OTOTOYフジロック・ガイド2017ーーいま絶対に見ておくべきアクト21選

今年もこの季節がやってきた! 2016年に20周年を迎えた〈フジロック・フェスティバル'17〉。今年の開催も、いよいよ今月末に迫ってきました。OTOTOY恒例のフジロック・ガイドを今年もお届け。20年ぶりのエイフェックス・ツインの参加などが騒がれる中、「これは絶対にチェックしとけ!」的な海外アクトを一挙に紹介していきます。これだけ多様な音楽に触れられるのは、まさにフジロックならでは。大自然に囲まれて、美味しいものを食べながら、いつもと違う気持ちで音楽を楽しみませんか? それではライター・渡辺裕也による、今年のフジロックの見どころをチェック!
FUJI ROCK FESTIVAL '17
2017年7月28日(金)、29日(土)、30日(日) @新潟県 湯沢町 苗場スキー場
時間 : 開場 9:00 / 開演 11:00
料金 : 3日通し券 43,000円 / 1日券 19,000円
出演 : 国内外約200アーティスト
詳細 : http://www.fujirockfestival.com/ (オフィシャル・サイト)
渡辺裕也がセレクトする、〈フジロック '17〉これだけは押さえろ!!
いよいよ開催が迫ってきたフジロックフェスティバル'17。今年は総勢232組のアーティストが出演。すでにチケットを手にした方は、今ごろタイムテーブルとにらめっこしながら3日間に思いを巡らせていることでしょう。今回はそんな豪華ラインナップのなかでも、2017年の今こそ絶対に見ておきたい出演アクトをピックアップ。直前の予習はこれでバッチリ。ぜひ、試聴しながら読んでみてください。
DAY 1

GORILLAZ(Green Stage 21:30~)
今年のフジ最大の目玉といえば、当然ゴリラズ。約6年ぶりの新作『ヒューマンズ』をリリースしたばかりの彼らは現在、絶賛ワールド・ツアー中。しかも、どうやら今回のツアーにはヴィンス・ステイプルスとダニー・ブラウンも帯同しているとのこと。どちらも活躍ぶりがめざましいラッパーなだけに、ここはぜひ苗場にも来てほしい(おなじく新作に参加していたRAG'N'BONE MANとの共演もあるか?)。なにはともあれ、巨大スクリーンを駆使したヴァーチャルなパフォーマンスは必見。
FATHER JOHN MISTY(Field of Heaven 18:10~)
レディ・ガガやビヨンセにも楽曲提供するなど、いまやアメリカを代表するシンガー・ソングライターとなったファザー・ジョン・ミスティ。そんな彼の最新作『ピュア・コメディ』は、70年代ウエストコースト・ロックの伝統を受け継ぎながらも、現代社会をアイロニーたっぷりに描いた、ぶっちぎりの大傑作。そしてこのアルバムを引っさげてのライヴ・パフォーマンスがまた、とんでもないことになっている。1日目に足を運ぶなら、この壮大なステージングを見逃す手はない。
THE xx(Green Stage 19:20~)
今年1月にリリースされたサード・アルバム『アイ・シー・ユー』は、全米チャートで2位を奪取(英国ではもちろん1位)。地元ロンドンのブリクストン・アカデミーにて行われた7日間連続公演も瞬時にソールドアウトし、名実ともに現代屈指のバンドへと成長したThe xxが、いよいよグリーン・ステージに登場する。あの素晴らしかったホワイト・ステージでのライヴから4年。彼らがどこまでスケールアップしているのか、とにかく楽しみ。
SAMPHA(Red Marquee 20:30~)
ドレイク、カニエ・ウェスト、ソランジュ、フランク・オーシャンといった大物への客演で名を上げてきたサンファも、今年はついにデビュー作『プロセス』を発表。次世代のUKシーンを担うシンガーとして、早くもその評価を確固たるものとしつつある。今回のフジロックではライとQOTSAの同時間帯という、かなり厳しいスロットではあるが、その美声とピアノを基調としたミニマムなサウンドは、間違いなく絶品。ここはなんとかして駆けつけたい。
RHYE(Field of Heaven 20:20~)
マイク・ミロシュとロビン・ハンニバルによるデュオ、ライはつい先ごろにシングル「プリーズ」をリリース。ミロシュの官能的でエレガントな歌声と、ナマとエレクトロニクスを交ぜた優雅な演奏はもちろん健在。4年ぶりの本格的なカムバックを静かに伝えてみせたばかりだ。おそらく今回の公演では、その「プリーズ」はもちろん、きたるべきニュー・アルバムを予告するようなパフォーマンスにもなるのではないかと期待。
QUEENS OF THE STONE AGE(White Stage 21:00~)
あのアークティック・モンキーズが羨望し、イギー・ポップの最新作ではプロデューサーとして指名したジョシュ・オムこそ、ここ15年のロック・シーン最大のカリスマ。そんな彼が率いるQOTSAの最新作『ヴィリアンズ』は、なんとあのマーク・ロンソンが手がけているとのこと。今回の公演ではその全容をいち早く体感できることになりそうだ。ちなみにこの人たちはフジロックで2回、サマソニで1回ドタキャンした過去あり。今回こそ頼みますよ、マジで!
