2009/10/11 00:00

今年のチンロックのテーマは「まじめにバカをやる」である。

大昔、祭りってのは雨乞いだったり、農民の村祭りだったり、普段の生活がずいぶん抑圧されてるという状況がバックにあっての快楽の大爆発だったと思うんだけど、それをチンロックで再現したかったんよね。世の中は大不況だし、明日も見えない鬱々とした今の状況だからこそ原点というか、原始的な意味での“祭り”ができるんじゃないかと、そう思った。

もうすでにここまでの流れで多くの人は気付いてたと思うけど、今年のチンロックは演奏側もお客さんも飢え方、求め方がハンパじゃない! 真剣に音楽やってるヤツラが、命がけで勝負してくるのを、お客さんは全力で受け止める! そんな真剣なキャッチボールが「まじめにバカ」を実現化させた!!!

nontroppoでドカーンと踊り狂って、普通のイベントだったらそれで終わる所だ。主催バンドがトリで演奏って感じで。 でもチンロックの醍醐味はここから後なのである!

バトンは「ぱちゅ〜む」へ。
Perfumeの完全あてぶりアイドル・ダンス・ユニット、この男祭り的なチンロックに放り込まれた唯一のメス! そう、祭りに生け贄は必要不可欠であるのだ〜! ナンチャッテ(笑)。ぱちゅ〜むの本気度も今年のチンロックに相応しい、その本気度に応えるオーディエンス。紙テープが宙を舞う! あれはきっとカラフルなザーメンだったに違いない。

バトンは「カシミールナポレオン」に!
ぎゅうぎゅうのフロアにお客さんがびっしりと体育座り! お客さんの期待度、注目度はやたら高くなってる気が...(笑)、いや、これはカシナポがこのスタイルを11年続けた成果である。東京で磨かれスキル・アップした笑いのセンス! 狙ったとこもドカンと受けるし、狙ってないとこでまたドカンと受ける! 11年もやってて初めて作った曲がいまだに歌えてないとことかもう神懸かり的だ。サイコーすぎる! 腹がよじれまくり「もうやめて〜」と叫んじゃうくらい笑った。

バトンは「アウトドアホームレス」へ!!!
ステージ上は男十数人のAHO! AHO! AHO!! 博多ぶらぶらみたいなヤツ! ブラジャー&パンティーのヤツ! レスリング! 殿様! 裸! ロン毛! 変態! まともなヤツ0人! 曲はファンクからラテンからハード・ロックからごっちゃまぜ! まさに通天閣チックというか道頓堀チックというか。これぞ大阪! It's a コッテコテ・ワールド!! 「渋さ知らズ」からいろんな要素をひっこ抜いてAHO要素だけを巨大化させた平成の「ええじゃないか」である。最高だ! アホだ!! あまりのアホさにお客さんも全員アホになる!! 俺はぷり〜んと出たボーカルのケツにビール瓶を突っ込んだ! クライマックス「こ〜んなおっさん妖精としかおもわれへ〜ん!」の大合唱、いつの間にかステージ上にお客さん、フロアにメンバーって立ち位置が逆転してるというすごい状況! 最後はAHOAHO千手観音でAHOの神様がVooDooに降臨した。

今年のチンロックを象徴するようなステージだった。

ゲスト・バンドは全て終わり、23時をまわった。残りは地元バンド2組。いつものチンロックだったら、ここでお客さんが半分くらい減る、それがいつも悔しかった。

しかし、今年のチンロックはお客さんが減らない!!!! やったぜ!!!!!!

とんでもないことになってるバトンはそのまま「一銭めしや」へ!
レザー・フェイス・マスクかぶって絶叫しながらスタート!1曲目からフル・テンション! お客さんも同じく! みんな踊り狂い雄叫びをあげてる! また俺のメガネが宙を舞う! ステージ上に3匹の獣がいた!!

いよいよバトンはアンカーの「モノラルセンス」へ!!!!
血とか汗とかうんことか染み込んだこのバトンを最後に渡されるモノセンはきっと毎年プレッシャーだろう。でもそんな風に感じさせない、モノセンはいつだっていつものモノセンだ! ただ、今年はお客さんが違う!! 24時とっくに過ぎてるのに全然帰らないお客さん、そして自分のステージを終え、満身創痍ながら最後の力振り絞って踊る共演者たち!!! なんだこのパワーは!!! その映像が早くもYouTubeにアップされとるぞ!!! 見よ!!

モノセンという神輿をみんなでワッショイワッショイ担いでそのまま最後神社に奉納するような、まさに祭りのクライマックス!! 激しく点滅するストロボ・ライトの中、カクカク踊るみんなの笑顔! たぶん誰も覚醒剤とかやってない筈だ。音楽だけでここまで覚醒できるんだよ俺たちは!!!!

音楽最高だ!!!

「音楽〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」
と叫んだ。

完全にぶっ飛んだ気分で、俺は最後にマイク掴んでいっぱい叫んだな。
「まじめにがんばろう〜〜〜〜〜〜!!!!」
とも叫んだ。

これだけのバカをやり放題やり尽くして最後に「まじめにがんばろう! 」 なんて、最高にギャグだ(笑)。 でも大マジメに言っとるからね。

なんだか、山のてっぺんに登ったような爽快感と達成感があった。
今年のチンロックを一言で表すなら“登山”だな(笑)。
お客さん150人、出演者・スタッフ70人。
総勢220人で登った登山、

山頂は良い景色だったよ〜。

みんなありがとう!!!!!!!!

PROFILE

ボギー。ダンス仕様のライブ・バンドとして高評価を得ているnontroppoのボーカル&ギター。ニュー・ウェイヴ、レゲエ、ダブ、ジャズ、プログレ、サンバ、トランス・ミュージック等あらゆる音楽的要素を内包したカラフルで不思議なサウンドに、無国籍なダンス・ビートが絡み、聴く者全てを狂喜の「祭」、もしくはありもしない架空のリゾート地へといざなうちょっぴり危険なトロピカル・アヴァン・ダンス・ミュージックを奏でる。

artist page https://ototoy.jp/them/index.php/ARTIST/1829

blog ”ボギーの悪趣味音楽作法” http://www3.to/yokotin/

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