2024/10/04 11:00

海外で良いライヴができる自信はあるし、想像もできる

──カナダ・ツアーについてうかがいます。〈Next Music from Tokyo〉への出演は、主催のスティーブさんから誘われたんですよね?

後藤 : 去年11月のライヴの物販で、スティーブさんが「こういうツアーをやってて」って話かけてきて。あまりに現実的な話じゃなさすぎて、何者なんだろうと。

福間 : 本当かな? って。ただ、過去の〈Next Music from Tokyo〉に出ていたバンドがカナダでライヴをしている動画は何回も観たことがあって、あれか、と。

後藤 : このチャンスを逃すわけにはいかない。

Hammer Head Shark - ‶ 魚座の痣 ″ (自主企画 ‶魚座の痣vol.5″)
Hammer Head Shark - ‶ 魚座の痣 ″ (自主企画 ‶魚座の痣vol.5″)

──自分たちが海外でライヴをしているイメージはありますか?

後藤 : あります。最近は日本のライヴでも海外からのお客さんが増えてきていて、日本人と海外のお客さんのノリかたって明確に違う。このノリかたをしているひとが100%なんだって考えると、絶対楽しいだろうなと。良いライヴを確実にできる自信もありますし、想像もできます。

藤本 : 日本でライヴを観にきてくれる海外のお客さんを見ていると、前提なしに、その瞬間その瞬間で、いまの音やばいとかいまのこの曲やばいとかにリアルな反応してくれると感じているので。すごい楽しみでもあり、下手なことできないなとも思ってます。瞬間瞬間で自分たちが出せる最大限を出して、そのリアクションを楽しめたらなと思います。

ながい : 本当にまっさらな状態で観るひとたちの前で演奏するのが、プラスとかマイナスじゃなくて、興味深いなと思います。こういう機会ができたのは、すごく嬉しいし楽しみです。

Hammer Head Shark - ‶ 声 ″ (live)
Hammer Head Shark - ‶ 声 ″ (live)

Hammerを必要としてくれているひとに一番居心地の良い空間を

──カナダ・ツアーのあとは〈KATA〉でワンマンです

ながい : カナダから帰ってきたらライヴをやるというのは自分のなかで決まっていて。で、やるって考えたときに、今日も撮影をしてくれた (藤咲) 千明くんが〈KATA〉で展示もできるしライヴもできる、っていう話を以前からしていて。写真も飾りたいし、ジャケットやグッズデザインもぜんぶ私が自分で描いてるんで絵も飾りたい、詩も貼れたらな、っていうのはずっと思っていて。自分の好きなものを集めた空間を作るっていうのは昔からやりたかったので、このタイミングにやったらいいんじゃないかなって。

編集部注 :〈KATA〉は恵比寿〈LIQUIDROOM〉2階にあるギャラリー・スペース

──どういう空間を作りたいですか?

ながい : 私はライヴをするときいつも「球体」みたいなイメージがあって、それを広げて安心する世界を作りたいって思っていて。それをリアルにやりたいという思考が〈KATA〉なんです。写真やVJ、Hammerの色を作ってくれているひとを集めた空間でライヴすることで、ライヴで思っている自分の幻想的なものを、箱を使ってリアルな空間として作りたいなと。Hammerを必要としてくれているひとにとって一番居心地の良い空間、ここに居たいと思ってもらえるような空間を作りたいと思っています。

──ほかの3人は構想をどれくらい把握されてるんですか?

