まさに「LOVE」がテーマです
──「今回のアルバムで新録した曲は、自分たちが歌いたいものを全力で作った」とのことですが、ダークな印象が強い神サイが「歌いたいもの」として、甘いポップソングの“LOVE”を制作されたのは意外でした。
柳田:“1on1"のようにラヴリーな曲や、“巡る巡る“のように爽やかな曲はすでにリリースしていましたけど、それの究極体みたいな超振り切った曲を作りたかったんです。ちょっとシャイな男の子のラヴを詰め込んだような、ハッピーでラヴリーな曲を届けたいなって。メンバーはこの1年半で色々なことに挑戦し続けてきたし、それぞれのプレイヤーとしてのポテンシャルも日々上がっているなかで、神サイのグルーヴをいちばん大事にしたような曲を作ってみたかった。小手先じゃなくて体のなかのにある純粋なリズムを出せた楽曲ですね。
──ドラムの音が他の曲とは明らかに違いますよね。神サイの曲っていい意味でビートが重たい印象があったんですけど、“LOVE”は反対にとても軽やかです。
黒川 : 音が跳ねてますよね。いつも使っているCANOPUSのセットとは違う、70年代80年代のLUDWIGというメーカーのセットを使用したんです。ヴィンテージの音って現代のドラムセットよりも音がズビズビこないんですよ。細かいふわっとした音になるので、そのセットを使ったというのは結構大きいですね。
柳田 : それとアルバムを作ろうとなった時点で野音でのライヴが決まっていたので、そのライヴの予想図を頭のなかで色々思い浮かべていたんです。具体的なことは、いまは言えないですけど(笑)。僕らは闇属性ではあるものの、ライヴ中にファンのみんなが笑ったり楽しそうにしてくれていると、自分もめっちゃ嬉しくなるんです。そういうのって伝染していくと思うから、良くも悪くもお客さんに影響されやすくて。お客さんが楽しんでいれば楽しんでいるほど、俺らも120パーセントのパフォーマンスができるので、演出もスペシャリストの方々と色々考えていきたいですね。そういう意味でも“LOVE”は神サイにとって欠かせないライヴチューンですね。
──ライヴの演出を踏まえて生まれた楽曲でもあるんですね。他にも演出は色々と考えていますか?
吉田:うーん。スポーツカーとかは…?
柳田:小さい子が乗る巨大ラジコンみたいなね。あの車にのって登場したいね(笑)。
黒川:たしかに外だからできるギミックみたいなのはやりたいね(笑)。
柳田:みんなそれぞれがなにかできるといいよね。演出はスペシャリストの方々と一緒に考えているので、これから色々考えていくので楽しみにしていてほしいです。
──では最後に東阪野音ライヴ〈最下層からの観測〉への意気込みを教えてください。
吉田 : お客さんとの物理的な距離感もそうなんですけど、楽しみにしてくれているその気持ちを無駄にしないように、心で距離感を詰めたいです。アルバムをしっかり聴いてきてもらいたいし、俺らも150パーセント楽しませることができるようなパフォーマンスをしようと思っているので、ぜひライヴにきてほしいです。
黒川: 満足してもらいたいというのが当たり前にありますね。この前自分の体調不良でライヴを飛ばしてしまったんですけど、そのときにたくさんのリスナーの方からメッセージをもらって。この人たちが支えてくれているから僕は音楽ができていることを再確認させてもらったので、リベンジさせてもらう気持ちと感謝の気持ちを込めてファンのみんなが満足して帰れるようなライヴにしたいです。
桐木 : 外なので夕暮れ時にやりたい曲とか、その景色に合わせたセトリが組めるんじゃないかと思っていて。それは野音でしかできないから、きっと特別なライヴになると思います。普段よくライヴにきてくれている方でも、新鮮な気持ちでみてもらえるんじゃないかな。
柳田 : スタッフやリスナーへ「愛を伝えたい」という気持ちが大きいです。まさに「LOVE」がテーマですね。スタッフの方々、ライヴを一緒に作ってくれているPAチームや照明チーム、ステージデザインチーム、イベンターさんや舞台監督さん、そしてなにより超主役であるファンのみんなへ愛を伝えたいです。5月からは全国ツアーもありますので、昔から応援してくれている人や新しく神サイを知ってくれた人のおかげで、音楽をやらせてもらっているという気持ちが強くあるので、とにかく最大級の愛を伝えられたらそれだけでもう最高かなと思います。
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神はサイコロを振らない - 「イリーガル・ゲーム」(Official Music Video)神はサイコロを振らない - 「イリーガル・ゲーム」(Official Music Video)
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PROFILE : 神はサイコロを振らない
「神はサイコロを振らない」の音楽には、一見相反するそれらが共存し、両極が互いに引っ張り合うことで生じる、凄まじい熱量とダイナイズムがある。各楽器が〝歌っている″かのように奏でる情感豊かなフレーズ、意表を突く幻惑的な変拍子、予想を裏切る展開を追求したメロディーライン。いつも何かを探し求めているような、時に哲学的でピュアな歌詞。低音からファルセットまでを自在に浮遊する、叫びと囁きとを巧みに操るエモーショナルな歌声。それらすべてが合わさって生み出されるのが、「神はサイコロを振らない」の〝美しき音のカオス″である。 ライブでは、彼らが持つ静と動のメリハリが際立ち、場の空気を完全にコントロールしてしまう。音を鳴らした瞬間、オーディエンスをその世界に深く引き込み、鳴り止んだ瞬間、まるで催眠術から覚めたかのように、解き放つ。 そんなリアルな手触りを伴った幻想的なトリップ体験をもたらす、中毒性の高いライブを繰り広げ続けている、気鋭のロックバンド。 バンド名「神はサイコロを振らない」は、現代物理学の父、アルベルト・アインシュタインの言葉。観測される現象が偶然や確率に支配されることもある、とする量子力学の曖昧さを批判したもので、アインシュタインは、「そこには必ず物理の法則があり、決定されるべき数式がある」との立場から、〝神″をその比喩として用いた。 柳田 周作、吉田 喜一、桐木 岳貢、黒川 亮介からなる「神はサイコロを振らない」が従うのは、「型にはまらない、誰にも出せない音を生み出し続ける」という、自らが定めた絶対的な〝法則″。それをもって自分自身が司る道を自分自身で切り開いていく、との意を込めて命名された。
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