2016/03/04 16:52

札幌から、LessThanTVの新たな怪電波!! ── ColorMeBloodRedのアルバム配信&インタヴュー!!

日本が誇る天衣無縫のインディペンデント・レーベル〈LessThanTV〉。札幌からの怪電波!! 自称“パゥワーヴァイオレンス・サウンド”を名乗る4人組、その名もColorMeBloodRed!! 2005年に結成され、ヴォーカルのパート・チェンジなどを乗り越えながら自主でのデモ音源を発売。2014年には関東でのライヴに合わせて初のプレスCD『ぐるぐる EP』、2015年には同郷のハードコア・バンド、MosomosOとのスプリット・アルバムのリリースなど精力的な活動を行うなか、ついに待望のフル・アルバムをリリース!! ヘヴィさ皆無な音に80年代のプリミティヴなハードコアの感覚を、キテレツな展開をねじ込みまくった曲調に90年代を感じさせながら、そこにプロデューサーであるレーベル・ボス、谷ぐち順が注ぎ込んだLessThanTVのエッセンスによって、他に代わりの効かないサウンドに仕上がり、現行のパワーヴァイオレンス・シーンとは逆行するような作品に!! OTOTOYでは単曲100円、アルバム1000円とお求めやすい価格で配信。そして今回のリリースにあたり、メンバー全員とレーベル・オーナーである谷ぐち順にメール・インタヴューを行った。


ColorMeBloodRed / LESS THAN CD
【配信形態】
16bit/44.1kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC / MP3

※ファイル形式について

【価格】
アルバム価格 1,000円(税込) / 単曲 100円(税込)

【収録曲】
01.DEFECATE / 02.PLAY FAST! HAVE FUN! MORE BEER! / 03.SEA BREEZE MERMAID / 04.TURBO DENTAL CLINIC / 05.KISS ME / 06.USJ / 07.ELEPHANT / 08.PICKUP TRUCK / 09.TICKLE / 10.DEVIL’S WHISTLE / 11.SKATEBOARD / 12.POTATO CHIPS / 13.OPEN



>>アルバムより、5曲目「KISS ME」の無料配信が決定!!

(※2016年3月4日〜2016年3月11日23:59まで)

INTERVIEW : ColorMeBloodRed

アルバムを再生すると嵐のように過ぎ去っていく13曲13分。バンド・メンバー全員とレーベル・オーナーである谷ぐち順を交えて行われた数日に渡るメール・インタヴューは、今回のリリースに至るまでやバンドの歴史を紐解いていった結果、アルバムのサウンドとはうって変わってどこかエモーショナルな内容に。取材をして改めて気付かされたのは、ハードコアとは人と人を繋いでいく音楽なのだなということ。バンドとしても初となる今回のインタヴュー、ぜひ一読を!!

インタヴュー & 文 : 高木 理太

レスザンから音源をリリースできるなんて今だに信じられない

──アルバム・リリースおめでとうございます! ! 今までデモ音源は自主、そして去年リリースした同郷のMosomosOとのスプリットは高知のレーベル、男道からのリリースでしたよね。そこから今回レスザンからアルバムがリリースされることになった経緯はどのようなものだったんでしょうか?

コモリ(Dr.) : デモに関して自主だったのはこだわりとかではなく、1番早く動けるのと、どこからも声がかからなかっただけで(笑)、男道からのリリースはMosomosOのヴォーカルのdEmくんが動いてくれたのとレーベル・オーナーの井上さんの英断のおかげですね。今回のリリースは2013年9月に札幌でLimited Express(has gone?)と共演して、14年の9月に谷さんに誘ってもらい、関東でライヴ3連チャンをやって、そのあたりでどこか気に入ってもらえたとこがあったのかなあと。

──そのあたり、レーベルオーナーの谷ぐちさんはいかがですか?

