2010/01/12 00:00

OTOTOY Award 2009 ノミネート作品

西澤裕郎's CHOICE

新規フェスなど現場の盛り上がりが目立つ1年だった。今回の選定にあたって、現場感があるかどうか、ジャンル・レスに活動しているかどうか、そして内容の素晴らしさを総合して評価した。斬新さ以上に、自身のキャリアを更新したアルバムを作ったという点でこの5組は共通している。そういう意味では新人が洩れてしまっているかもしれないが、中堅〜ベテラン勢が充実しているという証拠である。の『』はライヴ・アルバムだが、今後こうしたライヴ形式の音源が多くのバンドで増えていくのではないか。そんな可能性を感じた。はアルバム発表前から今現在も『』の曲をライヴで演奏し続けており、何度聴いても違った発見があり、ソングライティングでも演奏面でも頭一つ抜きん出ていると評価した。

渡辺裕也's CHOICE

もし1作だけ選べと言われたら迷いなくの『』を挙げます。僕個人の「とにかく魂を揺さぶられる歌が聴きたい」という気分を助長させたのはまちがいなく彼らの作品であり、それをさらに加速させたのがでした。バンドの方向性と勢いの落とし所を絶妙に具現化した。孤高の存在感に一層磨きがかかる。どちらも前作から約1年という短いスパンでのリリースでした。そして最後の最後に届いた極上のインストゥルメンタル。総じて、ちょっとおセンチになったり、ニヒルを気取ったりしながらも、ひたすら音楽に突き動かされた1年だった。

水嶋美和's CHOICE

当然ながら古い記憶は薄くなってしまう。ゆえに年末に一気に一年を振り返る時にうっかり見逃しそうになるのは一月の事。しかし今年一月にが生んだインパクトは今も鮮明で記憶に新しく、関西の音楽シーンでは一体どんな事が起こっているのかを全国に知らしめた功績も大きい。それに半年遅れとが続く。前者は深夜京都のライヴ・ハウスではどれだけ熱く厚いグルーヴが流れているのか、後者は大阪のゆるくありながら確立したポップ・センスを全国に紹介した。そして東京ではが作品を発表した。時代と社会を反映した彼の音源の生々しさは2009年の音楽を語る上で外してはならない。そして「東京アンダーグラウンドの底力」が集まり世界を股にかけて活動するが新しい音源を発表した事も、今年は一つの大きな事件だったと言えるだろう。

南日久志's CHOICE

あれ、今年だっけ? という感じもするけれどやはり2009年話題のバンドはどう考えても。それ以外は重鎮の作品が目立ったように思います。長いキャリアを持つミュージシャンの素晴らしい作品が豊作だった年なのではないでしょうか。アルバム1枚という意味では圧倒的にを聴きまくった1年でした。アンダーグラウンドの代表格という印象だと思いますが、まだまだ広く聴かれてもいいバンドです!!! 名盤過ぎて全曲そらでうたえますゆえ誰かカラオケにいれてください。高音質配信がはじまったり、その傍ら頑固にアナログ盤を出し続けるミュージシャンも健在で聴き方を選べるという意味では面白い年だったのではないでしょうか。音楽じゃないけど雑誌の休刊が残念な反面、面白いジンもたくさんでてきてますし。あとototoyに言いたいことは、エコバニの新譜、遠藤賢司の新作も配信してくれ!

ゆーきゃん's CHOICE

すべて邦楽となってしまったのは、2009年の僕がよい「現場」に立ち会えたということの大きな結果であると思う。クオリティの高い音楽はいつだって日々生み出されているけれど、個人にとってのすばらしい食事を決める為にミシュランの星の数などは基準にならないのと同じで、その音楽がいま私にとってどう響くか、どう聞こえるかが今年の僕にとっては大きな問題だったのだ。(そういう意味では、リイシュー作品でありながら時代を突き抜けて耳に刺さってきた突段の「」が個人的に最大の事件だったかもしれない。)リアリティということばで一からげにしてしまうのはあまりに短絡的であるけれど、この国、というよりもこの日本語の世界で日々暮らし、足掻き、 自分の表現を探している人々の生々しい息遣いをたくさん聞くことができて、個人的にもとても実り多い一年でした。

