オルタナティヴなものをまた聴きたくなってきて。音として複雑なものっていいなと思って

──なんかライヴがないのにアグレッシブなアルバムになってるのが面白いなと思って。
櫻木 : 自分達が表向きに表現できないことへのフラストレーションがきっとあって。アグレッシヴなサウンドが出たんだろうなって気がしますね。抑制されてるから跳ね除けたくなる反動というか。
川上 : 自粛期間とか、雰囲気的に抑制されてる感じはあって。僕が思ってたのは反骨じゃないけどオルタナティヴなものをまた聴きたくなってきて。音として複雑なものっていいなと思って。
──ストレートなメロディのポップなものとかではなく、いろんな要素が入ってるって意味でのオルタナティヴ?
川上 : そうですね。あとは雰囲気、全体のイメージがエッジの効いたものが聴きたいなっていうのは反映されているのかな。みんな多分めちゃくちゃ作ってるだろうから埋もれないように…… というのはあるだろうし。いろんな覚悟を持って作った作品ではあったと思います。ちゃんとぶつけるというか。
──公開されたJackson kakiさんのMVの感じとか、もともと好きだと思うんだけど、今回はSF的なモチーフがあるのかなと思ったんだけど。なんというか個人的にはさっき仁也くんのところで出たサイケデリック感とかもそのへんかなとか。
櫻木 : "Aechmea"、 "Bend"がアルバムの中でいちばん古い曲で、その辺くらいからD.A.N.としてのSF感を音で表現したいっていう方向にフォーカスしていった感じがあって。そこからいろんなことができるようになっていった感じはあります。
市川 : 去年の年末あたりにコンセプト的なところとして、映画のイントロからアウトロを作るような、地球から宇宙に行くようなというのは話してましたね。まあ全然変わっちゃいましたけど。
──そこでの雰囲気は仁也さんの感覚が生きてきてるんじゃないかという気がしますけどね、
市川 : 自由にやれましたね。何ならベース弾かなくてもいいし。ライヴでやることを一旦考えずに作ってたので。エレキベース入れなくてもいいしチェロだけでもいいし、楽曲的に良ければシンセベースでも気持ちいいしみたいな。そこの選択をより自由にやれた。作りたいものに対して何が必要かってことをよりピュアに作れたのかなって気がします。イメージみたいな部分で作れた。
今回のアルバムは全体的になにが言いたいのかハッキリしてる

──あとはボーカリストとして変わった部分はあると思います?
櫻木 : 今までのボーカルのキャラクターを一回捨てて、曲に対してどういうアプローチが面白いかっていう感じで自分ができることをやろうっていう感じでした。UKグライムをしこたま聴いてたんで、どうしてもそういうリズムぽいアプローチだったりオートチューンを初めてやってみたり。
──1曲目とかそうですよね、トラップぽいのかなとか……。
櫻木 : いや、むしろジャパレゲぽくしたかったんですよ。あの臭さとダサさがパコーンとくる感じで。
──UKのベース・ミュージックからのラガっていうか、またそこでCHANGSIEさんのDJの感じが出てくる(笑)。いまレゲエ以外でバンドやってる人でジャパレゲとか、ラガとか言っているのあなただけでしょ。
櫻木 : そうですね、影響大きいです(笑)。河村さん的にはどれがよかったですか?
──1曲目と“Overthinker”かな、最後の“No Moon”も。やっぱりこのあたり曲を聴くと、既出のシングルの曲はセカンドからの間という質感がするよね。
櫻木 : リリースしてからこのアルバムまでに期間が開いちゃったのと、その間に自分達も制作面でスキルアップしていろんなことができるようになっていって。ただ、ああいう曲があってこの形になってるから、いいなと思う。
──前のアルバムは楽曲の良さをストレートに提示するものだったけど、今回はいろんな楽しめる要素を詰め込んで構築していくって感じがした。
川上 : 今までの曲って自分たちのなかで、ひとつ膜がかかってる感じがしちゃっていて。100%のイメージ通りにはどうしてもなっていなかったんだけど今回はそれがはっきりと出ている感じがして。高山さんのミックスも大きかったのかも。
櫻木 : 今回のアルバムは全体的になにが言いたいのかハッキリしてるみたいな感じですよね。ミックスも、何を聴かせたいかってところを的確に整理してくれた感じがしますね。
『No Moon』ハイレゾ配信中
TOUR SCHEDULE
D. A. N.
Tour 2021 “Antiphase Of The Moon”
11月05日(金)大阪 心斎橋 BIG CAT
OPEN 18:00 START 19:00(STANDING)
SMASH WEST 06-6535-5569
11月07日(日)名古屋 CLUB QUATTRO
OPEN 16:30 START 17:00(全席自由)
JAILHOUSE 052-936-6041
11月22日(月)仙台 Rensa
OPEN 18:30 START 19:00(全席自由)
Coolmine 022-796-8700
11月23日(火/祝)札幌 cube garden
OPEN 17:30 START 18:00(全席自由)
WESS 011-614-9999
11月26日(金)岡山 YEBISU YA PRO
OPEN 18:30 START 19:00(STANDING)
夢番地(岡山) 086-231-3531
11月27日(土)福岡 BEAT STATION
OPEN 17:30 START 18:00(STANDING)
BEA 092-712-4221
12月08日(水)東京 USEN STUDIO COAST
OPEN 18:00 START 19:00(STANDING)
HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
その他ツアーの詳細は下記、バンドの公式ウェブにて
http://d-a-n-music.com/
PROFILE
D.A.N.
2014年、櫻木大悟(Gt,Vo,Syn)、市川仁也(Ba)、川上輝(Dr)の3人で活動開始。2016年4月に1sアルバム『D.A.N.』をリリースしCDショップ大賞2017の入賞作品に選出。7月には2年連続でFUJI ROCK FESTIVAL’16に出演。2017年2月にJames Blakeの来日公演でO.Aとして出演。
4月にはミニアルバム『TEMPEST』をリリース。11月に初の海外公演をLONDONで行い、滞在中にはFloating Pointsのスタジオで制作活動を行う。現地のジャイルス・ピーターソンのラジオ番組〈Worldwide FM〉に出演しスタジオライブを敢行。2018年2月、UKのThe xx来日東京公演のO.Aを務める。5月にUK TOURを敢行し“THE GREAT ESCAPE’18″に出演。7月には2ndアルバム『Sonatine』をリリースしFUJI ROCK FES’18へ3度目の出演。9月からのリリースツアーは、上海、北京、深圳、成都、台北、高雄、バンコク、香港Clockenflap Fesなど出演含むASIA TOUR、日本国内9都市と全17箇所を巡り、ファイナルは初の新木場スタジオコースト公演をSOLD OUTで終える。
2020年は最新曲を、Mogwai、Airhead、食品まつりがRemixを手掛け3週連続でリリース。またユニクロやNOVAのCM楽曲や、Netflixで全世界配信された渡辺信一郎監督による「キャロル&チューズディ」の劇中楽曲の制作、D.A.N.として、UKのElder Island、カクバリズムのVIDEOTAPEMUSICのRemixを制作するなど外部の創作活動も精力的に行う。不定期で行う自主企画〈Timeless〉ではこれまでLAからMndsgn、UKからJamie Isaac、デンマークのErika de Casierなど海外アーティストを招聘して開催している。
D.A.N.
Daigo Sakuragi
Jinya Ichikawa
Hikaru Kawakami
■D.A.N.オフィシャル・サイト
http://d-a-n-music.com/