谷ぐち順(以下、谷ぐち) : 最初に共演した札幌でColorMeBloodRed(以下、カラーミー)とモソモソを初めて観て、こいつはめちゃくちゃカッコイイぞ! と思い、もし東京に来ることがあったらオレ企画します! って話したのが始まりだったと思います。そのあとは… 忘れました (笑)

コモリ : 谷さんから最初に東京での企画オファーの話しを貰った時は、社交辞令に違いないと自分に言い聞かせたんですが、14年の3連チャン(レスザン企画・高円寺ドムスタ・ぐるぐる回る)が決まった時は動揺しました。その時にタカハシくんが東京にいる間ずっと谷さんの家に泊めてもらって、息子の共鳴くんと仲良くなったのが、決定打かなと個人的には感じてます(笑)。

谷ぐち : (笑)。共鳴からの強力なプッシュがあったことは確かですね。あの3日間は本当に最高で。家に泊まってた高橋くんが、最後帰るときに泣くという(笑)。締めまで完璧でした。

タカハシ(Gu.) : もともと泣き虫なんですが、あの3日間は感情的になりすぎてなにかあるたびにほぼ泣いてましたね。帰るときは共鳴くんでさえ泣くの我慢してるのに、自分が泣いているのが恥ずかしくて(笑)。怒涛の3日間の最後の最後、谷ぐちさんが朝仕事行く直前に、「レスザンからリリースしよう」って言ってくれて、余計泣けてしまいわけがわからなくなりました(笑)。

──なんて素敵な話(笑)! タカハシさんと共鳴くんの友情がレスザンからのリリースに繋がったんですね。そこから本当にアルバムのレコーディングが実現していくわけですが、レコーディングのことについて伺っても良いでしょうか?

タカハシ : レコーディング日程は、去年の8月末に行われたメテオティックナイト小岩に出て、翌日レコーディング、次の日ミックス、というこれまた怒涛の3日間で大変緊張しました….。あと、エンジニアの松本さんと谷ぐちさんの関係性が、お互いすごい信頼しあっているのが伝わって、こっちも良い作品を作らねば! という気持ちになりました。

コモリ : 日程的にかなり過酷でしたね。スプリット2つとアルバムのリリースとあった為、かつてないペースで新曲を作りました。アルバムのうち4曲位は、ほぼ4人全員でスタジオで合わせる事なく録音に突入しました(笑)。あと、40歳を過ぎて会社に虚偽の報告をして、初日の録音に挑んだ事には未だに心が痛みます(笑)。2日目は残りのメンバーと谷さん、松本さんに全てを委ねて、自分とミヤコだけ先に札幌戻ったのも申し訳なかったなと。あとは慣れない本格的な録音環境に各メンバーが緊張を隠し切れていなかったこと(笑)。普段はいつものリハスタでMTRをドラムの横に置いて自分が操作しながらの緩い録音なんで、モニター用のヘッドホンだけで動揺してました。

ハットリ(vo.)、コモリ(Dr.)、タカハシ(Gu.)

ミヤコ(Ba.) : レコーディングは本当緊張しまくって、とにかく無我夢中だったので今も記憶が曖昧です。緊張しすぎて体調がおかしくなり(笑)、次の日のミックスには参加出来ず皆さんに迷惑をかけてしまいましたし。途中でユカリさん(Limited Express(has gone?) / ニーハオ! )と共鳴くん、VOGOS、urghのメンバーとかが遊びに来てくれた事で少し緊張がほぐれた上に、コーラスで1曲参加してもらったのが凄く嬉しかったです。タカハシくんも言っていましたが、今回の音源は谷ぐちさんとエンジニアの松本さんのおかげで出来上がった作品だと思ってます。レコーディングの時の谷ぐちさんと松本さんの発言が本当に的確で、密かに感動してました。凄い人にレコーディングしてもらってるんだなぁって。恐れ多くて殆どお話出来なかったのですが、おふたりには本当に感謝しています。レスザンから音源をリリースできるなんて今だに信じられないです。タカハシくんの泣きのおかげですね(笑)。

ハットリ(Vo.) : レコーディングは緊張したんですけど、いろんな人が遊びにきてくれて雰囲気がよかったので楽しかったです。お菓子食べたり共鳴くんと遊んだりしてたら気持ちがほぐれました。レコーディングが終わって、谷ぐちさんの家で食べた、茹でたてあつあつのとうもろこしがすごくおいしくて夏を感じたのがすごく記憶に残ってます。

速くて短いのは単純に興奮します。炭酸飲料のシュワッとした感じがして。

──ハードな録音スケジュールながら、とても充実したレコーディングだったのが分かりました。リリースが立て続いて新曲を作るペースが… という話がコモリさんからありましたが、普段、曲作りはどのように進んでいくのでしょうか?