金子厚武's CHOICE

世界的な流行となっている多国籍ビートの波とシンクロしながら(むしろ先取りながら)、日本人ならではのオリジナルな表現を作り上げたがアタマ一つ抜けていた印象。、といったUSインディを背景としながら、日本語のリリカルなメロディを持ち味とするバンドの作品も素晴らしかった。アルバムではないものの『』をランクに入れてしまったと合わせ、2〜4位の3組に共通するのはペイヴメントのファンだということ。狂騒的なロックが表舞台でもてはやされる今、そのカウンターとしてのペイヴメント的なゆるさが、2009年のインディ・シーンの空気を形作っていたように思う。ディスは、ファンなので。

小林美香子's CHOICE

相変わらずたくさんのライブに行って良いものをたっぷり得た00年代最後の年。今回選定した5枚も出会いはライブ・ハウスだったなぁと気付かせられる。新年早々からに衝撃を受け、蝦名氏の歌声に感動させられた今年の1月。頼もしい期待の星と呼ばれて、今年の上半期から輝かしい活動が目立った。これらがもう1年前だと思えないくらい、私の記憶の中では1ヶ月前ぐらいのことのようだ。初夏に発表したは前作と同様に期待を裏切らない作品になって、素晴らしかった。今年で結成15年を迎えたは聴き手を幸せにしてくれる出来の良い作品。ジャケットと音源の別売りを試みたはネット配信利用者にとってはありがたい出来事だった。配信というものがリスナーにとって、より身近な存在になった1年だったといえる。改めて選出した作品を見返すと、若々しく、自分の年齢に相応しいなと思いました。

井上沙織's CHOICE

日常に溶け込む柔らかなサウンドの。音源もさることながら、6月の来日公演がとてもポジティヴで素晴らしかった。アコースティック・ギターとヴォーカルというシンプルな構成で、シンガー・ソングライターとしての才能を余すところなく表現した。vo.矢田さんのインタビューでの発言が印象的だった、渋さとエモさが胸に迫る。現メンバーで活動を重ね、グルーヴを作り上げてきた彼らの勢いをひしひしと感じた。どのアーティストにも共通しているのは、飾ったことをしていないということ。だからこそ心の底から揺さぶられたし、染みました。今年最も聴いたであろう5枚です。

池田義文's CHOICE

100年に一度の不況といわれながらも、今年のミュージック・シーンは音楽的には好況、豊作だったのではないかと思います。特に新譜をよく聴いた年でした。まずは独自のアプローチで変態的なビートを聴かせてくれたは平成の「ええじゃないか」と思うくらいアホ踊りを踊らされました。さらに二人の年齢を足せば100歳を超えるの新作『』は音楽に対する変わらぬ探究心と情熱を感じました。年齢を微塵も感じさせないエネルギッシュなパワーで満員のオーディエンスを踊らせるグルーブを生み出した来日公演は、今年のベスト・アクト。そして日本からは若手の二組、を選出。ジャンルの壁を簡単に超える作品は今後の飛躍を感じさせる2枚。そして、最後に。ロックもテクノも関係ない。音楽を作っているのは人間なんだと思わせられた快心の一枚。

JJ's (from ) CHOICE

2009年は、、やUG MAN等の先輩達が素晴らしいクオリティのアルバムを次から次にリリース。オルタナティブ・ミュージックが大豊作の年でした。一方で、年末にかけて高円寺が大騒ぎだったり、CDが売れないとか、不況だとか色んな話が飛び込んできますが、それでもアーティストのクリエイティビティはとまらなくて、街中に面白い音楽は溢れています。そして2010年からもずっと。だから、音楽を追いかけることはやめられないし、ototoyでも紹介したいアーティストが多くて困っちゃう。最近、面白い音楽がないなんて言う人は、ライブ・ハウスに行くことと、ototoyをまめにチェックすることをお薦めします。ってことで、趣旨度外視で「おいおい! この人たちチェックすること忘れてないかっ!?」って作品を選んじゃった。

LINK

recommy Award 2008 : https://ototoy.jp/feature/20081212

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