ながい : あんまりちゃんと話してない (笑)。

福間 : 〈KATA〉でそういう空間を作りたいっていう話はずいぶん前から聞いていて。詳細はながいさんの頭の中にあるんだろうけど、いまなんだな、とは思ってます。

藤本 : ステージがあるわけじゃないので、ほぼフロアライヴみたいなものになるだろうから、みんなで一体化するようなライヴになるのが楽しみです。

ながい : CDが売り切れてしまっているので、カナダ・ツアーにはCDを新しく作って持っていきます。6曲入りで新曲が2曲 (加えてカセットテープでのみリリースされている “アトゥダラル僻地” も収録)。〈KATA〉はカナダから帰ってきて何かをしたくてやるイベントなので、カナダで売るCDをそこで売るのは理にかなってるし、面白いなと思っています。日本では〈KATA〉でだけ売る予定です。

福間 : カナダで売り切れたら売れないですけど。

ながい : 結構な枚数作ったので、たぶんだいじょうぶ (笑)。

──〈KATA〉でのワンマンについてメッセージをお願いします

ながい : こんなに自由にやれることは珍しいので、Hammerを好きなひとはぜひ来てほしいです。

Hammer Head Shark - ‶ 月とおばけ ″ (live)
Hammer Head Shark - ‶ 月とおばけ ″ (live)

絶対に日比谷野音でやる、やるまでは終わらない

──今後の予定ですけど、みんなアルバムを待ってると思います

ながい : 準備してます。

──いつごろになりますか?

福間 : 来年には、ということで。

──最後にバンドとして、アーティストとしての野望を聞かせてください

ながい : 私は絶対にそれを実現させるって思っている景色があって。日比谷野外音楽堂で、ちゃんとひとがいっぱいいるなかで、これはもう自分の空想なんですけど、虹が出てて、ちょっと雨とか降ってて。雨と同時に自分の音楽を降らせるみたいなイメージが自分のなかでできていて。実現させるぞ、と思っています。

福間 : 僕も絶対に日比谷野音ですね。絶対にやるぞって思ってる。夏の終わりかけ、もしくはちょうど夏に片足突っ込み始めたくらいの時期で、まあ雨降ってきてほしいなって。やるまでは終わらない。フェスにもたくさん出たい。あと、ハイエイタスと対バンしたい。

藤本 : 絶対言うと思った、細美武士関連 (笑)。僕はワンマン・ツアーをしたいですね。ワンマン・ツアーをするというのはつまり地方にちゃんとお客さんが来るっていうことなので、難しいと思うんですけど。

──後藤さんは?

後藤 : 野望か…… いまみんなの話聞いてて、すごいなって思ってました。僕はないかもしれない。僕はひゆさんの行く方向に全部ついていくと決めているので、それ以外はあんまりないです。……フジロックに出たいです。

──あるじゃないですか (笑)

福間 : ステージは?

後藤 : グリーン。

福間 : いいね。

──皆さんにとってライヴはどんなものなのでしょうか?

ながい : 9月のJIGDRESSとのツーマンでも言ったんですけど、私は音楽でやりたいことがはっきりしていて、それは自分の居場所をつくりたいんです。そしてそれが聴いてくれるひとの居場所にもなってくれるとすごく幸せだと思ってます。そこにいてね、安心していいんだよ、って言いたい。私としてはそこが一番芯にあるつもりです。私自身は音像に包まれると本当に安心するタイプなので。自分の皮膚と音像の境目がなくなって自分がいてもいなくても許してもらえる状態になるのがすごく好き。

編集部注 : ツーマンのMCは下のニュースに掲載

Hammer Head Shark、10月に恵比寿ギャラリーKATAでワンマンライヴ開催を発表

──楽しさと緊張感、どちらが多いですか?

福間 : 藤本くんがソロを弾いてる瞬間はマジで楽しい (笑)。

ながい : そうだね。間奏入って、キターーー (嬉) ってなる。

藤本 : めっちゃ笑ってるもんな。

福間 : それで旭くんがギターに呼応して動き回ってるのを見て、楽しい。あの瞬間がいいよね。あれはもう全部自分たちのもので遊んでる。

──ありがとうございました。言い残したことは?

福間 : ひとつだけ。映画の主題歌をやりたいです。めっちゃやりたい。いまある曲の提供でも。お誘いお待ちしてます!

