2012/11/15 00:00

鬼才Matthew Herbertの初期名義Wishmountainが、14年振りとなる最新作『Tesco』を引っ提げ衝撃の復活を遂げる! 毎回、奇抜なサンプリング音源で話題をさらう彼が今回目を付けたのは、イギリスを中心に展開を拡げるスーパーマーケット「Tesco」! そのテスコのベストセラー10商品からサウンドを完全サンプリング。全8曲で構成される本作には「コーク」「ネスカフェ」など、ここ日本でもお馴染みのタイトルがずらり。Wishmountain名義ではスリリングなサウンド展開が多く、初期からのファンも嬉しい一枚!

Matthew Herbertの初期名義、Wishmountainが14年ぶりのアルバム・リリース!!

Wishmountain / Tesco

【配信価格】
mp3, WAV共に
単曲 200円 / アルバム 1,500円

【Track List】
1. Lucozade / 2. Nescafe / 3. Kingsmill hovis and warburton / 4. Fruit shoot / 5. Dairy milk / 6. Walkers / 7. Andrex / 8. Coke

奇才Matthew Herbertが、Wishmountain名義で14年ぶりに放つ新作アルバム『TESCO」! DOCTOR ROCKIT、RADIO BOYと並びHerbertを語る上で外せないオルターエゴ・Wishmountainがまさかの復活! あの名作『Wishmountainisdead』以来となる新作はスーパーマーケット・TESCOからインスピレーションを受けたと言う、実にHerbertらしい怪作!

日々の生活の中に溢れている音を、音楽に昇華する

イギリスの電子音楽作曲家、Matthew Herbert。初期に使われていたWishmountain名義では実に14年ぶりとなる新作アルバム『Tesco』がリリースされた。収録されている楽曲は、イギリスの大手スーパーマーケット「Tesco」の人気商品ベスト10のスポーツ・ドリンク、食パンやチョコレート、ペット用のトイレ・シートまで様々な商品からサンプリングされた音で構成されている。前作のMatthew herbert名義で2011年にリリースされた ONE PIGでは、豚の一生を録音し、1つの作品として作り上げた。今回のアルバムもメッセージ性が強く、また全体を通して実験性の感じられる作品となっている。

1曲目としては重みのある「Lucozade」では、1音目から非常に高い緊張感が感じられる。笛のように空気を含んだ低めの旋律が立ち現れ、ジャンベのような太く低い音から高音まで、複数のパーカッシブな音色が重なる。中盤の「Fruit Shoot」や「Dairy Milk」では堅く細かく刻まれたボトルを叩く音、パッケージを開ける音、フィルムの擦れる音やクッキーの割れる音、よく聞けば確かに耳にしたことのある音から作られていることがわかる。生活に溢れる物から出される音は、意味を持っていない。それぞれ切り取られた音も、単体では非常に無機質であるように感じる。しかし、それらの音の組み合わせが、有機的な響きを作り上げる。

日々の生活の中に溢れている音を、音楽に昇華する。Wishmountain名義でリリースされた今作は、日常と音楽の垣根を壊し、再構築する。新たな角度、新たな視野。日常に溢れた音楽の断片たちは、私たちの生活をより豊かにしてくれるものかもしれない。(関口香菜)

Matthew Herbert、別名義の音源も配信中!!

Matthew Herbert / One Pig

1人の人間としてのHerbert自身をテーマにした"ONE ONE"、クラブでの一晩をテーマにした"ONE CLUB"、そしてこの"ONE"3部作の完結編にして最新作"ONE PIG"のテーマはずばり豚の一生。豚が生まれ、養豚場で飼育され、調理されて食されるまでに生まれた音をサンプリングする、まさに豚の一生によって構築された作品となっている。過去の、グローバル企業の商品の破壊音で構築されたRADIO BOY名義での作品などを彷彿とさせる、まさに彼の真骨頂とも言える衝撃的なコンセプトを持った作品。

>>『ONE PIG』特集ページはこちら

Herbert / Bodily Functions Special 10th Anniversary Edition

鬼才Matthew Herbertの傑作! 今やエレクトロニカのクラシックと呼ばれる名盤、あの『Bodily Functions』の再発盤をリリース! ほぼ全編にわたり、女性ボーカルのダニ・シシリアーノとピアノのフィル・パーネルを起用し、様々な生活音がサンプリングされた、彼独特の遊び心あふれたトラックに、ダニのアンニュイな歌声、フィルの美しくせつない演奏が栄え、非常に音楽性の高い楽曲を生み出すことに成功している

PROFILE

Matthew Herbert

1972年、BBCの録音技師だった父親のもとに生まれる。幼児期からピアノとヴァイオリンを学ぶ。エクセター大学で演劇を専攻したのち、1995年にWishmountain名義で音楽活動をスタートさせる。以降、ハーバート(Herbert)、ドクター・ロキット、レディオボーイ、本名のマシュー・ハーバートなど様々な名義を使い分け、次々に作品を発表。彼の作品はミニマル・ハウスからミュジーク・コンクレート、社会・政治色の強いプロテスト・ポップに至るまでジャンル、内容を越え多岐に亘っている。また、プロデューサーとしても、ビョーク、REM、ジョン・ケール、ヨーコ・オノ、セルジュ・ゲーンズブール等のアーティストのプロデュースおよびリミックスを手掛けている。2010年、本名であるマシュー・ハーバート名義で「ONE」シリーズの第一弾で、自分という一人の人間で全てを作る作品『ONE ONE』を発表。同年秋、第二弾としてあるクラブでの一晩にスポットを当てた『ONE CLUB』をリリース。そして、2011年夏、ある一匹の豚の一生涯を追った「ONE」シリーズの最終章『ONE PIG』をリリースし、話題を呼んでいる。

Matthew Herbert official HP

[レヴュー] Wishmountain

TOP