コモリ : 寝る前に枕元にNO COMMENTの編集盤LPとC.F.D.L. / SPAZZのスプリット7インチを置いて、アイディアが降りてくるまで眠ります(笑)。というのは冗談ですが、実際はドラムとベースで骨組み作ってスタジオでタカハシくん、ハットリくんに投げるパターンと、タカハシくんが作ってくるパターンと、最近ではハットリくんが楽器使わずに口頭でイメージ伝えるパターンも出てきました。個人的には必ず1曲に1回はムダに速いパートをブチ込むのと、コーラス・パートは作らないというのを掲げてきましたが、今回ミヤコ作による「USJ」という曲でアホかという程コーラス入ってます(笑)。

タカハシ : アルバムに入ってる「SEA BREEZE MERMAID」は、たまたまミヤコさんがスタジオ欠席だったときに3人で「こんな感じで」って10分くらいで出来上がりました。ベーシックですでにありえない! っていう展開だったりありえないくらいの速さだったり(笑)するので、ギター乗せるときには更にありえないものをコード進行とか拍子とか度外視して、自分がかっこいいと思うリフかつメンバーを爆笑させるリフを半ば無理矢理突っ込んでいます。

──コモリさんからの返信にもあるように、NO COMMENTやC.F.D.L.、SPAZZなんかの90's感が出まくってる音だなという気がしてるんですが、やはりそこは意識してますか? 現行の重ためでブルータルなノリのハードコアバンドが多いなかで、このサウンド感も意図的なものなんでしょうか?

コモリ : 一般的に考えると良くないんでしょうけど、タカハシくんが言ってるように基本的にあまり意識が外に向いてなくて、お披露目した時にいかにメンバーを爆笑させるかみたいな価値観で曲作ってる部分は強いかも。面白おかしくしたり、小細工したりとかいう意味ではなく、「なんでその展開? 」とか「なんでそこから更に速くなるの? 」とか「サビ的な部分どこ? 」みたいな。その上で、各メンバーが気に入ったものをライヴとか音源で披露して100人中2人位に引っ掛かってくれたらいいかな? 程度のスタンスです(笑)。

タカハシ : 90'sのパワーヴァイオレンスはメンバー全員共通して好きなので、90's特有の唐突な力技に近い奇跡の展開とか、スローパートからのブラストビートとか、何かしらの影響は出てるかと思います。それプラス、楽器隊3人のひねくれた趣味が混ざって破綻した曲にハットリくんの発狂スロートが乗らないと落ち着かないというか。個人的には現行のハードコアは大好きで、A389やYouth Attack、To Live A Lieなどのレーベルの現行バンドも大好きなんですが、それをそのまま演っても面白くないというか意味がないなって。サッカーとかと一緒で、自分オリジナルのフェイントとかトリック考えて、メンバーから「何それ!? 」って爆笑されないと満足いかないですね。

ハットリ : 自分がカラーミーに入った当初、ヴォーカルどんな感じで入れましょうか、ってコモリさんに聞いたら「ハットリくんは自由担当だから自由で」って笑顔で言われて(笑)。それは楽しいなあと思いまして。なので、自分は3人の演奏に興奮して大声だしてる感じです。どさくさに紛れて騒いでる感じです。新曲ができたら、その日はじっくり聴いて、翌週に騒ぎに参加することが多いです。みなさんいい曲作るんですよ〜。