後藤 : よく思い出したね。俺、忘れてた。

編集 : 高田敏弘

DISCOGRAPHY

5th digital single ─この曲ができた瞬間が本当に気持ちよくて (Ba. 後藤)

4th digital single ─Hammerを好きなひととHammerとの繋がりができた曲 (Dr. 福間)

3rd digital single ─明確にここから録音物としての音像が違う (SprtGt. 藤本)

2nd digital single (2021年11月)

1st digital single (2021年8月)

1st mini album (2020年11月)

1st digital EP (2020年3月)

TOUR SCHEDULE

Next Music from Tokyo vol 16

Fri, Oct 4, 2024 - Toronto (Horseshoe Tavern)
Sat, Oct 5, 2024 - Toronto (Hard Luck Bar) [Sold Out]
Mon, Oct 7, 2024 - Montreal (Petit Campus)
Wed, Oct 9, 2024 - Vancouver (Red Gate) [Sold Out]
Thu, Oct 10, 2024 - Vancouver (Red Gate) [Sold Out]

Bands :
Hammer Head Shark
サバノオミソニー (Sabanoomisony)
Nikoん
Fallsheeps
Koutei Camera Girl Vier

Web : www.nextmusicfromtokyo.com

現地映像 (順次追加)

“echo” at The Horseshoe Tavern, Toronto

“魚座の痣” at Hard Luck Bar, Toronto

“りんごの駅” at Red Gate, Vancouver

LIVE SCHEDULE

Hammer Head Shark One Man Live
"into the marbles"

日程 : 2024年10月26日 (土)
会場 : 東京 恵比寿 KATA (LIQUIDROOM 2F)
開場 / 開演 : 18:00 / 18:30

チケット : ADV ¥3,300 (+D) / DOOR ¥3,800 (+D)
前売 : t.livepocket.jp/e/into_the_marbles

TOUR SCHEDULE

Hammer Head Shark × SuU
SPLIT TOUR『SLOW SWIM』

日程 : 2024年11月17日 (日)
会場 : 京都 Live House nano
出演 : Hammer Head Shark / SuU / 本日休演 (guest)

日程 : 2024年11月18日 (月)
会場 : 大阪 寺田町 Fireloop
出演 : Hammer Head Shark / SuU / すなお (guest)

日程 : 2024年12月22日 (日)
会場 : 東京 下北沢 DaisyBar
出演 : Hammer Head Shark / SuU

チケットぴあ :
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2435382
先行抽選受付 : 9月28日 (土) 15:00 〜 10月6日 (日) 23:59
一般 : 10月19日 (土) 10:00 〜

RELEASE INFO

『vase by the window』

リリース形態 : CD
※カナダ・ツアーと恵比寿〈KATA〉ワンマンで限定販売

収録曲 :
1. しんだことになりたい
2. アトゥダラル僻地
3. 綺麗な骨
4. Gummi
5. Blurred Summer
6. たからもの

PROFILE : Hammer Head Shark

東京を中心に活動。Vo./Gt. ながいひゆ、Dr. 福間晴彦、Ba. 後藤旭、SprtGt. 藤本栄太からなる4ピース・バンド。2018年末から活動を開始し、2019年8月に最初の作品となる1st EP『Baby youth』を2DK recordsからCDリリース。その後のメンバー変遷を経て、2022年9月に後藤が正式メンバーとなって以来、現体制で活動を続ける。2023年には〈ROAD TO JAPAN JAM 2023〉のグランプリを獲得し、5月に〈JAPAN JAM 2023〉にオープニング・アクトとして出演。毎年3月に自主企画〈魚座の痣〉を行い、ソールド・アウトしている。

X (Twitter) : @h_h_s_band
Instagram : @hammerheadshark_band
YouTube : @hammerheadshark2900

PHOTO GALLERY

この記事の筆者
高田 敏弘 (takadat)

Director。東京都出身。技術担当。編集部では “音楽好き目線・ファン目線を忘れない” 担当。

OTOTOY各スタッフ+αがそれぞれ選ぶ、2024年の10作品

OTOTOY各スタッフ+αがそれぞれ選ぶ、2024年の10作品

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.307 ロックだとかポップだとか

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.307 ロックだとかポップだとか

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.306 2024年リリースもライヴも良かったアーティスト

