル・ゲスト : みうらじゅん
会場 : 下北沢CLUB Que
開場 / 開演 : 18:45 / 19:15
大人前売 3000円
PROFILE
LASTORDERZ
ラスト・アンザイ aka 安齋 肇(ソラミミスト / イラストレーター) : 唄とギター
ラスト・トモロヲ aka 田口 トモロヲ(ばちかぶり) : 唄と踊り
ラスト・サンジ aka 淡谷 三治(MEN'S 5) : ベースと唄
ラスト・カホリーナ aka 小野 かほり(元・Chica Boom) : ギターと唄
ラスト・マキ 999 aka MAKI 999(HB、セレブス) : ドラムと唄
LASTORDERZ これまでのあらすじ
Men's 5のメンバーとしても知られる淡谷三治(B / Vo)の高校時代に訪れたパンク・ムーブメント! 2008年、折しも「セックスピストルズ、サマソニ 08出演」の噂を聞きつけ、「パンク・バンドをやろう! 」淡谷の熱い呼びかけに口説かれた、イラストレーターでソラミミストの安齋肇(G / Vo)、松任谷由実さんのバンドなどでパーカッションとして活躍中の小野かほり(G / Vo)、女性ミュージシャン・ユニットHBのMAKI 999(Dr/Vo)の4人で結成されたLASTORDERZ!! 男女混合、連呼&持ち回りボーカル(レンコ‘ N 'ロール)を掲げて始動!! 無謀にもサマソニへの参加を目指したところ、ソラミミPowerも手伝って、まんまと初ステージが実現! そして、この年からスタートしたWORLD HAPPINESSにもサマソニと同日掛け持ち参加! しかしサマソニでのライヴの模様が『タモリ倶楽部』での反省会で、POLYSICSの林氏やマキシマム・ザ・ホルモンのダイスケはんに駄目だしされ落胆。このままではいかんとたまたま飲み会で80年代に伝説的パンク・バンドばちかぶりのボーカルとして活躍したボーカル、田口トモロヲ(俳優、映画『アイデンアンドティティ』『色即ぜねれいしょん』監督)と同席、70年代にリアル・タイムでSEX PISTOLSを聴いて人生が変わったトモロヲに酔った勢いで企画書と音源を渡し加入をオファーするも、うやむやにされる。しかし、その数日後、下北沢で偶然に出くわした淡谷とトモロヲ...その頃、映画「少年メリケンサック」でパンク歌手役を演じて、またパンクが好きになっていたトモロヲがそのスレ違いざま、突然バンドへの参加を表明! 2010年、ライヴ・ハウスでのギグに加え、WORLD HAPPINESS前夜祭、フジロック前夜祭にも参加! その勢いに乗って、UK PROJECTをくどき、スケジュールの合間を縫ってレコーディングも決行!! 2011年春、遂に待望のCDリリース。
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