コモリ : ゴリゴリの現行パワーヴァイオレンスの方々に申し訳ないんで、「パゥワーヴァイオレンス」を自称したりしてますが、結局サグいメンバーもギャングなメンバーもいないんで、どう転んでも重さとか悪さ、ブルタリティーには繋がらないんすよね(笑)。本場のバンドのスタイルを、日本で上辺だけ掠め取っても何もおもしろいものが出来ないと個人的には思ってるので。メンバー1人女性もいるし男3人もどっちかと言うとナード寄りな雰囲気だし(笑)。この4人のメンバーで出来る事を自分達のフィルター通して抽出すると、今みたいなスタイルにならざるを得ない。世間一般で言われてるところのゴリゴリしたバンドならではの「カッコ良さ」とか「威圧感」みたいなものとは正反対のところにいたいというのはあります(笑)。あと、単純に自分がおっさんで、多感な時期に90年代を過ごしたというのは大きいかも。

ハットリ : パとワの間の「ゥ」は重要ですよね。

コモリ : よりネイティヴっぽく、より抜けた感じで。皆さんはパワー(ヴァイオレンス)でしょうけど、我々「パゥワーヴァイオレンス」ですから大目に見てくださいね、的な。

タカハシ : パワーヴァイオレンス特有の、身の危険を感じるほどのライヴ現場のヤバい雰囲気とか、悪さとか、憧れはありますが、どう足掻いても自分とはかけ離れているし、無理に強がっても仕方ないかなと。コモリさんが言うように、基本的にナードなので。普段の仕事とか生活とかでの不満とか気に入らないこととかは誰でもあると思うけど、ライヴハウスの中でも囲いを作って、ある一定の人しか受け入れないような環境にしちゃうことをハードコアだと履き違えているのであれば、自分たちの好きなハードコアの要素とは全く違うものだと言えます。誰でも参加することができて、色々な表現方法ができるのがハードコアの自由な部分だと思います。自分たちのことを、「こんなんパワーヴァイオレンスじゃねえよ! 」とか「ハードコアじゃねえよ! 」って思う人がいるんじゃないかなと思いますが、こんな意味不明でわけのわからないハードコアもあってもいいでしょ? って、今回レスザンに背中押してもらえたようで、本当に嬉しいです。

──みなさんの話を聞いて、カラーミーらしさというのがとても腑に落ちました。カラーミーは結成が2005年で、そこからヴォーカルチェンジなどがありましたが、いわゆる黎明期のカラーミーというのはどんな感じだったんでしょうか?

コモリ : 当時札幌でMOTIVELESSというグラインドコアのバンドが出てきて、久々に速くてカッコ良いバンド出てきたなあと思って、彼らと対バンできる様な速いヤツ始めたくなったのが、きっかけで。最初はHIRAXみたいなアホなスピードメタルかクロスオーバーみたいな感じにしたくて、叩けもしないツインペダル買って。大学の音楽サークルの後輩にあたるタカハシくんが当時まだ学生だったんで、速いの演るからメタルギター弾ける人いたら紹介してって頼んだら何故か本人が立候補してくれたという(笑)。そこで自分の計画は早くも挫折、何故なら彼はメタル要素ゼロの超オルタナギタリストだったので。ベースはミヤコで決定してて、彼女の要望でヴォーカルは「アメリカ人のオタクみたいなキモいルックスの人が良い」という事で、以前ミヤコと一緒のバンドでドラム叩いたりしてた菅原くん(現urgh)に決まりました。楽器隊は今と変わらず、ボーカルだけその初代菅原くんの4人でしばらく細々と活動してました。

ミヤコ : ちょっと待って、その表現は菅原くんに失礼でしょ(笑)。確か、太ったアニメ・オタクっぽい人をヴォーカルにしたいって言ったような。まぁ殆ど一緒ですね(笑)。タカハシくんに誰かいないか相談したら「それって菅原さんって事じゃないですか? 」って言われて爆笑したような。

タカハシ : まんだらけとか、とらのあなだとか、そういう人が居そうなとこにみやこさん偵察に行ってましたよね(笑)?

ミヤコ : 行った気がする(笑)。

ミヤコ(Ba.)

