人間の生命力を打ち鳴らすシンフォニック・サウンド――bonobos、2年3か月ぶりの6thアルバム『HYPER FOLK』ハイレゾ配信

この力強く美しいシンフォニーはハイレゾで聴かなければ損だ。そう言いきれる。
オーケストラ・サウンドを大胆に取り入れた『ULTRA』から2年3ヶ月。前作のテーマ、サウンドをともに突き詰め、あらゆるものと響き交わす文字通りシンフォニックな、彼らにしか鳴らすことのできない唯一無二の音楽が誕生した。あまりのアルバムの素晴らしさに、編集長飯田仁一郎が直接蔡忠浩にハイレゾの6thフル・アルバム『HYPER FOLK』をつくってほしいと依頼し実現したOTOTOY独占ハイレゾ音源をぜひ聴いてほしい。ミックス/マスタリングは、toeの美濃隆章! レヴュー、そして公式特設ページのインタヴューと共にぜひとも。
>>6thアルバム『HYPER FOLK』の公式特設ページ
(OTOTOY編集長飯田仁一郎によるインタヴューを掲載)
bonobos / HYPER FOLK
【配信価格】
【左】ALAC / FLAC / WAV(24bit/48kHz) : 単曲 300円 / まとめ購入 2,500円
【右】ALAC / FLAC / WAV(16bit/44.1kHz)、mp3 : 単曲 200円 / まとめ購入 1,800円
【Track List】
01. グッドモーニング・マイ・ユニコーン / 02. lyrical ground / 03. Ghost / 04. Swansong / 05. 前夜 / 06. 三月のプリズム / 07. 春のもえがら / 08. virgo steps / 09. いずれの花嫁 / 10. うつくしいなまえ / 11. ぱらいぞ(inst) / 12. 末裔のバラッド / 13. 野うさぎと銀むくの渚のテーマ / 14. 末裔(inst)
※M5「前夜」、M11「ぱらいぞ(inst)」はまとめ購入のみとなっております
bonobos / 三月のプリズムbonobos / 三月のプリズム
ウルトラで、ハイパーで、圧倒的な光を鳴らし続ける
90年代ならザ・フレーミング・リップスの『The Soft Bulletin』、00年代ならアーケイド・ファイアの『Funeral』。ときに凄まじい高揚感で聴くものをここではないどこかへと連れ去り、ときにゾッとするようなこの世界の深淵を眼前に突き付ける。そんな楽曲に誰もが虜になって、多くのミュージシャンがその後ろ姿を追いかけたわけだが、いま最も彼らに近く、それでいて日本のバンドとしての確固たるオリジナリティを備えたバンドといえば、bonobosを置いて他にいないだろう。前作『ULTRA』から2年3か月、通算6作目となる新作『HYPER FOLK』は、またしてもの傑作だ。
蔡忠浩のソロ・アルバム『たまもの from ぬばたま』から『ULTRA』へと引き継がれたチェンバー・ポップ路線はさらにブラッシュアップされ、オープニングの「グッドモーニング・マイ・ユニコーン」をはじめ、全体を通じて鳴らされる壮麗なオーケストレーションが、作品の華やかなイメージを決定付けている。また、アコギ、ピアノ、スティールパンなども加えた生楽器のオーガニックな響きと、クリアな音色のエレクトロニクスの融合も調和がとれているし、元来の持ち味であるレゲエ~スカからハードコアに至る、変幻自在のリズムが生むアッパーで開放的な空気も魅力的。蔡が粘り気ある歌声で紡ぐフォーキーなメロディーの美しさも、もちろん健在である。
なかでも特筆すべきは、アルバム中盤に据えられた「三月のプリズム」。インスト・ナンバー「前夜」の余韻を引きずったリリカルな序盤から、ディレイで飛ばされた一発のスネアをきっかけにリズムが躍動し、わずかな静寂を経て、再びクライマックスへと駆け上がっていく展開がとにもかくにもドラマチックだ。2011年の3月から3年が経過し、少なからず記憶の風化が進むなか、いまも残る悲しみと、再生への兆しを、その両腕にギュッと抱きしめて、一瞬と永遠に思いをはせる、かくも美しい1曲である。そう、それは「Race For The Prize」の祝祭感と、「Wake Up」の勇壮さをも持ち合わせていると言っていいだろう。ちょっと大げさじゃないかって? いやいや、全然そんなことないから、まずは聴いてみてよ。
『HYPER FOLK』というタイトルには、もちろん「ハイパーなフォーク・ソング」という意味もあるだろうが、この「FOLK」には、「人々」や「集団」という意味も含まれているはず。bonobosの楽曲はこれまでも常に人々の日常に優しく寄り添うと同時に、そこには必ず生死を見つめるシリアスな眼差しもあった。「グッドモーニング・マイ・ユニコーン」の〈光よ、この場所や時にあるはずのない光よ〉や、「うつくしいなまえ」の〈なんというか、光 あるいは愛の詞か〉といった歌詞に登場する、ウルトラで、ハイパーで、圧倒的な光の正体。それはやはり、人間の生命力に他ならない。彼らはただひたすらに、それだけを鳴らし続けている。(text by 金子厚武)
OTOTOYで配信中のbonobos、蔡忠浩(Vo,Gt)の過去作品はこちら
bonobos / ULTRA
結成10年目にしてたどり着いた遥かな境地は、ロック史上かつてない程のスケールで奏でられる、凄まじくシンフォニックな音響の新大陸! 太陽や星、火や水や土風、ミツバチに岩魚に鹿にクジラ、さらには大根やオクラまで、荒々しく生まれ、鮮やかに逝く、あらゆる生き物達の生と死に向かい合った圧巻の詩世界!