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.306 2024年リリースもライヴも良かったアーティスト

Hammer Head Shark──音像と皮膚の境目がなくなるとき、そこは僕と君の居場所

Hammer Head Shark──音像と皮膚の境目がなくなるとき、そこは僕と君の居場所

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.290 Please, Please, Please

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.290 Please, Please, Please

常に4人で面白いと思えるところへ──ANORAK!、試行錯誤で挑んだ“ダンス・ミュージック”

常に4人で面白いと思えるところへ──ANORAK!、試行錯誤で挑んだ“ダンス・ミュージック”

疑いながら答えを積み重ねていくdownt──自身を貫いた先で待つ名盤に向かって

疑いながら答えを積み重ねていくdownt──自身を貫いた先で待つ名盤に向かって

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.266 ロスレスをdigる

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.266 ロスレスをdigる

「ついに日本でやるんだ」──アジアの観客とアーティストたちが〈BiKN Shibuya〉で灯した光

「ついに日本でやるんだ」──アジアの観客とアーティストたちが〈BiKN Shibuya〉で灯した光

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.231 夏です

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.231 夏です

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.219 アズテック・カメラから、ウェブ経由、The 1975まで

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.219 アズテック・カメラから、ウェブ経由、The 1975まで

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.201 2022年をふりかえる

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.201 2022年をふりかえる

やりたいことが増えて満足してないです──バンドになったcolormalが目指す色彩と普遍

やりたいことが増えて満足してないです──バンドになったcolormalが目指す色彩と普遍

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.161 私立恵比寿中学と時と私

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.161 私立恵比寿中学と時と私

名盤を50年かけてでも作りたい──NaNoMoRaLが放つ、渾身の自信作『ne temo same temo』

名盤を50年かけてでも作りたい──NaNoMoRaLが放つ、渾身の自信作『ne temo same temo』

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.149 今年刺さった楽曲・アーティスト

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.149 今年刺さった楽曲・アーティスト

三方幸せな必然的邂逅──バンドとして深化したSACOYANSの2年間

三方幸せな必然的邂逅──バンドとして深化したSACOYANSの2年間

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.126 優しく力強い、確信

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.126 優しく力強い、確信

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.97 making our future

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.97 making our future

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.74 延期(中止)になったもの

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.74 延期(中止)になったもの

長期戦になるけど、またみんなに会うために──いまこそ下北沢にエールを!

長期戦になるけど、またみんなに会うために──いまこそ下北沢にエールを!

宅録とバンド、両岸を軽やかに渡り歩く喜びを分かち合う、colormal

宅録とバンド、両岸を軽やかに渡り歩く喜びを分かち合う、colormal

小樽発、plums──せめぎ合う3つの凛とした“メロディ”

小樽発、plums──せめぎ合う3つの凛とした“メロディ”

熊本発。3人のソングライターが織りなす透明感と強さ──Shiki

熊本発。3人のソングライターが織りなす透明感と強さ──Shiki

絡み合うふたりのヴォーカル。発見と驚き──メレ

絡み合うふたりのヴォーカル。発見と驚き──メレ

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.45 20年代の希望、ここにあります

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.45 20年代の希望、ここにあります

パンキッシュなアティチュードと甘美なメロディ、そして貫かれる美学──Waater

パンキッシュなアティチュードと甘美なメロディ、そして貫かれる美学──Waater

【REVIEW】The 1975 「People」、世界を驚かせた激情と抵抗

【REVIEW】The 1975 「People」、世界を驚かせた激情と抵抗

その天性のヴォーカルはあなたの心に痕跡を残すだろう──afloat storage

その天性のヴォーカルはあなたの心に痕跡を残すだろう──afloat storage

この記事の編集者

[インタヴュー] Hammer Head Shark

TOP