2021/05/18 20:00
東京インディー・シーン唯一無二の存在感を示すミンモアが1stアルバム『帰郷の日』よりタイトル曲の「帰郷の日」MVを公開した。
結成から5年の月日をかけて作り込んだ本作は、微睡みを誘う柔らかな歌声にそこはかとなく漂う寂寥感…、ソフト〜フォークロックからの源流を現代的なサウンドへと昇華した至高の音世界。
-推薦コメント-
<五十音順・敬称略>
岡村詩野(音楽評論家/TURN編集長)
「ニッポン・フォークロア」そんな名前をつけたくなる作品だ。
ブラジルはミナスの音楽や、アパラチアン・フォークへのアプローチを感じさせつつも、どうしようもなく日本の情緒が言葉とメロディに刻まれていて胸が甘やかに締め付けられる。
あの頃の風景と、これからの生活とを繋ぐ魔法の扉のような、柔らかで穏やかだけど意志の強い歌。
リーダーのコンノくんとは「おいしいはなし」の頃からのつきあいで、その頃からちょっとヘンテコな曲を作るソングライターだなと思っていたけれど、今はこんなにも地に足のついたヒューマンなコンポーザーだ。
どの曲も素敵だけど、私は「帰郷の日」が特に好き。旋律もハーモニーもアレンジもパーフェクトです。
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柴崎祐二(音楽ディレクター/評論家)
前バンド<おいしいはなし>の頃から、リーダーの今野くんは常になにか胸中に思いを秘めたところのある人だと思っていた。
やりたいことをやりながらも、同時に本当にやりたいことを探している、そんな佇まい。
ミンモアという新しいバンドを始動させたという便りを聴いて以来、その「やりたいこと」をどのように熟成させていくのかを密かに期待していたのだけど、このアルバムはその期待に応えてくれる、というかそれ以上の成果を聴かせてくれる。
バンドという形態をもってこういう繊細なニュアンスに富んだ音楽をやること。「ひとり」で音楽をつくることが常態化してしまった今、それはかなり難しい道であると想像する。けれど、ここに結実した音楽は、いかにも軽やかで、センスフルだ。
豊かな余白が全体を包み、さまざまなコミュニケーションの色彩が織り込まれてもいる。
彼らも私も、長らくインディー・ポップに執心してきた同志であるという気持ちを再確認させる、みずみずしい「懐かしさ」。経年とともに新たに生成する、音楽の芳醇。
今、こういう音楽があってくれることが、とてもありがたい。
やりたいことを焼き付けながらも、その余白でやりたいことを更に想像させる音楽。
思えば、私はそういう健やかな野心が秘められた音楽をずっと聴いてきたし、これからも聴き続けるだろう。
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元山ツトム(ペダルスティール奏者、ゑでぃまぁこん)
待望のミンモアのフルアルバム。素晴らしいですね。抜けるようなフルートやグロッケン、巧みに構築されたコーラス。
この大きな作業をやり遂げた後のライブを早く見てみたいと思いました。きっと素敵に違いないことでしょう。
ボーカルのサエコさん、ちょっとやそっとじゃ動じない佇まいで、なにやら元々ハードコアな界隈に出入りしてたそう。
ガンガンにディストーションだった人達が作るソフトなロックってやっぱりちょっと違いますよ。
僕や僕の周りも割とそんな感じなのでまた一人仲間が増えたみたいで頼もしくもあります。
そしてお坊さんでもありサッカー選手でもあると聞いた。もう逆らえないですよ。笑
【リリース情報】
アーティスト:ミンモア
タイトル:帰郷の日
レーベル:P-VINE
品番:PCD-25316
定価:¥2,500+税
発売日:2021年2月3日(水)
ロスレスで配信中
https://ototoy.jp/_/default/p/670685
《収録曲》
1.誰かが私を通り抜けた
2.帰郷の日
3.音信
4.深夜の定期便
5.オオカミ
6.あこがれ
7.草原
-Mimoa Official-
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