結成10周年の年に新たな幕開けを飾った記念すべきシングル。レコーディング、ミキシングエンジニアにはtoeの美濃隆章。カップリングにはDE DE MOUSE、Serphによるリミックス、更には新曲「星の住処」のOORUTAICHI REMIXを収録!
ギターの佐々木"コジロウ"康之の脱退、自主レーベル"ORANGE LINE TRAXXX"の立ち上げ、4thフル・アルバム『オリハルコン日和』のリリース、そして3年ぶりの日比谷野音音楽堂でのワンマン・ライヴと、彼らの怒濤の2009年を締めくくる作品となった今作。配信限定シングル、さらにOTOTOYではハイレゾ配信。
bonobosのフロントマン、蔡忠浩が初のソロ・アルバムをリリース!! ソロ・アルバムと言っても、アコースティックな弾き語り等を想像する事無かれ! 本作は多数の豪華ゲスト・アーティストが参加、様々な楽器を取り入れ、bonobos以上に音数豊富なバンド・サウンドを中心としたアルバム。
RECOMMEND
原田郁子(クラムボン)と、タムくんの愛称でお馴染み、タイの人気漫画家ウィスット・ポンニミットによるコラボレーション・アルバム。かねてより競演を重ねてきた2人による今回のアルバムは、タイのタム宅で録音され、ピアノ、アコースティックギター、ドラムによるシンプルな演奏に、やわらかく響く歌声で構成されている。ライブで数回披露された曲と書き下ろしの新曲ばかり。
『空気公団』と、放送作家、ミュージシャンとマルチに活動する『美津留(倉本美津留)』による新しい取り組み「くうきにみつる」。コンセプト文字「いろはにほへと」を基に作品作りを開始。日本語の持つ響きや重ね、情景機微を独自にとらえ、温かくぬくもりのある作品群が完成した。ゲスト・ドラムスに白根賢一(GREAT3)、ギターに辻村豪文(キセル)を迎えてのスペシャル・ファースト・アルバムは全7曲収録。絵本作家やなせたかし氏の詩に音楽をつけた楽曲も収録。
Polaris / 色彩
変容と多様性。個性豊かな楽曲たちが奏でる新世界。Polaris重量級のミニ・アルバムが完成! 2012年、6年振りの再始動を果たしたPolaris。壮大なシンフォニー『光る音』は、Polaris、10年代のマスターピースの呼び名も高く、新たな時の始まりを高らかに宣言する楽曲となりました。それに続く作品となるミニ・アルバム『色彩』は、『光る音』で新たに耕された大地から芽生えた個性豊かな楽曲たちを収録。1枚を通して感じるのは、日常から非日常へ繋がる点と線。馴染みのある懐かしさと今まで見たことのない新しさが交差する景色。柔らかに変容しながらも多様性を内包した果てしなく続く物語。
LIVE INFO
東海道三次vol.6
2014年3月5日(水)@心斎橋 Music Club JANUS
2014年3月8日(土)@名古屋 CLUB QUATTRO
2014年3月9日(日)@恵比寿 LIQUIDROOM
GO OUT JAMBOREE 2014
2014年4月11日(金)〜13(日)@ふもとっぱらキャンプ場(静岡県富士宮市麓156)
bonobos 6th Album “HYPER FOLK” Release Tour「HYPER FOLK JAMBOREE」
2014年5月16日(金)@横浜 F.A.D YOKOHAMA
2014年5月25日(日)@名古屋 CLUB QUATTRO
2014年5月31日(土)@福岡 ROOMS
2014年6月1日(日)@岡山 MO:GLA
2014年6月4日(水)@札幌 KRAPS HALL
2014年6月6日(金)@仙台 HooK
2014年6月11日(水)@心斎橋 Music Club JANUS
2014年6月13日(金)@渋谷 CLUB QUATTRO
【蔡忠浩 ソロ・ワークス】
"ランタンナイトvol.17" MINERVA
2014年3月21日(金・祝)@MINERVA
飯坂温泉ミュージックフェスティバル"おと酔いウォーク2014"
2014年3月22日(土)@福島県福島市飯坂町「飯坂温泉街」6会場
出演 : 蔡忠浩 (bonobos)、大柴広己(アコースティック)、音速ライン(アコースティック)、FUNKIST(アコースティック)、ゴマアブラ、加藤雄一郎(NATSUMEN・L.E.D)、太陽族(アコースティック)、高橋勇成(paionia)、狐火、THE ANDS(アコースティック) and more...
"ランタンナイトvol.17" SENDAI KOFFEE
2014年3月23日(日)@SENDAI KOFFEE
"ランタンナイトvol.17" マグノリア
2014年3月25日(火)@マグノリア
"ランタンナイトvol.17" SAVINA(サヴィナ)
2014年3月26日(水)@SAVINA(サヴィナ)
BAGDAD CAFE THE trench town presents MEETS THE REGGAE 2014
2014年5月18日(日)@服部緑地 野外音楽堂
PROFILE
bonobos(ボノボ)
2001年8月結成。メンバーは蔡忠浩[CHUNG-HO SAI](Vo,Gt)、森本夏子[NATSUKO MORIMOTO](B)、辻凡人[BONDO TSUJI](Dr)。レゲェ / ダブ、エレクトロニカ、サンバにカリプソと様々なリズムを呑み込みながらフォークへと向かう、天下無双のハイブリッド未来音楽集団!