タカハシ : まあ結成に至るまではそんな感じです。なんで自分で立候補したのか覚えてませんが、自分が加入した時点で最初のコンセプトはすでに崩壊していたと(笑)。最初から自由に弾かせてもらってましたからね。でも、最初は今より速くなかったんじゃないかなと思います。あと曲も今より長かったですね。

ミヤコ : 菅原くんが東京に転勤になって脱退してしまったのはショックだったけど、そこからハットリくんが加入した事はかなり転機になりましたよね。作る曲調が変わって前より速くて短い曲が多くなったり、初期の頃は年に数回しかなかったライヴが1ヶ月に3本とか1日に2回とか誘ってもらうようになったりとか。ムードメーカー的な感じでいつも和ませてくれるし。ハットリくんの影響力は大きいと思います。

──最初のコンセプトが早い段階で壊れて(笑)、そこから今の早いスタイルになっていたのには、ミヤコさんの話を聞く限りハットリさんの影響というのも大きそうですが、他に何か要因はあったのでしょうか?

コモリ : コンセプト倒れにはなりましたが、「速い」バンドというのはブレてなかったんで、菅原くん~ハットリくん時代通して速いのは速かったはず。ただ自分のドラマーとしての力量が低過ぎて(笑)、今でも理想には程遠い感じ。菅原くん時代はオブスキュアかつスカム期で、曲も2分半とか長かった。ハットリくん自体がキャッチーな存在なんで合わせてったら自然と曲が1分前後位になって繰り返しのパートがどんどん無くなっていった(笑)。そういう意味ではヴォーカリストの存在って凄いなと。

ハットリ : スガワラさんの頃も速くて、自分が最初にライブを見た時はSIEGEを感じました。空手着(柔道着に見えた)を着て謎のダンスをしつつ絶叫するスガワラさんは強烈で見てて楽しかったなあ。話したらこれがまたおもしろい人で、東京に行くって知った時は本当に残念でした。「貴重な人がいなくなってしまう! 」と。誰ヴォーカルになるのかなと思ってたところ、予定が決まっていたライブになんと自分が出ることに。1回限定のつもりだったんだけど、楽しかったのでそのままメンバーになりました。暑い夏だったなあ。スガワラさんが凄かったんで自分なんかでいいのかなとか考えましたが、軽い感じでピョコピョコ楽しくやってます。速くて短いのは単純に興奮します。炭酸飲料のシュワッとした感じがして。いろんな味、いろんな色の炭酸飲料を小さい缶で気軽に楽しみたいです。

タカハシ : 菅原さんが脱退したあとハットリくんが入るまでの期間は、楽器3人でスタジオで曲作りしていたんですが、菅原さんが抜けた悲しみでとても暗かったですね(笑)。菅原さんのキャラが強烈だったので、新しいヴォーカルには周りの人も自分たちもどうしても期待してしまうと思うんです。それをハットリくんは一回目のライブで軽く吹っ飛ばしてくれました。ハットリくん加入後初ライブの映像観ると、すでにスタイルが確立されてる。自分もハットリくんとは一緒にバンドをやるまで話したことも無かったんですが、ハットリくんが加入したことで確実にバンドには自由さと身軽さが増したと思います。楽曲にもそれが良い意味で影響してて、より重苦しくない感じで速くてやかましい1分の曲、っていう今のスタイルが出来たんじゃないかなーと思います。

コモリ : 誘ったきっかけは、ハットリくんがやってる別バンドのMEAT COPを初めて観た時に派手なカラータイツみたいなの履いて、訳わからない音楽やってる人がいてキャッチーだなあとは思ってて。その後お互い客としてライブ観に来てた時にステージ前での客としての盛り上がり方もカッコ良くて、菅原くん脱退後の穴開けられないライヴの1回だけのつもりで誘ったんですけど、練習からしっくり来ちゃって、本番も凄い良くて。その日の打ち上げの席で、3人一致でダメ元で加入お願いしたらOK頂きました。

ライヴハウスで見て体感した、トラウマ並みのオリジナリティ

──カラーミーを含め、北海道、札幌という場所は昔も今も、芯のあるカッコイイバンドが沢山いるなぁと感じるのですが、自分たちの立ち位置や、今のシーンの状況を教えてください。

