2025/07/03 15:30

編集部が注目する今週のリリース作品

満を辞して『GEAR BLUES』のリマスターが登場


デビュー30周年プロジェクト第4弾で満を辞して『GEAR BLUES』が登場。間違いなくバンドの絶頂期、ジャケットの4人の立ち姿だけでもう参りましたという感じです。もっとザラザラで音の塊がどーんとやってくるようなアルバムだと思ってたんですが、こうしてリマスター、ハイレゾ化でそれぞれの楽器はきちんと立った上で、ザラザラ感もちゃんと感じさせるような音になっているんだなと再確認。決してローファイではなく、ちゃんと多くの人に届くように緻密な音作りがされているという。ちなみに自分は"ボイルド・オイル"が好きです。(RSRの初回のライブ映像でのこの曲の演奏があまりにも走りまくっているやつが特に最高) (高木)

『MY 〇〇』シリーズ第3弾


『MY 〇〇』シリーズの第3弾となる、ゆうらん船のサード・アルバム。校歌や交響曲などの作曲・編曲でも活躍する永井秀和 (Pf) の貢献が大きく感じられる一作で、これまで以上にポップス方面にひらけた印象を受ける。一方で、DTMを駆使した歪んだノイズの質感や、ディストーションまみれの轟音ギター全開のバンド・サウンドも随所に盛り込まれ、多彩な要素が詰まった仕上がりに。轟々とうずまく壮大な音のなか、細くしなやかな琴線がピンと張りつめているような緊張感と美しさをあわせもった、バンドの新たな指針となる一枚。(石川)

新加入のドラマーをフィーチャー


4月にEPを出したことが記憶に新しいHeavenstampが早くも新曲をリリース。新加入のドラマーMikiをボーカルにフィーチャーした今作は、神秘的なサウンドが心地良い、これまでとは違った印象を受ける仕上がりになっています。雨垂れのようなドラムや囁くようなボーカルが全身を癒してくれて、まるで静かな森の中にいるような気持ちに。(藤田)

完全自主制作のファーストEP


3人組オルタナティブ・ロック・バンドusurahiが1stEPをリリース。3人のエッセンスがプライベート・スタジオで煮詰められたことにより生まれた濃密な5曲の楽曲群は、きらきらと輝きながら、無慈悲にも薄れていく記憶のような儚さを纏っている。北欧的なポスト・ロックの影響を受けた透明感のあるギターと、揺蕩うアンビエントから感じ取れるフィルムカメラのような霞み、濁りの二面性が、より強度の高いポップスとして再構築されたEPとなっている。(菅家)

4年ぶりのフル・アルバム


言葉、歌を主軸にエクスペリメンタルなポップミュージックをiphoneで作る (制作方法が変わっていなければ)、uamiのフルアルバム。雪国の京や、 君島大空、payaなどと行う二人会の雰囲気が作品には流れているという。それは相互作用による有機的な音の絡み合いなのだろうか、IDM的な音の配置はシグネチャーとして残りながら、場としての空気がフィーレコや柔らかなシンセによって醸し出されている気がする。(津田)

6枚目フルアルバム


好きなものは好きだ、そんな言葉が思い浮かぶのは、このFrankie Cosmosの6枚目のアルバムが「“原点回帰” ね」などと言われ得るることへの心理的防御だろうか。だが ”かつての自分” と無関係でいられるものなどいない。意図して時間軸にわたって内省的であることに意味はある。そのうえでこんな素敵なアウトプットが生まれるのであれば、なおさらだ。制作用に借りた家のリビングルームでのセルフ・レコーディングとのことだが、「音が良い」アルバムだ。そうした大小の揚棄を重ねることで、ひとは前に進む。(高田)

オトトイパーティー通信

〈K/A/T/O MASSACRE〉、〈Pure vibes only〉、〈DJ MARCELLE〉、〈ほしのおと〉──オトトイパーティー通信 vol.36

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