ARCA DJ & JESSE KANDA AV(Red Marquee 00:00~)
今年の大本命はビョークというあなたに、「アルカって誰?」とは言わせない。そう、この人こそビョークの最新作『ヴァルニキュラ』の共同プロデューサー。その他にもカニエ・ウェストやFKA・ツイッグスらに先鋭的なトラックを提供してきたアルカが、今回はヴィジュアル・アーティストのジェシー・カンダとともにDJ&AVセットを披露。自身のサード・アルバム『アルカ』がこれまでになくポップで開かれた内容だっただけに、この日のパフォーマンスには否が応でも期待が高まる。
DAY 2

LCD SOUNDSYSTEM(White Stage 22:00~)
フジロック史上最高のライヴとして、2010年のLCDサウンドシステムを挙げるひとは少なくない。そんなLCDサウンドシステムがついに再結成。そして、いよいよフジロックに還ってくる。場所はあのときとおなじくホワイトステージ。しかも、今回はヘッドライナーとして。もちろん9月1日にリリース予定の新作『アメリカン・ドリーム』の楽曲もいちはやく披露されるだろう。伝説が7年ぶりに塗り変わる瞬間を見逃すな。
APHEX TWIN(Green Stage 21:00~)
ずいぶん音沙汰なかったのが一転、2014年に13年ぶりの新作『サイロ』を発表して以降、怒涛のリリース・ラッシュを続けているエイフェックス・ツイン。相変わらずこの人はなにを考えているのかわからないが、なにはともあれ20年ぶりのフジロック降臨である。そう、つまりは第1回以来の出演ってこと。エイフェックス・ツインについてはこちらの記事に詳しいので、併せてぜひチェックを。
フジロックいく人も、行かない人、これぐらい聴かなきゃ! エイフェックス・ツイン過去名盤一挙配信開始!
THE LEMON TWIGS(Red Marquee 17:50~)
これほど強烈なインパクトを放った新人バンドも久しくいなかったし、今年2月の初来日公演があまりにもすごかった! と語り草になっているだけに、フジロックでの再来日決定は本当に嬉しい。70年代のブリティッシュ・サウンドを取り込んだ米国出身の兄弟デュオという、音楽的な佇まいもさることながら、その華やかなルックスにおいても新世代のスター感バリバリ。レモン・ツイッグスは間違いなく将来のヘッドライナー候補だ。それだけに時間帯がデス・グリップスと重なっているのは悩ましい…。
TEMPLES(Red Marquee 20:00~)
ここ何年か英国ギター・バンドのシーンは不調が続いていたが、テンプルズだけは例外的な存在だった。そして2017年、ここにきて俄かに騒がしくなってきた英国インディ。そんな状況下で発表された彼らのセカンド・アルバム『ヴォルケーノ』は、間違いなく今年のベストに挙げられる1枚だ。土曜の夜8時、オザケンを見に来た方はホワイト・ステージへ。そうでない方は全員レッド・マーキーに集合でお願いします。
THE AVALANCHES(Green Stage 16:50~)
昨年は残念ながら出演キャンセルとなったアヴァランチーズ。もし実現していたら、じつに16年ぶりのアルバム『ワイルド・フラワーズ』の発売直前というタイミングだったわけだが、あれから1年。はやくも彼らのリヴェンジ公演が決まった。新作の聴き込みはもうバッチリ。サンプリング・ミュージックの金字塔『シンス・アイ・レフト・ユー』に関しては、もはやいつでも脳内再生できるくらいだ。さあ、いよいよアヴァランチーズがやってくる。
THE MARCUS KING BAND(Field of Heaven 17:10~)
「デレク・トラックス以来の逸材」とも言われるマーカス・キングは、いまだ21歳の天才ギタリスト。凄まじいギター・プレイもさることながら、そのしゃがれた歌声も魅力的な彼は、必ずやオーセンティックなブルースのシーンを牽引してゆく存在となるだろう。ちなみに彼は1日目深夜のクリスタル・パレスにも登場するので、ここは足を運びやすいほうに、ぜひ。
Declan O’Donovan(Gypsy Avalon 19:30~)
その酔いどれピアノマン的な佇まいがトム・ウェイツを想起させるカナダのシンガー=デクラン・オドノヴァンは、5年ぶりとなるアルバム『ブロークン・スカイ』をひっさげてフジロックに登場。しかも、今回は初日にカフェ・ド・パリ、二日目はギプシー・アヴァロンと、2度にわたって出演する。今のところ知る人ぞ知るシンガーなだけに、ここでのパフォーマンスで人気に火がつく可能性は大。
DAY 3

LORDE(Green Stage 18:50~)