タカハシ : いまだに現役でめちゃくちゃヤバい音を出している40代もいれば、まだ20才そこそこでめちゃくちゃかっこいいバンドもいます。日本のハードコアの歴史を語る上で重要なバンドが札幌にはたくさんいると思いますが、残念ながら自分がライヴハウスに通うようになった頃にはほとんど解散してしまっていて。ただ、自分が札幌のバンドにのめり込んだ要因は、過去のバンドの音源からではなく、その時ライヴハウスで見て体感した、トラウマ並みのオリジナリティ溢れまくりのヤバさなんですよね。そして、今考えればその時見たバンドって札幌のハードコアの歴史をいまだに牽引し続けてる人たちばかりなんですよ。その人たちがいまだにヤバい音で現役でやっているというのはすごく嬉しいですね。自分はそのちょうど間くらいなのでどっちもいっしょにやる機会が多くて、若き才能への嫉妬と、いつまでも到達できない円熟さと歴史の重みにいつも凹む反面、関係ねぇ! と思っちゃいますけど(笑)。でもコモリさんって完全にその歴史の渦中の人じゃないですか(笑)。そんな人と一緒にこんなことをやっているっていうのが最大の意味なのかなと個人的に思います。

コモリ : 我々の立ち位置、無いに等しいです。若者達からは舐められ、先輩達からは蔑まれ、お客さん達からは構われず(笑)。ただこういう音楽性の割には多彩なジャンルから誘って貰う機会が多くて楽しいすね。基本どこ行ってもアウェイ感満載なんですが、そんな中で1人か2人にでも刺さった感じがあればしてやったりです。昔程ライヴ行ったりしないんで良くわからないですが、下手したら自分と親子レベルで年齢違う若いバンドにカッコ良いのが多いなと。THE SLEEPING AIDES AND RAZORBLADES、3rd happy hardgore、認めたくないけど最近のthe HATCHとか。あと年齢近めだと、やはりMosomosOにはシンパシー感じます。同世代とか先輩で残っているバンドはもう研ぎ澄まされたとこしか残ってないんで言わずもがな。自分が関わっているのは北海道の中でも極めて少数派の界隈ですが、比較的ジャンルに拘らず風通し良い感じで楽しいです。今40代半ばで、20数年札幌でバンドやってきましたが、正直いまのカラーミーの活動が1番楽しいです(笑)。キャリアに甘えて若手に威圧感与えるのだけが楽しみみたいなクソ老害にだけはなるまいと日々自分を戒めて活動しております(笑)。

──アルバムのリリース後の3月5日、6日に下北沢と名古屋で2日間レコ発ライブがあります。それへの意気込みをお聞きしてもよろしいでしょうか?

コモリ : まだアルバム聴いてない、聴いたけどまだ全然耳に馴染んでないという、大多数の皆様を困惑させる、アルバム全曲再現ギグになるかどうかは当日のお楽しみ。正直、観客目線でも最高の対バンに恵まれた2日間なので、如何に自分達の演奏時間までアルコールの魔力に屈しないようにするかが最大のカギかなと(笑)。

タカハシ : レスザンからCDをリリースしてもらってレコ発も組んでもらって、もう言うことなしです(笑)。両日とも客として他のバンド観るだけで楽しみですね。

──最後に、今後の予定をお聞かせください。

コモリ: 3月5、6日のレコ発でいきなり小休止(笑)という。5〜7月、地元札幌で来札バンドとの共演ある位で、札幌でのレコ発すら未定です。できれば土日祝利用して、1年がかり位で各地回りたいすね、呼ばれてなくても(笑)。15分のステージの為に色々な街に行けるなんて最高じゃないですか(笑)。

タカハシ : 毎年メンバーとは「今年はもう少し活動おさえようね」って言ってるんですが、年々めちゃくちゃになっていきますね(笑)。CDもリリースしたし、レコ発兼ねてやっぱり色々な土地に行きたいですね。あとはいま新曲全くない状態なので曲作りですかね。個人的には「レスザンからリリース」っていう学生の頃からの夢が叶ったんでもう死んでもいいかなって(笑)。

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DEATHRO / BE MYSELF(24bit/48kHz)

昨年10月のCOSMIC NEUROSE活動休止後、ヴォーカルであったDEATHROがソロとしてデビュー。演奏に小野寺陽多(Guitar from GROANING GROOVE/DAIEI SPRAY)、カワマタマコト(Bass from Not it?Yeah!/ex.東京スーパースターズ)、今岡零(Drums from MOONSCAPE/Sun Beam Sun)、レコーディング&ミキシングに荒金康佑氏(Elektro Humangel)、マスタリングエンジニアに中村宗一郎氏(PEACE MUSIC)を迎え制作された1stシングル。配信はOTOTOYのみ! そして、特典音源にはSun Beam Sunのアコースティック・カバーが!

ラミ子 / 妖精 イズ ヒア

レスザンTVが2016年の一発目としてリリースしたのは、妖精アイドル?? しもべに柴田聡子を連れ、サウンド面ではプンクボイとナスカ・カーの東西2大スカム巨人たちががっちりサポート! とりあえず色々乗っかりまくった問題作ですが、何より曲が良い! フィジカルはレコードのみの為、配信で購入出来るのはOTOTOYだけです!

Have a Nice Day! / Limited Express (has gone?) / Heaven Discharge Hells Delight(24bit/48kHz)

2015年秋には、平日にもかかわらずリキッドルームを満員にし、興奮の1夜を作り出したHave a Nice Day!とLimited Express (has gone?)のスプリット作品。お互いのカバーはもちろん、リキッドルームが沸きに沸いた合作「Heaven Discharge Hells Delight」、onnen、ECD、younGSoundsのモリカワアツシを招いた「Zombie Party」などを収録した1枚。

>>特集ページはこちら

LIVE INFORMATION

LessThanTV presents another channel #51 〜 『ColorMeBloodRed/less than CD』release party! ! !
2016年3月5日(土)@下北沢THREE
時間 : open 16:30 / start 17:00
出演 : ColorMeBloodRed / DEATHRO / ニーハオ! / thirty joy / VOGOS / urgh / NERVS / milkcow / FUCKER / KK manga / かくら美慧 / SHUT YOUR MOUTH

LessThanTV presents METEOTIC NIGHT 今池 〜HUCK FINN 35th ANNIVERSARY〜
2016年3月5日(土)@名古屋 今池HUCK FINN+FACTORY(跡地)
時間 : open / start 12:00〜
出演 : (HUCK FINN) ColorMeBloodRed / DEATHRO / Dancebeach / ECD+ILLICIT TSUBOI / HARD CORE DUDE / Killerpass / KK manga / Limited Express (has gone?) / MILK / NOISECONCRETE×3CHI5 / ロンリー / SOCIAL PORKS / THE ACT WE ACT
(FACTORY~跡地~) 碧衣スイミング / FUCKER / イチオン / 石原ヨシト / 板垣周平 (perfectlife) / ジョンのサン / 角田波健太 / おれ、夕子 / RAMZA / 滝沢朋恵 / トゥラリカ / volume down / 幽閉 a.k.a zero磁場

PROFILE

ColorMeBloodRed

05年頃札幌にて結成。
速く・短く・そこそこやかましく! !

11年、初代VO脱退~現VOに変わって以降『DEMO2012』『KICHIJOJI DEMO』『IMAIKE DEMO』(各CDR)、14年に関東圏ライヴに合わせて、初のプレスCD(8㎝)『ぐるぐるEP』発売。
15年には同じく札幌のMosomosOとのスプリットCDを高知の男道より、AOTA主催のPAIR LOOK RECORDSよりスプリット・カセット(w/AOTA)を発表。

ハットリ(vo)
タカハシ(g)
ミヤコ (b)
コモリ (ds)
の4人による、現行パワー・ヴァイオレンスに必須のドス黒要素皆無、音の向こうに90'sパワー・ヴァイオレンスが見え隠れする叩くとカラカラ音が鳴りそうな自称パゥワーヴァイオレンスfrom札幌!!

>>ColorMeBloodRed Twitter

[インタヴュー] ColorMeBloodRed

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