昨年のブリッド・アウォードでデヴィッド・ボウイの追悼パフォーマンスを披露したのが、他ならぬ彼女。生前のボウイも彼女の歌を聴き、「明日(の音楽)を聴いているようだ」と語っていたという。フィメール・ポップ・アイコンが時代をリードする2010年代において、今その先頭に立っているのは間違いなくロードなのだ。今年6月に発表したセカンド・アルバムは、見事に全米チャート1位を獲得。3年前の初来日公演は本当に感動的だったが、今回のステージはきっとそれを凌ぐものになるだろう。
MAJOR LAZER(White Stage 22:00~)
ディプロ率いるメジャー・レイザーは、09年にもフジロックに出演している。その時点で人気プロデューサーとしての地位を確立していたディプロは、その後もダンス / エレクトロニック・シーンの最前線を走りつづけ、2017年にまたしてもキャリアハイを更新しようとしている。噂されるアルバム『ミュージック・イズ・ザ・ウェポン』のリリースはまだのようだが、とりあえず現時点で発表されているシングルはすべて完璧。彼らのパフォーマンスを体感せずして、今年のフジロックは終われない。
THUNDERCAT( Field of Heaven 21:00~)
日本(のアニメ)大好き。そしていまやその日本でも確固たるファンベースを築いたかのように思える、最強のベーシスト=サンダーキャット。しかし、さすがに彼もビョークの裏という時間帯には苦戦を強いられるかもしれない。思えば4年前、おなじくヘッドライナーとしてビョークが歌っていた時、その裏でライヴをしていたのが、サンダーキャットともつながりの深いケンドリック・ラマーだった。ここはぜひ、満員のオーディエンスでサンダーキャットを迎えたい!
おとぼけビ~バ~(Rookie A Go Go 23:00~)
おとぼけビ~バ~の快進撃が止まらない。イギリスのインディ・レーベル〈Damnably〉からリリースしたシングル「ラヴ・イズ・ショート」は、なんとUKチャートに連続ランクイン。アメリカの有力メディア〈ピッチフォーク〉でも紹介されるなど、まさに英米で話題沸騰中の彼女たち。京都から世界へ。今回のルーキー・ステージはまだまだ序章。この4人が海外の大型フェスを席巻する日はそう遠くないのかもしれない。
REAL ESTATE(White Stage 12:30~)
結成当初からバンドを支えてきたリード・ギタリストが脱退し、その後に新メンバーが加入しても、バンドの音楽性が揺らぐことは一切なし。ということを彼らの新作『イン・マインド』は見事に証明して見せた。同時期にデビューした北米インディ勢が時代の流れとともにそれぞれ変化を余儀なくされてゆくなかで、このバンドの不変ぶりはちょっと驚異的ですらあるし、そのソフトサイケなアンサンブルの妙義は普遍の域に入りつつある。
BONOBO(White Stage 17:40~)
エレクトロニック・ミュージックの個人作家でありながら、同業のプロデューサーたちからはもちろん、英国のインディ・バンド界隈からも支持されるボノボ。いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャン的なところもある人だが、そんな彼の最新作『マイグレーション』は全英5位を記録。そして、今回は待望のバンド・セットがここ日本で初披露される。海外でのライヴ映像を見る限り、これはかなりスペシャルなパフォーマンスが期待できそうだ。
TROMBONE SHORTY&ORLEANS AVENUE(Field of Heaven 18:50~)
ジャズやファンクに限らず、北米のポップ・シーンにおいてもプロップスの高いトロンボーン奏者といえば、この人。過去にはレニー・クラヴィッツにバンド・メンバーとして起用され、今年はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの北米ツアーにオープニング・アクトとして抜擢されるなど、その評価は高まるばかりだ。フジロックへの出演は7年ぶり。さらにグレードアップしたパフォーマンスを披露してくれるだろう。
FUJI ROCK FESTIVAL '17
2017年7月28日(金)、29日(土)、30日(日) @新潟県 湯沢町 苗場スキー場
時間 : 開場 9:00 / 開演 11:00
料金 : 3日通し券 43,000円 / 1日券 19,000円
出演 : 国内外約200アーティスト
詳細 : http://www.fujirockfestival.com/ (オフィシャル・サイト)
その他の出演アーティストの音源は下記から購入可能!!